仮面ライダーW 最終回「Eにさよなら/この街に正義の花束を」

 2010-08-29
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風が呼び込む探偵依頼。
街の切り札たる二人の探偵、友よ、今また君と共に――。

フィリップ消滅から1年、その託された願いを守り、ひとり仮面ライダージョーカーとして戦い続ける翔太郎。最終回にて劇場版ライダー活躍というのは、ある意味公開中の映画の宣伝ではあるんですけれど、前回での切ない別離のシーンが生きる切なさ募る登場でもあるんですな。
ええ、自身の身体ひとつを武器に、ライダーパンチ・ライダーキックで怪人を打ち倒す勇姿は昭和ファン歓喜なんですけど(OK!)。

最終回の依頼人は、自身の甘えと弱さを「自分は子供だから当然だ」と正当化する駄目っ子小学生。フィリップの欠落をやせ我慢で覆い続ける翔太郎にとっては、「僕ひとりでは何も出来ないから」という依頼人の言葉は自身と重なる痛み。行方不明の姉を探してほしいという依頼は、捜査の過程でところどころ口にも態度にも出てくる亡き相棒への依存からの脱却のためかそれとも相棒の影を追い求める捜査か? 今回、最終回に至って久々に機能するフロッグポッドが、こんなにもぶち壊したくなる登場とはなあ(苦笑)。

最終回の敵組織、EXEは今は沈黙している偉大なカリスマを頂点に、ミュージアムの跡を継ぐことを宣言する不敵な不良学生グループ。そして、EXEがその存在を指したかのように、警察病院から復活し再びガイアインパクトを目論む若菜――! つか、若菜のくだりの展開がすべて1年前の出来事でしたというのはなんたるミスリードなんたる叙述トリック。
EXEの連中の抜かしていた、偉大なリーダーの正体というのが、番組の真犯人は序盤に登場しているという番組のパターンを最後まで崩さなかったとはいえ…意外と言えば意外、肩透かしといえば肩透かしな。

本来なら若菜に隠され続けるはずだったフィリップ消滅の真相と、その最愛の弟の消滅に、自分なりのガイアインパクトをと母・シュラウドに望む若菜。最後に娘の進むべき道を示し、息絶えるシュラウド。ここでシュラウドが息絶えるという伏線は特になかったと思うんですけど…顔を覆っていた包帯は、やはり命を奪いかけていた大怪我を隠すための物だったということでしたか。
若菜が自らの肉体を差し出し、そして、地球に選ばれた家族としての園咲家一同の願いを託され、地球の運命を握るものとして、そして、今は街を守る風として――翔太郎の前に再び姿を現すフィリップ。

二人で一人の変身ヒーローという昭和以来のコンセプトを導入した、半身異色というインパクト抜群の姿で視聴者の目前に現れた仮面ライダー、ダブル。幕を開けば年長視聴者に訴える70年代風味の番組内容と、2話1エピソードの堅実な番組内容の安定感と、それに決して座しない趣向を凝らした展開の数々は多くの視聴者層に受け入れられ、翔太郎役桐山漣のブログで告知された、変身ベルトDXダブルドライバーの売り上げが平成ライダー歴代1位に輝いたというニュースもその人気を裏付けるものであります。
難解な伏線や展開を極力廃した脚本の判りやすさと、もちろん愛すべき登場人物たちを演じた役者陣の好演も輝いており(数々のインタビューにおける桐山漣のライダーへのこだわりは、リップサービス半分としてもライダーファンとしては嬉しい物)、「クウガ」~「ディケイド」までの10作を経ての、新たな平成ライダーシリーズの幕開けを飾るのに相応しい完成度を見せて完結しえたとも思えます。

人は誰もが自分ひとりでは何も出来ない弱さを持っていて、それでも、自分ひとりで決断しなければならない時が必ず巡ってくる。その辛さをやせ我慢と共に背負って、振り絞った少年の勇気が果たす捕らわれた姉の救出。そのたったひとりの決断を讃え共に戦うべく駆けつける味方こそ――街の、人々の平和の守護者・仮面ライダー。
そしてまた、仮面ライダージョーカー・翔太郎自身の元にも駆けつける最強の味方、何物にも換えがたき、最高最愛の相棒…!
ひとつひとつが地球の記憶を封じ込めたパンドラの匣・ガイアメモリとそれによって開け放たれる人間の欲望。そして、パンドラの匣に残された希望のごとく、ガイアメモリがもたらす街の危機を救う――二人で一人の仮面ライダー!

番組主題歌に重なるラストバトルの爽快感が非常に群を抜いていたというか、さすがに「この続きは劇場で!」にならなくて本当に良かった(笑)。
既に告知されている冬のライダー映画「MOVIE大戦2011」こそが現状「W」という作品の最終映像となるのでしょうが、出来ることなら、スピンオフも含めて劇場版にてシリーズの継続を果たした「電王」同様、また更なる新作、そして末永くファンに愛される作品であり続けてほしいと、なんだかんだでダブルドライバーにアクセルドライバー、ロストドライバーまで買い揃えてしまったオールライダー全リアルタイム視聴世代としても願いますです。
1年間、掛け値なく楽しめた「仮面ライダー」でした。
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仮面ライダーW 第48話「残されたU/永遠の相棒」

 2010-08-22
最愛の友に希望を託し消え行く風。
最高の相棒が遺した切り札は、奴が愛したこの街のために――。

加頭の正体がNEVERだったというのはこれまた劇場版シンクロ展開ながら、人外的な存在感からすればなにげに納得できる設定ではあるわなあ。加頭が冴子を擁立しようとした理由は、視聴者誰もが思っていなかった、意外なまでに一途な愛情ゆえ。
その冴子も、若菜を救おうとしてのまさかの退場というか…。個人的にはこの姉妹の和解劇は物語にあってほしいと願っていただけに、個人的な無念さも働きますです。

いくらでも感情を御することが出来るフィリップとて抑えられない激しい起伏は、愛する仲間たちを傷付けられたことへの嘆き。加頭によって引き起こされるフィリップの激情が刻むガイアインパクトへのカウントダウン。
自らの消滅も辞さず、若菜と、街を守るために最後の変身に賭けるフィリップと、その相棒の消滅に耐えられず変身を拒むしかない翔太郎。
昔からキャッチボールの描写は、すれ違う心情のやりとりを表す構図。放られた球のキャッチは、互いの胸のうちを受け取る行為。二人の、最後に残された、決して長くない緩やかな時間には必要な…互いが互いの思いを受け止める、相棒同士の結びつきのための児戯。

遂には亜樹子までもが犠牲となり、フィリップの嘆きを前に、師匠にしてこの街を守ってきた1号ライダー・スカル=鳴海壮吉の形見の帽子を被りひとり決意する翔太郎。
たったひとりで加頭のアジトに潜入し、引き起こされる直前のガイアインパクトを妨害、アジとをも爆破という行動力はまさに“仮面ライダー”の行動力。その翔太郎の“ひとり立ち”した勇姿は、今度こそ、たったひとりでも街を、人々の自由を守りぬく英雄=“仮面ライダー”の名が翔太郎に託された証。
「君の友であることが、僕の誇りさ」
フィリップと翔太郎、二人で一人の仮面ライダー、Wへの最後の変身は…これからたったひとりで戦う友への最後のエールのために。

他人の希望を奪い取り、自らの力に換えるユートピア・ドーパントとて、相棒同士の絆が生み出す強固にして巨大過ぎるエネルギーを受け止めることは出来ない。最強最後の敵の撃破の瞬間は、フィリップから翔太郎への依頼、若菜救出が達成されたまさにその時。そして訪れる、二人の決別。込み上げる涙を拭いもせず、最後に、エクストリームメモリを自らの手で閉じる翔太郎――。
主人公二人の決別が描かれるのは、第1話にて翔太郎が手にしていた本、そして鳴海壮吉がフィリップに名前を付けるのに引用した本、「長いお別れ」から用意されていた伏線ではあるんだけれど、脚本、演出、役者陣の熱演すべてが渾然一体となって、1年間を通しての相棒同士の決別というその瞬間の静寂なカタルシスを描ききってましたです。
個人的に思い出すのは「BLACK」最終回、激しい雨に打たれ、失った友の名を絶叫する南光太郎の画。相棒が消えていった空を見上げる翔太郎の背中は、自分としてはあの画に匹敵する、見ていて胸打たれる構図に成り得たなあと。

フィリップが翔太郎に贈った最後のプレゼントは、“仮面ライダー”として街を護っていってほしいという願い。
たとえ、Wの片側が欠けようと、まだこの街には仮面ライダーはいる。
次回、いよいよ最終回――。

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レイモンド・チャンドラー

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仮面ライダーW 第47話「残されたU/フィリップからの依頼」

 2010-08-15
蒼き神速をも越える、我が名は最後の理想郷。
我が望みを果たすため、我が望みのままに紅蓮に消えよ、仮面ライダー…!

