仮面ライダーフォーゼ 最終話「青・春・銀・河」

 2012-08-26
狙うは友情、目指すは宇宙、青春の果て無き頂上(てっぺん)。
銀河の渦はでっかい嵐。銀河上等!

「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」
宇宙船アポロ11号の船長として、人類として初めて月に降り立ったニール・アームストロング氏の訃報に際し、心よりお悔やみ申し上げます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%82%B0

たったひとりの若者が踏んできた、出会ってきたひとりひとりと友達になっていくという小さな一歩。そしてそれは、全宇宙に繋がっていくはずの大きすぎる友情という飛躍へのステップ。

実は最終回で期待していたのは、ウルトラマンマックス最終回、マックスとの再会を自分の孫に託し、その孫を乗せて旅立つ宇宙船を希望に満ちた眼差しで地上から見送る老いた主人公・カイト…という壮大にして感動的な叙情詩。
宇宙へのアプローチという、SF的側面からすればそれもまた美しい終わり方ではあるんだけれど、「仮面ライダーフォーゼ」が選んだのは最後まで“友情”というテーマに拘りぬいた故の最終回。
それでも、実のところイロイロと物足りなさを覚えてしまうのは、どうしても前回で上げに上げられたハードルに対しての尻すぼみ感を勝手に感じてしまったが故というか…。

最後に、賢吾がユウキに託していた手紙に書かれていた親友たち――ライダー部へのメッセージと、そして最後の願いとしての、自分の夢を叶えたいあまりに道を踏み外してしまった鶴見辰吾への救済。
最終決戦を控え、鶴見辰吾が学食に残していた手製野菜スープをかっ食らってから決戦に挑む弦太朗というのは、何よりも賢吾との最後の約束を必ず果たすという決意表明。
最終回を手がけたのが、第1話も劇場版も担当した、まさにフォーゼの主力たる坂本浩一監督として、番組に与えられていたもうひとつのテーマは徹底的なるアクション面の追求。最終回に至ってもそのスタンスは変わることなく、マシンマッシグラー&メテオスターによる爽快なまでの戦闘員ぶっ飛ばしアクション(戦闘員もバイクに跨っての騎馬戦とかあったら大喝采だったですけど)に、連続ステイツチェンジによるフォーゼVSサジタリウス。そして互いの持てる技を駆使し合ってのメテオVSレオと、それぞれの最後の一騎打ちに至るまで見所満載。

ええ、そりゃあ予算の問題があるにしろ、最後にライダー部が中心となって執り行われる鶴見辰吾理事長への卒業式、ライダー部の連中だけの参列でなく正直それこそ全校生徒をかき集める勢いで、多くの生徒たちに見送られる…という形でやってほしかったなあと。
学園物の最終回を卒業式で締めたいという意図は判るんだけど…それならそれで、最終回、卒業式を執り行うための、学校中に向けたライダー部の奮闘というのも見たかったんだわなあ。ええそれはまだ上映中の劇場版と内容被るとしても。

レオVSメテオは、さんざ番組のアクション路線を体現する決闘として(Gメン'75で言えば、香港カラテシリーズにおける倉田保昭VSヤン・スエに匹敵するな)、最後まで肉体派アクションを存分に視聴者の瞼に焼き付けての最終決着。メテオストームの最終キックがレオに胸板に炸裂した際、二人とも変身が解け、流星のキックが横山一敏さんに直撃した瞬間に…って演出が鳥肌。この二人の最終決着については、まさに番組のもうひとつの締めとして感無量であります。流星、昨年末のMOVIE大戦から始まって、良くぞこの9ヶ月間を戦い抜いた!

そして、サジタリウスの胸に炸裂するライダーロケットドリルキック。――自身のエゴが自身の未来そのものを阻んでいたことを、無限の未来の持ち主たる弦太朗に喝破される形で…膝を着くこととなる鶴見辰吾。
賢吾との約束どおり、鶴見辰吾とも「友達」として握手を交わす弦太朗。それは鶴見辰吾にとって、自分の夢を託すに相応しい――「友達」と出会えた瞬間。だけど、もうすべては遅すぎたこと。
最後に、アクエリアススイッチの能力でコアスイッチを復元させ、自らは宇宙への夢を「友達」に託してひとり息絶える鶴見辰吾…。

賢吾との辛い別れの象徴たる、最後の手紙を持ち続けることに耐えられず、橋の上からその手紙を捨てようとする弦太朗。その弦太朗の手を止める、自分の、この学校で出来た一番の親友の手。1年前のあの日、二人の出会いの瞬間を反復するがごとくに――。
…えーと、賢吾の帰還にしても、まあ視聴者を寂しい気持ちのままで終了させないという「フォーゼ」らしい前向きな良さは凄く出てたと思うんですよ。ただ、それで「宇宙との架け橋」という賢吾の使命があっさり解消されちゃったのはどうかと…。

まあ新生「宇宙仮面ライダー部」の新たな目標が、賢吾の使命を全員で共有して、自分たちの力でプレゼンターに会いに――宇宙中のみんなと友達になりに行くというのになって、そんなポジティヴな未来への希望感は、「フォーゼ」の企画段階からであろう番組の使命としての「みんなを元気にするライダー」を存分に全うしたものと思います。
最終回を迎えても、予告されている次なるフォーゼの活躍は年末のMOVIE大戦。まがりなりにも3年生として卒業を控えた時期となっても、弦太朗はやっぱり誰とでも友達になることを目指し、そして、ライダー部の仲間と共に宇宙を目指しているんだろうなあ。そんなどこまでも前だけを向いた弦太朗に、再び会えること楽しみにしてますです。
テレビを通した、視聴者の一方的な思い入れとしても、自分もまた弦太朗の友達になれて良かった。

ラビットハッチという、みんなの夢の在り処は失われたとしても、宇宙に直接繋がる青空の下は何処だって宇宙仮面ライダー部の部室。そして見上げる青空の彼方には、まだ見ぬ、大勢の宇宙の友達が待っている。
銀河の渦は大きすぎるまでの友情の輪。宇宙仮面ライダー部が、その大きな輪のすべてを巡るその日を夢見て――。
スポンサーサイト
≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫ 次ページへ ≫
Twitter
プロフィール

事業部長わたなべ

Author:事業部長わたなべ
北国に蠢く黒い影。心に星を持つ男。
模型HP「豪雪地帯酒店・第二事業部」やってます。
http://www.geocities.jp/x3318jp/

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ

白黒つけようぜ
□□□