翠星のガルガンティア 最終回「翠の星の伝説」

 2013-07-03
自らを神と名乗り暴走する、ギロチン帝王ならぬキチガイロボストライカーに対し、我らがジャイアントロボじゃないチェインバー、心中で刺し違える。
パイロット支援啓発インターフェイスという自己の役割に殉じて、レドの成長を認め、レドに対し「生きろ」と言い残して散るあたりの浪花節。
最終回としての締め方としては綺麗にまとまっているし、満足でもあるんだけれど…。やっぱりどうしても終盤で、東映のフォーマットを借りて、無理矢理感動的かつ急速に畳んだ顛末という感想が働くのもなあ。

あるいは、兵士としてでなく、当たり前に未来を目指せる「人」として成長を果たしたレドと、あくまで「兵士」を支えるための機械であるチェインバーがなおレドを兵士として押し留めようとする。そんな対立と問答を経て、よりこの二人の関係性を見せられたんじゃないかとも思うのですよ。
意志を持つ機械が、パートナーである少年に最後に望むのは、戦う使命を離れた新たな未来を掴み取ること。ジャイアントロボや大鉄人17の系譜に並んだ散り様は美しいのかもしれないけれど、その時代にプラスアルファされた、チェインバー自身の葛藤と進化も描けたんじゃないか…という気がしてなあ。
第1話からのチェインバーの語録を作っていけば、ひょっとしたらチェインバーの変化の様をじっくり考察することも出来るのかも知れないが。

鋼鉄の友は少年に未来を与え、少年は友のくれた未来を新たに切り拓くために生きていく。その二人のが確かに築いてきた絆は、少年の胸に、そして二人を見守った多くの人間たちの胸にずっと生き継いでいく伝説なのだ。
たとえ借り物の結末に頼ったとしても、そこに結実したのは確かに少年と鋼鉄の友の物語。昭和のおっさん視聴者、ちょっと涙ぐんで堪能しました。チェインバーのリボルテックなりのフィギュア化すごく希望。
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翠星のガルガンティア 第12話「決断のとき」

 2013-06-26
レドのトラウマを穿り返す、クーゲル船団での病弱者ポイ捨て描写のえげつなさにさすがのピニオンも決起。
エイミーの弟との交流でレドが持ちえた、この世に不要なものなどないという考え方がきちんと今回のレドの決断に生きていて、こういうあたりは物語の積み重ねに感心するところ。
ぶっちゃけクーゲル船団って、物語に無理矢理エンドマークを着けるための唐突に出てきた悪役って印象が拭えないのが惜しいんだよなあ。物語前半のうちに、地球にクーゲル&ストライカーが漂着している痕跡が見つかって、シリーズを通してレドが同胞を探すという横線を入れての、やっと出会えた同胞との対決というクライマックスを持ってくる…というのも出来たのにね。

ガルガンティアで出会えた人々を守るために、元上官松方弘樹ことクーゲルの横暴に反旗を翻す菅原文太ことレド。そのレド兄貴に力を貸す川谷拓三ことピニオン。
船団死闘篇とばかりのクーゲル船団への大反撃開始の展開も痛快に、そしてレドが目撃する、傀儡としてのクーゲルは既に故人、すべての黒幕は金子信夫ならぬストライカーだったという事実。
次回、いよいよ最終回。凄く爽快な終わり方を期待したいところ。楽しみ。

翠星のガルガンティア 第11話「恐怖の覇王」

 2013-06-19
久々に会った上官は、すっかり武闘派ヤクザの貫禄になり地域住民を恐怖で支配して、自分のシマの拡大の真っ最中でした。なにこの戦後暗黒史(笑)。
ホント、東映ヤクザ路線に例えるなら、船団頂上作戦の野心に燃える特攻上がりの武闘派ヤクザクーゲル=松方弘樹。軍隊時代かつてクーゲルの部下でありつつ、今のクーゲルのやり方に疑問を抱く若き組員レド=菅原文太…って構図が判り易いなあ。クーゲルがガルガンティアまでも自分のシマにするって計画をレドに明かした時点でガルガンティアの世話になったレドが黙ってる訳にはいかないというか、もうこの二人の対決がクライマックスになるのは確定事項だわなあ。クライマックスに向けて、こうも話が判りやすくなってくれたのは、前回までのレドの葛藤に決着をつける意味でもありがたいわ。
あと、エロ海賊姐さんの再登場も待望していただけにいいサプライズ。クーゲルの配下に付きつつ反撃の機会を伺ってるあたり、ああ、この姐さんに期待したキャラとしての役割を裏切ってくれてないわ。
もはや梅宮辰夫どころか川谷拓三の役回りになったといってもいいピニオン、今後レド兄貴のために男上げる機会は巡ってくるか?