やはりというか、ミュージアムが壊滅しての最後の敵は後方に控えていた財団X。加頭に拉致された若菜の捜索そして救出がフィリップからの最初にして最後の依頼。
次の変身がフィリップ消滅のトリガーというのは、ラスト展開として登場人物そして視聴者の胸震わせる展開。今さらながら、「W」物語の発端となる鳴海壮吉へのフィリップ救出の依頼人がシュラウドだったと明かされるのは、最低限視聴者の疑問の最後の補完でもありますかね。母親の情を見せて翔太郎にフィリップを託すシュラウドの言もまた切ないというか、せめて最終回までにはきちんと面と向かっての母子の対面が果たされますかね。

フィリップ自身も亜樹子もまた最後の時に覚悟を決める中、自らの相棒として、家族として、文字通りの半身として、誰よりフィリップ消滅に苦悩する翔太郎。
最良の結果のために、自らの感情を制することが出来るフィリップ。
たとえそれが正解への道としても、割り切れない部分を躊躇する翔太郎。
二人の決定的な相違にして、互いに補完しあってきた部分で招く、最後の敵を前に変身することが出来ない危機。

あまりに物を落としてばっかりだったのでこのメモリを貰いましたとばかりの、加頭の変身するユートピア・ドーパントの能力は重力制御。みんなが言ってるだろうから自分も言うけど、ビックリするほどユートピア。その能力の描写として、今回、役者陣のワイヤー釣り率が異常に大変だわなあ。デザイン的にも最強怪人って風格が強いですけど、アクセルを焼き尽くしてしまう実力のほどもかなりショッキング。それでも、アクセルだったら来週また変身してくれると思えるのは何故だろう(笑)。
今回よりいよいよ次回作「OOO(オーズ)」の番宣もスタート。串田アキラソングを発する変身ベルトを巻いた新ライダー登場への期待感と共に、現行ライダーラス2回という寂しさもまた募る時期であります。

仮面ライダーW 第46話「Kが求めたもの/最後の晩餐」

 2010-08-08
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最後のコールは希望の風。
切り札は、悪魔と相乗りする…どんな恐怖にも屈せぬ勇気。

寺田農最終決戦。平成ライダーにて存在感稀有な堂々たる悪の首領を、1年間演じ抜いてきた故の最期の姿は素直に感嘆。クセのある役が多い俳優ながら、見事にスタッフにも視聴者にも、番組に関わるあらゆる視線の期待に応えてみせたなあと。

本物のフィリップは幼児期に事故死しており、今現在のフィリップは若菜いわくデータの塊。まあ情報生命体なんてマニアックすぎるSF用語よりは判りやすいですかね。
若菜が神に近い存在となることを祝っての、寺田農の一方的なる招集で開催される晩餐。家族をどんなに踏みにじろうが、あくまで家族という形態にこだわり続ける寺田農と、その内心の心痛を示すものとしてのイーヴィルテイルの正体…。
ぶっちゃければ園咲家の内々にしか価値のない品に、大仰な名前をつけて大騒ぎして探していたあたりは寺田農がどれだけ微笑ましいお父ちゃん(苦笑)。あるいはそれだけが、自ら招いた家族の崩壊の構図の中、本当に欲していた家族の姿をとどめていたもの。

もう、園咲の家族が戻ることがないことを見越し、フィリップに「お前の家族は翔太郎だ」と言い残すシュラウドが、全編を通してやっとフィリップの母親らしくなったなあとしんみり。
母の言葉を胸に、翔太郎に希望を託すフィリップ。
イーヴィルテイルの正体を前に、自分を恐怖に陥れていたものは、決して打克てぬ怪物などではなかったことを悟る翔太郎。
目の前にて恐怖を撒き散らす敵が、“怪物”などでなく“人”ならば戦える――救うことができる。どんなに自分が膝を着こうと、肩を支えて立ち上がらせてくれる相棒と共に。
できることならここは、寺田農を前に二人で並んで変身ポーズを決めての、堂々とした変身を見たかったところではあります。

もうすぐ最終回だってのに、今さらながらメカ描写充実過ぎすげえ! 重傷を負いながらも参戦し、テラーの必殺技頭からドラゴンに、タービュラーユニットと合体して肉薄するアクセル。うわみんなが思う所ながら、ザクレロ戦におけるガンダム+GアーマーBパーツというのがあまりにイカしすぎてますよ! 実は玩具で再現できないのが実に残念。
そしてテラードーパントに炸裂する必殺キック・ダブルエクストリーム。炎上する園咲家の屋敷に消え行く寺田農と、情報と化して消失する若菜…。

架空の街・風都とそこに蔓延るドーパント犯罪。そして街を裏から支配するシンジケートの頂点に立つドーパントの王。本作のテーマのひとつたるハードボイルド探偵物と従来の怪奇特撮アクションという仮面ライダーの構図を繋ぐ存在として、寺田農のいかがわしさ(←褒め言葉)が大きく番組を支えていたと改めて実感。
何気に大御所系から名バイプレーヤーまでベテラン俳優たちに支えられるのもまたライダーの不文律。また続いていくシリーズにおいても、如何なベテラン勢がその存在感を示してくれることか。続く「オーズ」での宇梶剛士は、なんか自らバイクを駆って暴れ回りそうな気がものすごく(汗)。

ミュージアムは壊滅し、風都を巡るガイアメモリ関連の事件はすべて解決したはず…ながら、肉体が復元した若菜を連れ去る加頭。ああ、やはり最終的にはまだ生き残ってる冴子と共に、父、寺田農を失った園咲家を再生させるためのドラマになりますかね。むしろ冴子と若菜の長年の相克をいかに和解させるか…というのもラスト展開に向けての縦軸になるのか?

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仮面ライダーW 第45話「Kが求めたもの/悪魔のしっぽ」

 2010-08-01
凍りつく風は絶望の真実。
街を護ってきた鋼の意志が、巨大に過ぎる恐怖に跪く。

劇場版の直後ぐらいの時間軸なのか、破壊された風都タワーを見上げて感慨深げな翔太郎と、そんなハードボイルドな空気はしょせんお前にゃ似合わんと今週の依頼人登場。のっけからの客演平田裕香の愛のラブウォリアーなテンションが、「ゲキレンジャー」の頃から変わってなくてなんかもう喝采(笑)。
メレ様御直々の依頼は、愛する寺田農のためにその探し物を見つけ出すこと。イーヴィルテイルだのガイアイパクトだのと不穏当なワードが並んで、否がおうにもいよいよ園咲家との最終決戦って空気が盛り上がる…。それでもイーヴィルテイルを見事発見する亜樹子のスリッパダウジングが、最終展開に至ってもいつもの番組の空気を維持してくれてますですよ(笑)。

