仮面ライダーW 最終回「Eにさよなら/この街に正義の花束を」

 2010-08-29
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風が呼び込む探偵依頼。
街の切り札たる二人の探偵、友よ、今また君と共に――。

フィリップ消滅から1年、その託された願いを守り、ひとり仮面ライダージョーカーとして戦い続ける翔太郎。最終回にて劇場版ライダー活躍というのは、ある意味公開中の映画の宣伝ではあるんですけれど、前回での切ない別離のシーンが生きる切なさ募る登場でもあるんですな。
ええ、自身の身体ひとつを武器に、ライダーパンチ・ライダーキックで怪人を打ち倒す勇姿は昭和ファン歓喜なんですけど(OK!)。

最終回の依頼人は、自身の甘えと弱さを「自分は子供だから当然だ」と正当化する駄目っ子小学生。フィリップの欠落をやせ我慢で覆い続ける翔太郎にとっては、「僕ひとりでは何も出来ないから」という依頼人の言葉は自身と重なる痛み。行方不明の姉を探してほしいという依頼は、捜査の過程でところどころ口にも態度にも出てくる亡き相棒への依存からの脱却のためかそれとも相棒の影を追い求める捜査か? 今回、最終回に至って久々に機能するフロッグポッドが、こんなにもぶち壊したくなる登場とはなあ(苦笑)。

最終回の敵組織、EXEは今は沈黙している偉大なカリスマを頂点に、ミュージアムの跡を継ぐことを宣言する不敵な不良学生グループ。そして、EXEがその存在を指したかのように、警察病院から復活し再びガイアインパクトを目論む若菜――! つか、若菜のくだりの展開がすべて1年前の出来事でしたというのはなんたるミスリードなんたる叙述トリック。
EXEの連中の抜かしていた、偉大なリーダーの正体というのが、番組の真犯人は序盤に登場しているという番組のパターンを最後まで崩さなかったとはいえ…意外と言えば意外、肩透かしといえば肩透かしな。

本来なら若菜に隠され続けるはずだったフィリップ消滅の真相と、その最愛の弟の消滅に、自分なりのガイアインパクトをと母・シュラウドに望む若菜。最後に娘の進むべき道を示し、息絶えるシュラウド。ここでシュラウドが息絶えるという伏線は特になかったと思うんですけど…顔を覆っていた包帯は、やはり命を奪いかけていた大怪我を隠すための物だったということでしたか。
若菜が自らの肉体を差し出し、そして、地球に選ばれた家族としての園咲家一同の願いを託され、地球の運命を握るものとして、そして、今は街を守る風として――翔太郎の前に再び姿を現すフィリップ。

二人で一人の変身ヒーローという昭和以来のコンセプトを導入した、半身異色というインパクト抜群の姿で視聴者の目前に現れた仮面ライダー、ダブル。幕を開けば年長視聴者に訴える70年代風味の番組内容と、2話1エピソードの堅実な番組内容の安定感と、それに決して座しない趣向を凝らした展開の数々は多くの視聴者層に受け入れられ、翔太郎役桐山漣のブログで告知された、変身ベルトDXダブルドライバーの売り上げが平成ライダー歴代1位に輝いたというニュースもその人気を裏付けるものであります。
難解な伏線や展開を極力廃した脚本の判りやすさと、もちろん愛すべき登場人物たちを演じた役者陣の好演も輝いており(数々のインタビューにおける桐山漣のライダーへのこだわりは、リップサービス半分としてもライダーファンとしては嬉しい物)、「クウガ」~「ディケイド」までの10作を経ての、新たな平成ライダーシリーズの幕開けを飾るのに相応しい完成度を見せて完結しえたとも思えます。

人は誰もが自分ひとりでは何も出来ない弱さを持っていて、それでも、自分ひとりで決断しなければならない時が必ず巡ってくる。その辛さをやせ我慢と共に背負って、振り絞った少年の勇気が果たす捕らわれた姉の救出。そのたったひとりの決断を讃え共に戦うべく駆けつける味方こそ――街の、人々の平和の守護者・仮面ライダー。
そしてまた、仮面ライダージョーカー・翔太郎自身の元にも駆けつける最強の味方、何物にも換えがたき、最高最愛の相棒…!
ひとつひとつが地球の記憶を封じ込めたパンドラの匣・ガイアメモリとそれによって開け放たれる人間の欲望。そして、パンドラの匣に残された希望のごとく、ガイアメモリがもたらす街の危機を救う――二人で一人の仮面ライダー!

番組主題歌に重なるラストバトルの爽快感が非常に群を抜いていたというか、さすがに「この続きは劇場で!」にならなくて本当に良かった(笑)。
既に告知されている冬のライダー映画「MOVIE大戦2011」こそが現状「W」という作品の最終映像となるのでしょうが、出来ることなら、スピンオフも含めて劇場版にてシリーズの継続を果たした「電王」同様、また更なる新作、そして末永くファンに愛される作品であり続けてほしいと、なんだかんだでダブルドライバーにアクセルドライバー、ロストドライバーまで買い揃えてしまったオールライダー全リアルタイム視聴世代としても願いますです。
1年間、掛け値なく楽しめた「仮面ライダー」でした。
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北国に蠢く黒い影。心に星を持つ男。
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