翠星のガルガンティア 第10話「野望の島」

 2013-06-12
まさかお笑い担当と思ってたピニオンが地球側の主人公格になるとはなあ(苦笑)。
クジライカ(ヒディアース)の巣からの遺産を前に、若さゆえの野心を膨れ上がらせるピニオンと、クジライカの正体を知り自身のアイデンティティーすべてを否定されるレド。マッドキリングマシーンとしてのチェインバーが説く、たとえ基は同じとしてももう決して相容れない同士としての人類とクジライカ。

物語の倫理(視聴者感情)として否定されるクジライカの殲滅と、なお「兵士を戦わせ続けるための道具」としてレドをなお戦闘に駆り立てようとするチェインバー。人類の尊厳を語るチェインバーの言葉に説得力があるように聞こえて、実はレドを無間地獄に叩き込もうとしている意味ではチェインバー=キュウべぇという画はそこそこ成り立つんだよね。
個人的、クジライカと人類側の関係って最初はノンマルトの使者を予想してたんだよなあ…エイミー弟は実はクジライカの意志の代弁者の役割とかさ。たとえクジライカ=ノンマルトとしても、チェインバーの戦闘兵器としての冷酷さは変わらないんだろうけど。チェインバーはレドをキリヤマ隊長のテンションに持っていくための機械かよ。

このレドの葛藤を更に揺さぶる、チェインバーの同型機の登場というまさかのサプライズ…! あれってやっぱり第1話のレドの上官?? なかなか安易な予想は許してくれない番組だけど、最終回はやっぱり、同じ能力を持ったロボ同士のラストバトルに行き着くのか?
あと…せっかくまた海賊ネタが出てきたところで、あのエロい海賊姐さんはもう出てこないの? あの姐さん、技術力と火力で勝るチェインバーを、知恵と策略で苦しめる役になるとばかり思ってたんだが(含笑)。

翠星のガルガンティア 第9話「深海の秘密」

 2013-06-05
虚淵玄的主人公に残酷な現実と選択を突きつける展開遂にキタ。
クジライカ(ヒディアーズ)の正体が人間となんらかの共存関係にある生物というのは想像してたんだけど、ああなるとチェインバーが自動的に、そして冷酷にクジライカの幼態を握り潰すのが視聴者の神経にもジワジワ来るわ…。

今後懸念すべきは、敵と思っていた存在の正体を知ってもはや戦えないであろうレドを、軍務を忠実にこなす自立兵器としてのチェインバーが見限る展開で…。とにかく虚淵玄がチェインバーにどんな自律思考ゆえの合理的な判断をさせるか? むしろラスボスがチェインバーになり得たりもするんだよなあ…(そのための前半の、現状の地球の人類にとってチェインバーが脅威になりうる…という描写でもあったんじゃないか?)。

たったひとり、クジライカの正体を知ってしまったレドの今後の選択が凄く興味深いというか、番組カラー的に、このアニメについてはハッピーエンドを凄く期待したいんだよなあ…。

翠星のガルガンティア 第8話「離別」

 2013-05-29
レドとチェインバーが本編中、完全に銀河同盟と分断されてしまう展開というのはいい意味で予想外。むしろ船団に危機をもたらすのは、クジライカじゃなくてレドの救難信号を受けて地球にたどり着く銀河同盟って序盤のうちは思ってたもんなあ。
ガルガンティア船団をまとめていた船団長の突然の死で周囲に同様が走る中、亡き船団長から受け継いだ責任の重圧に苦しむリジットと、もはや自身の居場所に戻れぬ身ながらも、クジライカ抹殺という自身の使命を果たすことでアイデンティティを固持しようとするレド。もはやそんなものにすがる必要がないことを、エイミーやその弟ばかりでなく視聴者全員が思ってるだけにもどかしい展開。
あとエイミーの弟がキッズ向けロボットアニメでは鉄板の「主人公に憧れる弟分の子供」って役割をきちんと果たしているあたりも含めて、このアニメが居心地いい訳が判るなあ。この坊主とレドの関係がこうまで見ていて微笑ましくなるとはなあ。