最終計画の発動を前に、若菜の計らい(?)にて今まで検閲対象だったミュージアムそして自身についての本を手に取ることができるようになったフィリップ。
ついにすべての元凶、寺田農と対峙しつつ、その寺田農を前に身を震わせ跪く翔太郎。
今までさんざん焦がれてきたはずのすべての真実を前に、改めてそれを開く勇気が持てないこと。
既に植えつけられてしまった寺田農=テラー・ドーパントへの恐怖に打克つことができないこと。
最終決戦に至って、二人でひとりのライダーを“恐れ”で縛る展開がもたらす危機感。

相手の恐怖心を増幅させるというのはあらゆる意味でテラーが王者のメモリに相応しいという設定に即しているというか、これほど“悪の組織の首領”に相応しい能力はないわなあ。
番組開始から園咲家の一員として活躍してきたミック=スミロドンドーパントも今回をもってメモリブレイク。幹部怪人の正体が猫だったことに今さら愕然となる竜ながら、まあある意味今までのドーパント共の中で一番ほっとしたメモリブレイクでもあるんだわなあ。暗殺者役として、こいつの手にかかった人間が多数いるってのは置いといて(大汗)。
満を持してのテラードーパントとの対決に際し、植えつけられた恐怖にてまともに戦うことができない翔太郎。そのテラーの精神攻撃を無効化する体質の持ち主としてのアクセルの活躍が目立つと思いきや、テラーの秘密の大技、頭からドラゴンに襲われる危機。こんなときに子分のガンナーAはどうした!?

意を決し、自らについての本を開いたフィリップが知る衝撃の真実。そして、改めて、実の父親が残酷に口にする事実…フィリップ=園咲来人は既に故人たる存在。
では現在のフィリップは何者なのかという謎はまた次回に持ち越すとして、フィリップの死が園咲家の歪んだきっかけって話になりますかね。次回、本当に寺田農これで降板っぽいけど園咲家最後の晩餐。まあ翔太郎がいかにライダーとして、テラーへの恐怖に打克つかってドラマも期待するところですが。

仮面ライダーW 第44話「Oの連鎖/シュラウドの告白」

 2010-07-25
復讐を糧に血塗られた赤い仮面。
赤から青への進化は、復讐心よりも大きな愛する心のために。

今回登場のシュラウド専用武器とそのメモリ、赤いトリガーマグナムとボムメモリは絶対web限定で商品化されるはず(笑)。
シュラウド=寺田農の奥さんにしてフィリップ、冴子、若菜の母親というのは意外なまでに予想通りの展開。井坂、竜にそれぞれメモリの力を与えたのは二人がそれぞれ寺田農と戦える存在と目を付けてのことながら、井坂が怪物化したことを悔やんでいたというのは、これまでのシュラウドの非常なキャラ付けがあって生きてくる救済的展開であります。
シュラウドこそが自分の家族の仇と思い込み、再び復讐心に逸るも、老けさせ屋ドーパントが生み出す復讐の連鎖と家族の墓標に添えられた花を前に思いを改める竜。シュラウドの秘密、アクセル誕生の真意が明かされる重要エピソードでありつつ、その本筋と離れていたはずの事件がキャラクターの心理変化に重大な役割を持って絡むという脚本が秀逸。

シュラウドがフィリップの母親と知り、その鬼子母神の様も、すべては愛した子供たちのため…と、たとえ事実がなんにせよ、シュラウドを許そうとする竜。かつては肉親の復讐に鬼となろうとした男が、守るべき人を、人の自由を、愛を知り、鬼から「仮面ライダー」となる。
シュラウドを前に、自分とフィリップ、そして翔太郎の三人で、ミュージアムを倒すのは憎しみの生む力などではないことを証明すると宣言する竜。「俺は仮面ライダーアクセルだ!」の堂々たる名乗りといい、おそらく最後のアクセル主役回として、アクセルがついに昭和ライダーのアイデンティティーに至ったという感慨も働くなあ。

一方、たとえ爺化しようとそこは探偵、見事に人間体のオールドドーパントの所在を突き止め、「修正してやる!」とばかり杖でしばき倒す翔太郎。老翔太郎役名取幸政さんとフィリップのダブル変身の様が、見事に爺ちゃんと孫の協力の画だよ。
アクセルとWのタッグによる難敵オールドドーパントへの勝利と、自分の想定外のこととはいえ、井坂の怪物化が結果的に竜の家族のみならず多くの人間をしに至らしめてしまったことを謝罪し、姿を消すシュラウド。意を決し、その彼女の背中を追いつつ、最後まで彼女を「母さん」と呼べなかったことを悔やむフィリップ。
なんかこうなると、まさに「地球の意思」の美辞麗句の元に家族を利用し尽くしてきた寺田農の怪物ぶりがより際立つです。まあラスボスが若菜で確定している状態として、いよいよ次回、次々回あたりが寺田農との決着編になりますかね。
番組終了までいよいよ後1ヶ月、竜と亜樹子のフラグが明確になってたり26本のT2メモリ拡散事件の前フリがされたりと、劇場版との連動展開も準備よし。ええ最終回までには映画見に行きますです。DXロストドライバーやジャスコ限定フィリップメモリの発売といい、ラスト1ヶ月まで視聴者を盛り上げてくれるライダーだわなあ。

仮面ライダーW 第43話「Oの連鎖/老人探偵」

 2010-07-18
怒涛の風巻く、復讐の女の秘密。
その暴露される秘密に、憎しみの炎が再び燃え上がる。

「キバ」までのシリーズの放映枠だったら、今現在はもう年末のクライマックス展開という時期。そんな中でもドーパントの起こす怪事件というシリーズの骨子がまったく変化してないのはある意味スタッフを称えるべきなんだろうか? こうも見ていての安定感ありすぎると、最終回放映されても実感が湧かないだろうなあ(まあ「電王」同様に劇場版がシリーズ化したりするとかが半ば確定事項なのかも)。
アクセルトライアルへの強化を果たして青い私服にイメチェンした竜、家族への墓参りにいい仲間が出来たと報告。まああれだけ復讐心に逸っていた竜をいい方向に変えたのは、確かに風都に来てからの人間関係でもあるんだよなあ。そんな竜を交えての今週の怪事件は、10歳の少女を老婆に変えてしまうという老けさせ屋ドーパントの登場。

リボルテック・ジャイアントロボを買ったばかりというのもあって、今週の怪人オールドドーパントが見事に両面怪獣ダブリオン(笑)。本編でも言及されたとおり、まるで攻撃方法が寺田農の変身するテラードーパント同様の強敵オールドドーパントの前に、無事なフィリップと竜をよそにひとり老化してしまう翔太郎。その様を、さもありなんとばかりのシュラウド。
フィリップと竜を前に、お前達ふたりが究極のダブル、サイクロンアクセルエクストリームになれと言い放つあたり、そりゃ当然ながらシュラウドが竜の「ドーパントの特殊能力を受け付けない体質」に目をつけていたとしたら、今回わざわざ井坂を再登場させての、井坂にメモリを渡すシュラウドとその井坂の最期の言葉が説得力ありすぎてなあ…。
シュラウド関連の謎については、フィリップとの関係を含めて意図的に視聴者に判りやすくしているのかそれともミスリードしているのかはまだ定かでないにせよ、個人的には、そうした“わかりやすい予想”をことごとく裏切っての「W」であってほしいんですけどね。翔太郎の予期せぬ進化といい殺人鬼化した井坂といい、シュラウドにとっても想定外の自体が続いているとかさ。

少女が老婆化してしまったほうの事件の真相は、彼女の所属する児童劇団のライバルである少女の母親のあまりにみっともない嫉妬。こちらのほうは視聴者の期待を一寸とも裏切らないなあ(苦笑)。オールドドーパントとの再戦に際し、自らの肉体をコアとするファングジョーカーなら戦えるかと踏むフィリップながら、翔太郎側の如何なる不調も「二人で一人」たるダブルにとっては危機を招く要因。
今回、T2ガイアメモリの登場とかあからさまに竜を意識する亜樹子とか、夏の劇場版の前準備もつつがなく始まっております(含笑)。ええもちろん、ダブルの危機に駆けつける新ライダー・オーズという画のためだけでも見に行くんですけどね。
あと今回、ジジィ化した翔太郎を演じた名取幸政さんの名前をググってみたら、声優としても「Zガンダム」の功労者キャラ、ウォン・リーを演じていた方で仰天(!)。真蔵をコキ使ったりダブルドライバーにメモリを挿すのに四苦八苦したりの爺様リアクションに笑わかせていただきましたが、次回、爺様ながらも探偵の意地でオールドドーパントに「修正してやる!」とパンチを喰らわせてくれることを期待。

仮面ライダーW 第42話「Jの迷宮/ダイヤモンドは傷ついて」

 2010-07-11
潮風が明かす事件の真相。
闇に紛れ消えようとする真犯人を、探偵たちは許さない。

悪女に見えた女が実は犯人に脅迫されていた協力者で、真犯人は好青年と思われていた奴だった。真犯人・河合龍之介を追い詰める場所がフェリーの上というロケーションといい、なんとも土曜ワイド劇場っぽい展開だわなあ。こういう回こそ「剣」の前期メインライターだった今井詔二を招聘しろよとか思いますが(苦笑)。

若菜が地球の本棚にカチコミ可能になったという危機に際し、その逆転のヒントをフィリップに与える役どころとなるのがやっぱり亜樹子。左脳のデータ担当・フィリップに対する右脳の衝動的ヒラメキ担当というコンビ漫才っぷりも健在だわなあ。番組ももはや終盤だってのに、ここまで前半から番組の空気が変わらないというのもある意味とてつもないですよ。変に話を重くするような大掛かりな展開は、それこそラスト4話ぐらいで集中的に畳み掛けてきますかね。

あらゆる攻撃を、単純なまでにその硬度で跳ね返すという強敵ジュエルドーパント。それを一撃で倒す手段を検索するあたりが流石フィリップと言うところながら、いえ「ダイヤは炭素だから燃えやすい」とか鉱物上の弱点を突いてまずはヒートで云々とか、もうちょっとWのフォームチェンジによる特性変化を生かした戦略をするもんだと思ってたのですよ。スーパー1の冷熱ハンドで、超合金だろうが一旦過熱し急速冷凍で構造を脆くするみたいな感じの。まあもはや新ライダー・オーズの登場を待つばかりの時期で、販促的な戦闘をする必要もないんでしょうけどね。

事件解決と共に釈放され、さっそく調子よく媚びてくる真蔵をいたぶる刃野というホノボノした画にて幕。今回、直接的には何の活躍もしていないながらも、事件に関わった人間達に大きく影響を与えていた刃野の存在。
演じるなだぎ武のスケジュールの都合もあるとはいえ、刃野がほぼ全編プタ箱に入っていながらも存在感を発揮する展開がやけに上手。やさぐれた中年刑事ぶりが目立つとはいえ、根は他者の言動に素直(劇中曰く“騙され上手”)な人情派。その刃野の人となりに触れていたからこそ、事件の真相を打ち明けようとしてその刃野に拒絶される奥村佳恵の切なさが…。本当、なだぎのスケジュールさえ許せば、あのフェリーの船上にて奥村佳恵に謝罪する刃野…なんて人情噺展開も見れたのかも。

次回、終盤展開らしいところもやっていきますよということで、いよいよシュラウドが竜を選んだ理由も明かされる模様。まあ順当に、竜こそ翔太郎に替わる本来のW候補者だったというところなんでしょうけど。
奥村佳恵がやっと開放された彼氏の熱い抱擁を前に、またも純情っぽく顔を背ける竜。こいつはこいつでそのウブさがすっかりキャラとして定着したなあ(笑)。とことん昭和からのファンに愛される存在であります。

仮面ライダーW 第41話「Jの迷宮/猟奇的な彼女」

 2010-07-04
時として他者の運命をも狂わせる炎の情熱。
鋼より硬いその輝きは何物にも傷つかない。

40回以上やっててありそでなかったなだぎ武演じる刃野メイン話。つかずっとコンビを組んでたクセに、刃野がブタ箱にブチ込まれるや否や掌返したように「いつかやると思ってたんだよな」とのたまう真蔵がとてつもなくいい性格(笑)。
刃野と翔太郎が旧知の仲というのは第1話から語られていたけど、画像で示されるのは今回が初めて。いかにも街の不良少年・翔太郎を追いかけるお巡りさん刃野って画がやけに微笑ましいですよ。

刃野を罠にかけ、ブタ箱送りにした今回の怪人奥村佳恵。亜樹子曰く風都史上最悪の悪女の名に相応しい、相手をヒールで踏みつける女王様っぷりがキマり過ぎててとてつもないわ。冴子と対峙しての足技合戦の、高く上がる脚捌きの凄さに普通に感心したんですけど…これスタントじゃないって言われたら本当に凄ぇよ。
奥村佳恵に係わるキーパーソン・河合龍之介は「レスキューファイアー」名古屋編ですっかり顔と名前覚えた俳優だけど、好青年っぷりが板についてる俳優だわなあ。番組の今までの定石的に、次回の真相編でやっぱりこいつが事件に一枚噛んでいたってのが明かされそうではありますが。

一方鳴海探偵事務所はある意味最大の危機。フィリップが地球の本棚に入ることを感知し、完全にその場に干渉出来るようになってしまった若菜のため、事件の検索に入ることが出来ないフィリップ。そして奥村佳恵の変身したジュエルドーパントのダイヤモンドの硬度の前に、Wの能力もほとんど歯が立たない。つか「硬度」という判りやすい形でライダーの技を跳ね返す怪人ってのも久々に見たなあ。下手したら昭和ライダー以来じゃないか? 
レギュラーのひとりが巻き込まれる事件に端を発しての捜査、そしてライダーの危機。今回、基本出題編と解決編の2話構成となる番組のフォーマットに非常に忠実な前編ではあるんですが、一方で不可侵の場であった地球の本棚に訪れる危機という番組終盤らしいクライマックスも程よく織り込まれております。逆を言えば、フィリップ自身が若菜に接近できる場が地球の本棚でもあるわけで…。番組ラストに向け、地球の本棚もまたドラマ上の重要なステージの役割を得たということですかね。
とりあえず次回こそ、今回のメインのはずの刃野が活躍できる展開になっていればと(含笑)。

仮面ライダーW 第40話「Gの可能性/あなたが許せない」

 2010-07-03
家族という絆の間を吹き荒れる嵐。
暗闇に手を伸ばした姉に、弟の声はもはや届かない。

ああ、とりあえず視聴者に対し「実は若菜はパパの魔の手から可愛い弟を守るためあえてゲフンゲフン」っぽい夢は抱くなってのを明示してきましたかね。
あえて冴子を厳しく育て、若菜を放任することで生まれる姉妹間の確執も、その冴子が反旗を翻しての失墜と若菜の命を狙ってくるのもすべては寺田農の掌の中。神への祈りを込める器としての土人形=クレイドールこそ、若菜を地球の巫女とする最高位のメモリ。寺田農の闇に呑み込まれた若菜が、冴子からのプレッシャーを受けてそのクレイドールの能力を極めた新たな姿・クレイドールエクストリーム。
若菜自身が地球の本棚に出入りできるようになったという描写が、エクストリームの名と共に若菜がフィリップと同等の存在に至ったという証明でもあって、この辺の若菜の存在感の強大化は恐ろしくも効果的な見せ方。地球の本棚はある意味フィリップの精神面での絶対的な城壁でもあって、それをいつでも内側から突き崩せるという危機感。
何気に若菜の得た能力のインフレっぷりが激しくもあるわなあ。現状、フィリップが若菜に対して振りかざせる武器は家族の情愛しかない訳で、それが今後園咲家サイドを揺り動かすことが出来るかがドラマの焦点ではあります。この絶望的な家庭環境に跪くフィリップを前に、「たとえおせっかいでも迷惑でも、根性論と惜しまぬ努力は必ず他者を変えることが出来る」ことを提示する役としての亜樹子の存在感がまた大きいなあ。