自分の使命に意固地になる前に、自分の弱さを認め、変わる。それができたリジットの前に道が開けるのと対照的に、兵士としての自身を変える勇気もなくガルガンティアを離れるレド。
1クールアニメとしての起伏ある展開は、やはり最終回までグイグイ引きこまれそうだわ。

翠星のガルガンティア 第7話「兵士のさだめ」

 2013-05-22
番組の折り返し点にて、これまで積み上げた関係のリセットというターニングポイント。
こっちが手出ししない限りは向こうから襲ってこないというクジライカの生態を見る限り、レドの生きていた宇宙での戦争の発端は推して知るところ。人類の天敵との共存共栄が成り立つ世界と、それを認められないレドが生み出してしまう船団内の軋轢。
レドとチェインバーの存在が危うくしてしまう共存共栄の関係性といい、下手したらレドが地球を宇宙同様戦場にしてしまうという、文字通り「自分の世界の厄介事」を地球にもたらしてしまうことになりかねないんだよなあ。

金髪リーゼントのピニオン、時には嫉妬時にはコンプレックス時には兄貴分としておせっかい、その根にあったのはクジライカへの復讐。ここにきて番組のムードメーカーだったはずのキャラが脚光を浴びてくるというか、何気にこいつが今後レドの兵士としての使命感を揺さぶる役になるように思えるよ。
兵士としての使命に捧げた命、その使命を利用されることは是か? 自分の目的のために多くの他者の運命を突き動かすことは是か?

翠星のガルガンティア 第6話「謝肉祭」

 2013-05-16
今さらながら、これまでの回全部脚本家が違うというのは(虚淵玄は現在第1話のみ)、脚本家ごとに異なるテーマを語らせるためか若手脚本家に経験積ませるためか(苦笑)。

見知らぬ土地で疎外感を感じる以前に、その土地に必要とされる人間となれ。お笑い担当だったリーゼントがレドに説く、ごく当たり前な対人コミュニケーションのあり方。
エイミーからは見知らぬ土地で生きていく術を。エイミーの弟からは、この世に無駄なものなどないという存在価値の尊さを。毎回毎回、レドが出会った人間たちから感銘と「人間的なあり方」を学んでいく様が、そのままダイレクトな視聴者へのメッセージにもなっていて、それが無垢なレドに変化をもたらしていく様と合わせて(船団の舞台設定まで含めて)番組世界を心地よくしているんだよなあ。
今日、レドが手にした収入は、それは自身が誰かの役に立ち感謝された証。今回やたら扇情的なシーンが目立とうと(卑笑)、こうした視聴者の価値観にまで訴えてくるところは番組の美徳として貫いてほしいところ。

6話という番組の折り返しに至って、レドとチェインバーが海底で遭遇する自身たちにとっての敵対生物。ガルガンティア船団の電力源になる発光プランクトンと思われていた光る潮流が実はナノマシンだったとか、地球こそがレドの敵対生物の母星だった…なんて不安な流れにまたなってったりするんだろうか。
このアニメについては、最終回は爽やかなオチを願いたいんだがなあ。

翠星のガルガンティア 第5話「凪の日」

 2013-05-08
【悲報】勤労者チェインバーのヒモ状態のニート、一念発起して就職を決意するもガルガンティアにはハロワなし。
困難を極めるレドの職探しを通して、改めて現在のレドが持ちえた人間関係やコミュニケーションの様を浮き彫りにする話。

前回、エイミーの弟に指摘されたとおり、兵士としてのアイデンティティしか持たないゆえ自身の役目が終わった日のことを想像できないレド。閑話休題話としてのコメディーテイストながら、手荒い社会勉強(笑)やエイミーたちとの付き合いを経て、年齢相応の少年としての日常を獲得していくレド。
生まれも育った環境も違うとはいえ、ほぼ同年代の仲間たちと出会えた幸福。番組後半に入ってからの、レドの行動の指針となる伏線が着々と積み上がっていってるよ。
色が黒いおかげで焼肉パーティーの鉄板として使用されるチェインバー。うん杉田声に相応しいキャラ付けがなされたなw
ところでエイミーが仕事に使うめっさ小さいハンググライダーに、帆の角度を変えれば飛行可能なセイルボード。アレのほうがチェインバーの超技術よりよっぽど謎技術な気が…。