他者に心を開くことが出来ず、コミュニケーション不全となり自分の作りたい世界をメモリの力でひとりで築こうとしていた根暗映画青年に対し、その不屈のど根性とツっ込みで彼を変えてみせる亜樹子。彼が変わったことに人一倍驚くフィリップというか、やはり“情”の部分で物語を引っ張る役という亜樹子のキャラが際立ってますです(翔太郎いわく「うちの所長の凄さ」)。
亜樹子の訴えが根暗映画青年を変えたことで、自分自身も「地球の意思」に踊らされた家族を取り戻す決意を抱くフィリップ。鳴海探偵事務所の面々との出会いが、無感情にしてシニカルな少年に与えた、当たり前の若者らしい希望と物事に立ち向かう勇気。前回冒頭での家族に対する絶望感があって、地球の本棚での若菜に対する宣誓がフィリップ自身の成長描写としてとてつもなく効果的ですよ。

新たに手に入れた赤いナスカの力も、所詮は若菜を新たな段階へと引き上げるためのステップ。自らの復讐心すら利用され、実質的に完全にその存在意義を果たしたかの冴子。現状財団Xに利用される立場としても、強大に過ぎる父と妹を前に立ち向かえるだけの力は持ち得ないわけで(真正面から復讐心をぶつけようとも敵わないし)…。つか本当に今後彼女がどう動くかが予想できない部分になったですな。今回みたいにゲリラ的な強襲が意味を成さなくなった以上、園咲家と異なる財団X側の思惑で物語を俯瞰する役回りになるんだろうけど…コン・テユがまだ園咲家に対する切り札を持っていてそれを彼女に与えたりするんですかね。

そして今回、ドラマに絡まない役として見事な振り切りつぷりを見せる竜。撮影してる映画のキスシーンから逃げ出すヘタレもとい純情っぷりと、その自らの弱点を克服しての抱腹絶倒のラストシーンといい、ああこのど根性がシュラウドをしてアクセルとしての御目にかなった訳な(笑)。番組自体はいよいよ終章に向かって加速するんでしょうけど、こういう視聴者を和ませる余裕は最後まで持ち続けてほしいもんです。

仮面ライダーW 第39話「Gの可能性/バッドシネマパラダイス」

 2010-06-20
スクリーンが映し出す創作は黄金色の夢。
暗い孤独に裏打ちされた才能に、誰も知らない可能性が輝く。

今回も例によって客演陣をググってチェック。今週のドーパント・根暗映画青年役川野直輝は「ゲキレンジャー」ロン役として面白みのない配役(苦笑)ながら、風都にもあったT・ジョイの支配人役菊池隆志、一瞬木野さん(アナザーアギト)こと菊池隆則氏とカン違いしつつwikiを確認したら、「刑事ドラマには、なぜか必ず出てくる隠れキャラのような役者。さまざまな役をこなす」という紹介に爆笑したわ。ええ今後もテレビ見るときお名前をチェックしますですよ。

かくして根暗映画青年が勤め先のT・ジョイで巻き起こす大騒動。自らがハマった時代劇「風の佐平次」劇場版に大ハシャギする翔太郎…というくすぐりっぷりが相変わらず素晴らしいですよ。怪人のあんまり気合の入っていない着ぐるみの出来といい(汗)簡単に解決する事件と思いきや、根暗青年監督脚本撮影主演全部ひとり総上映時間7時間以上の厨二的大作にどんな感銘を受けたのか、亜樹子、主演女優(のモデル)となった今週の依頼者と根暗青年をくっつけるべく、自らプロデューサーとして根暗青年製作の映画完結編撮影開始。
なすびのみならず竜や真蔵も巻き込んでのトンデモ映画撮影の陰で、今週もドロドロの様相を見せる園咲家サイド。

完全にダークサイドに堕ち(た、かのように見え)、寺田農の後継者として辣腕を振るう若菜と、自らを裏切ったすべてに対する復讐を誓い霧彦のナスカメモリを手にする冴子。つか冴子の転落は普通に自業自得でしかないんだけれど、ナスカメモリを直挿ししての赤いナスカへの変身のさい井坂の名前を呼ぶあたり、彼女が自暴自棄になって暴れる理由が判り易いなあ。
逆に、むしろ進んで父親の跡を継ぐことを受け入れた若菜の思惑が現状かえって読み辛いというか。特に洗脳されたような描写もなかったので、真意としてはあえて家の権力を受け継ぐことでフィリップを保護したいと考えてるのか?
そして、根暗青年が持つジーンのメモリに、新アイテム・ガイアプログレッサーのための可能性を見出す寺田農。ここでやっと今回園咲家サイドとの接点が生まれるというか、映画青年後とジーンのメモリを狙って撮影現場に現れる若菜と、その若菜と壮絶な姉妹ゲンカをおっぱじめるべく姿を現す冴子…!
ダブル、アクセルともこの姉妹に挟まれ空気は最悪というか、そして根暗青年も今まで撮影したフィルムに対する不満をついに明らかにする…。
園咲家サイドのドロドロした部分と、亜樹子と映画青年を軸とした主役サイドのコメディ部分のコントラストが明確なのが、同じ「両立する二つの視点のエピソード」をやってた今週のゴセイジャーよりも内容のメリハリが効いてて面白く見えるなあ。同じことしてるように見えて、やはり視聴対処絵年齢をややアダルト気味に設定しているライダーのほうが、戦隊に比べて内容的に余裕が広く見えるというのはありますが(戦隊のほうが実は内容の制約大きそうだし)。

個人的には、それでもこのどこか憎めない根暗映画青年がメインとなるエピソードとして、次回、ものの作り手の意地みたいな部分を見せてくれたりする展開を期待してみたり。

仮面ライダーW 第38話「来訪者X/ミュージアムの名のもとに」

 2010-06-06
明かされる出自、明かされるその名。
流転する運命がその真白い絆を黒く染める。

ようやく公式に明かされるフィリップの本名と出自。そして正式にミュージアムの後継者と化してフィリップの前に立ち塞がる若菜。序盤から見え見えの伏線張られてたとしても、やっと残り1クールのクライマックスを盛り上げる準備が整ったということか。

中西良太こそ自分の家族に関する記憶を消した張本人と知り、動揺するフィリップ。
家族に絡め取られた自身の運命から逃げ出したいと、フィリップに助けを求める若菜。
自分の野心を優先させて捨てたはずの家族の元に、今さらながら帰りたいと望む中西良太。
三者三様の「家族」に対するあり方が引っ張るドラマながら、中西良太だけが家族の元に帰れないのは、明確に自身の意思で家族を“邪魔”と切り捨ててしまったツケ。同じく自らの“邪魔”となる家族を切り捨てまくっている寺田農が、ある意味もっとも「家族」というキーワードに固執しているのも何気に皮肉ではあります。あるいは冴子の洞察のとおり、若菜だけを自身の本当の家族…として見ていたとしたら、園咲家の家庭内がズタズタだったのも気にも留めないことだったという怖さがあるんですが。

イナゴ女佃井皆美の襲撃の前に、帰り焦がれていた家族のいる家の前で討たれる中西良太と、そのために「街から一緒に逃げよう」という若菜の願いに対する答えも出せないままのフィリップと若菜のすれ違い。
フィリップの本名が園咲来人と明かして息絶える中西良太。
フィリップに逢えぬまま寺田農に連れ戻され、ついにミュージアムのすべてを継承することとなる若菜。
すれ違いは一瞬、そのすれ違いの後のたった1時間が分けてしまう姉弟の運命。
若菜こそ、自分の本当の家族だったことを知り今度こそ彼女と生きることを決断したフィリップながらも、待ち受けていたのはもはやその姉と敵同士として戦う悪夢…!

依頼人を守り通すことは出来ず(たとえその依頼を完遂した後のこと、としても)、後に残ったのはこの後自分の血縁者たちと戦い続けなければならないというフィリップの苦悩だけという苦々しい結末。
番組を通して「家族」というキーワードに苦しめられてきたフィリップと、そのキーワードを自分たちを繋ぎとめる絆として、鳴海探偵事務所三人の写真を残そうとする亜樹子。展開が重々しくなったときの亜樹子の存在感が、こと今回ストーリー上の救済として働いてますですよ。撮影された間抜け面の三人の写真は、なによりも飾らない家族となった、本当にこの三人らしい温度の絆の証。
あと、逃亡者として財団Xのコン・テユに拾われることとなる冴子。彼女のドライバーを「壊れてましたよ」と床に落とすコン・テユながら、いや明らかにお前がたったいま壊したからそれ(汗)! 次回、遂に登場する赤いナスカはやっぱり冴子自身による直挿し変身? ともあれナスカメモリがあのまま眠ることにならなくなったのはよかったよかった。

仮面ライダーW 第37話「来訪者X/約束の橋」

 2010-05-30
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街に新たに吹く危険な風。
街を新たに被う暗闇が、探偵たちに波乱を呼ぶ。

ストーリーが新展開というのもあるけど、今回はなんとも客演陣が色濃いというのが。
今週の依頼人、中西良太といえば「大激闘! マッドポリス80」なんだけれど、数多の刑事ドラマでのちょっとヘタレな若々しいチンピラ役って印象が強いですなあ。wikiしてみたら、えぇ中西良太ってもうすぐ還暦!? うわ全然そんなイメージなかったんで二度ビックリだわ。
スイーツ代わりにイナゴの佃煮喰い散らかしてるって画のインパクト以上に、うわなんだこのムッチャクチャ脚が動く女!? という今週の怪人佃井皆美は、今では珍しいJAE所属のアクションも出来る女優とのことで、おぉ今現在となっては新鮮な存在感だわなあ。いや昔の東映ヒーロー物の女優はこういう人が当たり前だったんですけどねえ。来年あたりの戦隊でセクシー系女幹部として登場してくれることをこれまた期待してみたり。
まるでヤンキー漫画のライバル番長のごとく白い詰襟のコン・テユについては、今回のところはこいつがナスカ、ウェザーに続く新幹部らしいというぐらいしか…。動揺すると手にした物を落とすというのがデフォの癖ということか。

その中西良太が鳴海探偵事務所を訪れての家族の捜索以来。つかこのコントでしかありえないような存在感の薄さが(笑)。中西良太がフィリップの顔を見て驚嘆するという時点で新展開臭プンプンながらも、そのフィリップを呼び出し、とうとう直の対面を果たす若菜…。
一方冴子は組織の裏切り者として戦闘員からの追跡中。若菜に対する「絶対復讐してやる」の恨み言電話については、いや筋違いも甚だしいというか追い詰められた女のギリギリ思考怖ぇーというか。唯一園咲家を背負った存在となり、むしろ状況に追い詰められているのは若菜。フィリップに救いを求める焦燥感とか、ケータイ越しでしかギリギリの本音を語り合えない不器用さとか、微笑ましいながらも今後の悲劇展開のフラグが積まれてるあたりは切ないなあ。

翔太郎の捜査に協力するため久々登場のなすび。久々に登場して女の子のナマ足の足蹴になるとはなんてうらやまけしからん! ひとりでご馳走なんてずるいぞとばかりに登場する竜=アクセルをもそのセクスィー脚で翻弄する佃井皆美。彼女が変身するのがイナゴなだけにホッパードーパントというのは、平成ライダーにおけるバッタ系怪人は強敵という不文律をして登場すべく登場した怪人であります。
やっぱり次回で倒されたりせず、寺田農語るところの「ミュージアムの誇るヒットマン」としてまだしばらく登場するんですかね。

中西良太の正体がミュージアムを脱走した脳科学者と判り、ついに鳴海探偵事務所に沸き上がる、ミュージアムの首魁としての園咲家への疑惑…! 地球の本棚が園咲家の項目にアクセスできないというのは、ますますフィリップの本名“来人”にまつわる伏線。
翔太郎が捜し当てた家族の元に走る中西良太と、その中西良太を抹殺すべく立ち塞がるセクスィー生足佃井皆美。変身したWの前で明らかになる、中西良太こそフィリップの記憶を消した張本人という事実…!
否がおうにも、残り1クールほどを残して急展開を迎える物語というか、つか既に番組始まってからもう9ヶ月ってのが早く感じるですなあ。2話完結というのを貫徹してる番組構成のキリの良さというより、番組そのもののスピード感が時間を忘れるぐらい心地よくもあるのか。

再びフィリップに救いを求めるコールを発するも、当のフィリップは変身して戦闘開始という若菜とのすれ違い。番組開始当初では思いも寄らなかった若菜のキーパーソン化ながら、彼女が組織の後継者になるというのは果たして親からの愛情なのかどうか、寺田農が一切本音を見せないキャラであることがまた一層不気味でもありますです。

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仮面ライダーW 第36話「Rの彼方に/全てを振り切れ」

 2010-05-23
“赤”に込められた復讐の重さ。
その重さを振り切り今、疾風迅雷の“蒼”へ――!

井坂にケツァルコアトルスの苗床として選ばれた少女の、メモリを育てるのに必要なる感情は「絶望」。その彼女の心を絶望に染めさせないのは、竜が彼女の心に与えた「希望」。そして今回、竜がシュラウドにアクセルの新たな力を求めた理由は、井坂に対する復讐心を上回った、彼女を守りたいという願い。
かつて、自分の妹を守ることの出来なかった後悔と贖罪が、竜の胸に復讐よりも庇護の念を大きくしたというのは、誕生のきっかけの多くが「復讐」にあった昭和ライダーの路線をストレートに受け継いでいて…今回のエピソードが、ある意味愚直なまでに、本当の「仮面ライダー誕生」の物語になってるあたりは古くからのファンとして極めて美しい流れであります。

ケツァルコアトルの完成が寺田農を超越することと、遂に寺田農に反旗を翻す井坂と、もはや後戻りできぬ覚悟でその井坂に着いていく冴子。
冴子が若菜に対して語った父への憎しみは、まるで思春期の親への反抗心そのままというか…青春時代を望まぬ後継者としての育成に費やされたことが、実は彼女を能力的にはともかく人格的に成長させてはいなかったという画。
ガイアメモリの存在に歪んだ精神の持ち主と化した井坂と、ある意味ガイアメモリの存在に人生を狂わされ歪んだ成長を遂げたともいえる冴子。井坂が彼女に対する愛情を語ったのは…反抗期の親に手を揮う機会を十数年待ち続けていたという冴子の歪みに惹かれたという気もするわなあ。

アクセルに新たな能力を与えるトライアルメモリを使いこなすため、シュラウドが課すのは採石場とオフロード場での激しい特訓――! トライアルメモリがアクセルの重装甲と攻撃力をスピードに転換させるものというのは、決して単純なパワーアップアイテムでないという描き方がエクストリームメモリと好対照でよし。
「戦法を変えろ!」
「相手の懐に入り込んでキックを叩き込め!」
「(減った攻撃力を補うため)一発で駄目なら十発! 十発で足りなければ百発!」
やべえ、シュラウドのおやっさん度が急上昇しすぎや…(惚れそう)。やっぱりライダーのパワーアップは、単純に新アイテム受領して完了でなく、泥臭く、汗臭く、そしてその懸命さが視聴者に匂いとして伝わる「特訓」があってこそであります。

苗床の少女を人質に竜を呼び寄せる井坂と、彼女を救うべく特訓を完了させ、決戦の場に急ぐ竜。実は特訓の成果が未完のままだった竜をシュラウドが見捨てたのは、今や復讐心を忘れてしまった竜に、自身の道具としての価値を見出せなくなったため。
されど、個人の復讐心を振り切り、より多くの人間の自由を、平和を守るために立ち上がる意志。それこそがシュラウドの非情な計算をも超える巨大な力――「仮面ライダー」の力。
そこにいるのが家族の仇としても、今は目前の苦しむ人を救うために…新たなるアクセル、新たなる仮面ライダー、アクセルトライアル誕生!