翠星のガルガンティア 第4話「追憶の笛」

 2013-05-01
レド、はじめてのおつかい。
自身が身を寄せた場所の、サバイバルのための情報収集としての様々な人間たちとのコミュニケーションが、そのままレドに次々と感銘を与えていく描写がすごくきちんと段取り踏んでる。
自身のアイデンティティーを兵士であることに徹していたレドが、ずっと自己メディテーション手段として作り続けていた笛が奏でる音色で取り戻す「人と人」との関係のあり方。

なんだかな、ガルガンティア船団の活気に溢れた生活描写といい、世界観が魅力的になればなるほど視聴者としてもレドに感情移入しやすくなるというか、この世界観を裏切るような描写が入ってくること――絶対あるであろうレドの所属勢力の地球到達と船団に対する外圧が怖くもあるわなあ。

翠星のガルガンティア 第3話「無頼の女帝」

 2013-04-24
マッドキリング杉田マシーン・チェインパーと主人公レド、地球の社会規範を学習するの巻。
地峡の倫理を知る上で、最初に覚えるべきが「感謝」というのは番組の良心として素直に賞賛。
レドとチェインバーによる圧倒的ジェノサイドに怒った海賊の逆襲。ボスである海賊姐さんエロかっけぇ。劇中の地球産ロボであるところのユンボロって、回が進めばまたおもろいデザインが登場する余地があるなあ。海賊側ユンボロの運用の演出が何気にwktkした。

現状、地球最強の戦闘能力を持つチェインバーながら、今回みたいにロボットアニメとしておもろい話も作れる以上、地球側の拙い技術以上の知恵と戦略でチェインバーが追い詰められるって展開も見てみたい。
レドが始めて、自ら進んで発した地球の言葉は感謝の言葉。このアニメ、こういう「ほっとする空気」がきっと凄く重要なんだよな。

翠星のガルガンティア 第2話「始まりの惑星」

 2013-04-17
大海原と青空、躍動感ある画まで含めてなんて爽快感あるOPなんだろう。そんな爽やかさを一気に不安にさせるシリーズ構成/虚淵玄のテロップ(笑)。
主人公、ヒロインと二種接近遭遇。初めて語られるガルガンティア船団の内幕と大地を失った(?)地球の現状。1話、2話と設定説明回に費やしつつ、海賊相手に遺憾なく発揮される虐殺兵器としての杉田ロボチェインバーのデンジャラスさ。
この情け容赦ないジェノサイドっぷりからして虚淵玄っぽいと思うところなれど、現状主人公とガルガンティアの住民たちとのコミュニケーション手段であるチェインバーが、主人公のコミュニケーション構築を阻害する要因にもなりかねない不安感。
海底の遺物を引き上げ、発電プランクトンから電気を得て逞しく生きる船団の人々という描写はなんとも気持ちいいな。こういう「視聴者的に、気持ちいい背景」が描写されてるだけに虚淵玄の名前に戦々恐々としなきゃならんのね(苦笑)。チェインバーの発している救難信号が、主人公の所属勢力による地球侵攻を招くぐらいは必然的に起こりそう。

翠星のガルガンティア 第1話「漂流者」

 2013-04-10
宇宙から来た主人公、宮崎アニメっぽい世界観の地球に降り立つ。
主人公の境遇がグレンダイザーかメカンダーロボかとついつい連想する昭和ロボットアニメ脳。現状話がどう動くかはまったくの不透明ながら、味方も、目的も持たないたったひとりの異文明の人間たる主人公がいかに物語を動かしていくことか興味。
脚本担当の虚淵玄がまどマギ、サイコパスと「登場人物たちか大きな潮流に否応なく呑み込まれ、生き足掻く」という物語を続けてきただけに、一見フリーダムな舞台にも見える大海原だろうと主人公には一筋縄ではいかない新天地となるんだろうな。

あと、杉田智和(ジョセフ)が“主人公の相棒のロボ”役ってのも…杉田の主役デビューともいえるウェブダイバーをついつい連想するのであった。ブレイク・ザーン!
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Author:事業部長わたなべ
北国に蠢く黒い影。心に星を持つ男。
模型HP「豪雪地帯酒店・第二事業部」やってます。
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