デジタルカウンターに制限されたタイムリミット、重装甲を吹き飛ばして爆誕する精悍なボディ。ファイズアクセルフォームやカブトといった、スピードを武器とする過去ライダーとの比較は単純なれど、その誕生までの経緯の見事なまでの「仮面ライダー」っぷりが、アクセルトライアルを単純な「過去ライダーからの設定引用キャラ」としない差別化を果たしております。
特訓の未完により、自滅を待つはずだったというシュラウドの計算を超え、見事にトライアルの能力を使いこなし仇敵ウェザー・ドーパントを撃破するアクセルトライアル。
今回、本気の本気で翔太郎とフィリップが何もしない回という変則エピソードながら(苦笑)、新ライダー・アクセルトライアル誕生を大きく印象付けるという意味(もちろん販促的にも)、昭和からのファンの喝采も含めて大成功した回であります。

死の間際、劇中面識のある描写はなかったはずながら、シュラウドの名を出しお前らの運命は操られていたと言い残して息絶える井坂。あるいはウェザーのメモリも元々はシュラウドの復讐の道具として井坂の手に渡ったもの…という含みながら、またシュラウドに関する伏線がひとつ張られましたですな。
ともあれ劇中の強敵幹部として強烈な印象を残し、井坂真紅郎消滅…。斃れるには惜しいキャラではありましたが、物語の節目節目ごとに倒され去り行くのもまた幹部怪人の美学であります。
井坂が倒れ、冴子も離反してもはや家族崩壊状態の園咲家。まあ当然のことながら次回からまた新たな幹部キャラ登場?
ついに家族の仇を討ち、そして守ると約束した少女の笑顔を守りきり、今までになく砕けた態度で子供たちにも接する竜。うわあ、本当にこんなところまで昭和ライダーっぽくなってるよ。竜の昭和ライダー臭はスタッフ側としても意図的にやってるんだろうけど、やっぱり視聴者に親しまれ、憧憬の対象であってこそ仮面ライダーと思うのですな。
大真面目で今回面白かった。

仮面ライダーW 第35話「Rの彼方に/やがて怪物という名の雨」

 2010-05-16
誰の胸にも吹く乾いた風。
闇色の匂いを孕んだ風が、その男を怪物に変えた。

これまでのウェザー・ドーパントへの敗北フラグを重ねてのアクセルパワーアップ編。そして怪物・井坂真紅郎誕生秘話。
医者という人間の生死を見つめる職業として、恐らくは医療の限界に空虚感を抱いていたであろう井坂が遭遇したドーパントという人間の新たな可能性。井坂の人生の転換に大きく携わった寺田農が、取るに足らない出来事としてそれを憶えていないのはある意味当然として、井坂がついにその寺田農の喉元まで迫ってるというのは、これまでの展開と今回の誕生秘話といい、嗚呼、いよいよ下克上に至る準備は整ったのだなあ。
予告からして次回、いよいよ…という流れだけど、アクセルトライアル登場といい、次回で井坂が生き残れるかどうかというのもまた見所になりそう。

野鳥園にて、妹との思い出に井坂への復讐心を募らせる竜と、その竜が出会う、同じく井坂に家族を殺され自らもケツァルコアトルスのメモリを育てる苗床とされてしまった少女。以前の長澤奈央の例を挙げて、井坂が“メモリを育てている”という描写が判りやすいな。
パワーアップ編ということでいつに増してデジタル合成の手間がかけられている恩恵か、これまでになく気象を操る“ウェザー”の能力にてWとアクセルを追い詰める井坂=ウェザー・ドーパント。クライマックスとなる“お試し品”巨大ケツァルコアトルスとの巨大戦まで含めて、ドラマ・ビジュアル共に見所の多いエピソードであります。巨大戦に際し駆けつけてくるリボルギャリーに、ちゃっかり乗り込んでいるガンナーA。出番少ない割に(それでもブロンブースターとかに比べたら…)、登場の機会では愛嬌振りまくロボになってるわなあ。
プリズムビッカーの新たな使い方は、ビッカーシールドに乗っての空中サーフィン。良い子は真似してビッカーシールド壊しちゃあかんよと一応心配してみる(笑)。

もはやアクセルの力では井坂に届かないと、新たな力を求める竜に対し、現状の竜の復讐心が薄れていることを告げてその訴えを退けようとするシュラウド。シュラウドにとって必要だったのは、あくまで復讐心に身を染めた“戦闘マシン”としてのアクセルであり、“仮面ライダー”としてのアクセルは求めてなかったということですかね。
その竜をモトクロス場に連れ出すシュラウド。おおっ! これはライダーパワーアップのための避けて通れぬ展開…“特訓”の予感! 嗚呼、アクセルの昭和ライダー臭がこれまたいい意味で増していきますですよ。むやみに楽しみ。

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仮面ライダーW 第34話「Yの悲劇/あにいもうと」

 2010-05-09
愛すべき昨日を撃ち抜く銃声。
振り返るは過ぎ去りし幻想の過去。

まんまと鳴海探偵事務所を手玉に取り、兄・霧彦に替わってミュージアム幹部の座に就こうと冴子に自身を売り込むことを成功させるイエスタディ・ドーパントこと雪絵(マジレンジャーの山崎さん)。
亡き親友の妹ということで、その兄妹の絆を確かめるかのように「“きのう”を探してほしい」という彼女の依頼を追い続ける翔太郎と、明らかになる、兄妹が過ごしていた施設を護るために雪絵が前回冒頭の不動産業者どもを退けていた事実。
そして彼女の能力を高く買い、冴子に雪絵を推薦する井坂。しかし井坂が他者を認めるのは、メモリ使用者の知性とかよりもあくまで“ドーパントの能力への興味”が優先してるよなあ。あからさまに井坂を避ける若菜と井坂に対する危険を薄々感じている冴子。その冴子の手にまだナスカのメモリ(霧彦の使っていた物)が残っていたというのも軽く驚きなのですが。

冴子の野心を利用しようとする井坂の存在と垣間見えた霧彦への未練が、彼女を徹底的な悪女にするか実は愛情に飢えていた悲劇のヒロインにするか分けるよなあ。怪物・井坂を、そして父・寺田農を出し抜いて上り詰めるとしたら、人間的な未練の象徴としてのナスカのメモリを捨てるという禊は絶対必要なんですけど

あの霧彦の妹として、視聴者としても案の定ながら実の目的は冴子への復讐だった雪絵。イエスタディ・ドーパントの能力が冴子の変身したタブー・ドーパントに通用しなかったというのは、幹部の使うメモリという能力差。逆に自らイエスタディの能力を受け、ダブル襲撃の道具として利用される雪絵。その様が、冴子に対する復讐の宣言の反復というのが…井坂にとっては滑稽な愚行なれど、それを見つめる翔太郎にとっては兄妹が辿った辛い悲劇。

メモリブレイクにより、その影響にて自身の記憶というすべての“昨日”を失うこととなる雪絵。翔太郎がたしかに見つけ出したはずの彼女の“昨日”が、愛した兄の思い出共々粉々になるという皮肉的な結末。
前回の感想でも書いたけど、霧彦という物語全体に重大な指針を与えたキャラの存在と、「昨日を繰り返すメモリ」というワンアイデアを膨らませた中島かずきによる脚本が、エピローグの切ない余韻とあいまった秀逸なエピソードであります。
回想シーン、自らの死の間際、妹に最後の電話をかける霧彦…という新撮部分。まだ退場から何ヶ月も経ってないというのもありますけど、霧彦役君沢ユウキの本人ブログでの思い入れ入った発言といい(番宣もあるんでしょうけど)、霧彦を演じきったという達成感が見て取れて良かったですよ。
http://ameblo.jp/yuki-kimisawa/entry-10529863927.html

あと、井坂の出現に際し今回今まで特に出番もなかったのに怒り心頭で駆けつけてくる竜。竜にアクセルの能力を与えたシュラウドからすれば、アクセルへの期待はあくまでWの支援(=フィリップの護衛)だけだったというのもあるんだろうけど、それにしてもアクセルの力では井坂の変身したウェザー・ドーパントに届かないというのが明白になっただけというか…。
予告の限りでは次回がアクセルのパワーアップ編として、今回新たに竜に刻み付けられた非力さの無念は当然のごとき次回への伏線。

仮面ライダーW 第33話「Yの悲劇/きのうを探す女」

 2010-05-02
巻戻す鉄針が思い起こさせる苦い昨日。
友よ、街を愛すると誓った熱き誓いは忘れない。

脚本中島かずき参戦! なんつーか普通に凄い人材が来ちゃったなあ。
今回の依頼人にして怪人、平田薫は例によって「こいつ誰だっけ?」と検索したら、「マジレンジャー」のある意味ヒロイン山崎さん。ああ、清楚なイメージの子だったのがすっかり大人びてまあ。その平田薫の依頼に隠された、翔太郎を巻き込む時間の罠。

高校を卒業してすっかり大人びた山崎さんこと平田薫の色香にメロメロにされ、言われるがままにホイホイと彼女の依頼に付き合い、そして出現する怪人を追っての戦闘。
その平田薫が変身したイエスタディ・ドーパントの特殊能力は人間に24時間前とまったく同じ行動をさせること。ぶっちゃけこんな意味があるのかどうか判らんメモリ渡されてもまったく使い道はないが、そんなメモリの能力そして使い方を思いついての今回の脚本が秀逸すぎて。
翔太郎に偽りの探偵依頼を託して記録される行動そしてW戦闘の様。そして刻み付けられた砂時計のマークの通り、翌日寸分たがわず再生される翔太郎の行動。無論、Wに変身しての大立ち回りも含めて、当日その舞台となるのは一般市民を集めての冴子の講演会…(怪人を追ってビルから飛び降りるという、翔太郎が当日も同じく変身せざるを得ない状況に持っていくあたりの計算高さが!)。

危うく冴子に必殺技が放たれるまではアクセルに阻止されるものの(思いっきり冴子や若菜の目前で変身しちゃってるし…)、今回の事件すべてを目論んだ平田薫の正体は――敵味方の垣根を越え、街への愛情という一点で翔太郎と固い友情を交わした、今は亡き霧彦の妹!
まあ今回、ゲストの人間関係以上にやっぱり驚かされるのが脚本の完成度の高さというか、ただ前編丸々使って今回のキモとなるドーパントの能力がしっかり描かれた以上、後編ではたしてその能力をどうまたドラマに生かせるかというのが…。やっぱり次回は、回想シーンとはいえ再登場を果たした霧彦兄妹のドラマがメインになりますかね。ともあれ霧彦役君沢ユウキ本人も今回の再登場をめっちゃ喜んでいる様子↓
http://ameblo.jp/yuki-kimisawa/


平田薫が霧彦の妹と知らなかったとはいえ、彼女に見せられる、翔太郎の手中のふうとくん人形がまた切ないなあ。「グレンラガン」の中島かずき脚本として、やはり次回提示されるであろう「泣き」のドラマに朝からまた泣かされますかね。

仮面ライダーW 第32話「風が呼ぶB/今、輝きの中で」

 2010-04-25
嵐と化す旋風! 一撃必殺を増す切り札!
互いを支え合い進化する二人に宿る、地球そのものの新たな輝き。

もはやフィリップからも変身を拒絶される翔太郎と、そのフィリップの放ったサイクロンメモリの強大なパワーに耐えて使ってみせる竜。
自分にフィリップの相棒が務まらないという事実を前に呆然となりつつ、それでも探偵という自らの本分を忘れず谷底に落ちた彫像を探すあたりは、これまた師匠である鳴海壮吉の教えがしっかり根付いているということですかね。
胸中に複雑な思いを抱えつつも竜を新たな相棒としてスカウトしようとするフィリップと、そんなフィリップに対し「翔太郎は戦いの道具じゃない!」と怒りを露にする亜樹子。そして現状の翔太郎に対するフィリップの危惧どおり、彫像の中から発見したガイアメモリを手に事件の真相にたどり着き、10年前小沢和義に罪を被せた、もうひとりの犯人の元に赴く翔太郎。

今回パワーアップ話ということで、前編の小沢和義によるVシネ路線から俄然従来の東映ヒーロー物のフォーマットに則った後編。なにげに前後編でストーリーの印象の変化が著しいなあ。フィリップについていけなくなった翔太郎に、パワーアップのための重要な指針をもたらすのが小沢和義の役どころと思ってたらそうでもなかったぜ(まあ、依頼人という「きっかけ」をもたらす役どころではあるんですが)。
翔太郎に相棒が務まらなくなったことを焦るフィリップながら、亜樹子の叱責と、そして彫像に残されたもうひとつの鳴海壮吉からのメッセージを手に、ダブルの進化に本当に必要なものがなんだったのかを悟るフィリップ。

シュラウドが非情な計算の元に生み出そうとしていたのは、フィリップの能力を完全に生かせる「自らの復讐の道具」としてのダブル。だがフィリップがやっと気付いたあるべきダブルの姿は、決して完璧でなかろうと、道具に惑わされない、力に飲み込まれて己を見失わない人間としての力強き意思。
自分に必要なのは、かつて罪による自戒という牢獄から自分を立ち直らせてくれた鳴海壮吉の――その人間としてあるべき高潔な魂を受け継いだ翔太郎の存在。
「Nobody’s Perfect」。完全からほど遠い二人が手を組み、互いに互いを支え合うことで手にする新たな輝き――本当の「二人でひとりの仮面ライダー」、サイクロンジョーカー・エクストリーム。

翔太郎とフィリップ二人の再起と、新フォーム誕生までのバックを飾るのが、その鳴海壮吉(仮面ライダースカル)役である吉川晃司による挿入歌というのが贅沢なまでのサプライズ。冬の映画を見に行った観客としてこれまたこみ上げる展開というか、今回、死してなお苦悩する二人を導く偉大な役どころとしての鳴海壮吉。これまた夏の映画なり最終回直前なり、もう一度ぐらいは吉川の雄姿が拝めるんじゃないかって気も。
新フォーム登場回の怪人は、同情的なまでに新フォーム誕生を彩るかませ犬。つかサイクロンジョーカー・エクストリーム(以下CJX)のデザイン案はみんなが言ってるとおりキカイダー00として、あのデザインを着ぐるみで再現する技術の進歩に21世紀になってやっと至ったのだなあとも。
あと今回、役者陣の奮闘に目を向ければまだまだ寒いだろうに生身で川に叩き込まれる翔太郎と竜。生身のヒーローの奮闘は、変身前と変身後のイメージのシンクロに絶対必要な要素。いやあ、東映ヒーロー物の主人公としてこのぐらいの苦行は役者人生賭けてやり切ってほしいと。

事件は解決し、尊敬した鳴海壮吉のメッセージを新たな人生の指針に立ち直る小沢和義。てか心機一転として女子高生店員をはべらせてのりんご飴屋台というのがうらやまけしからんな(笑)。
そして園崎家の地下、CJXの誕生に呼応するかのように地下洞を満たす輝きに歓喜する寺田農とそこに呼ばれた若菜。
寺田農が若菜をここに呼んだのは、あからさまに自らの後継者として冴子でなく若菜を選んだという話ですかね。園崎家サイドも波乱含みの展開がまだまだ続きますです。

仮面ライダーW 第31話「風が呼ぶB/野獣追うべし」

 2010-04-18
一迅増した風の速さに振り払われる切り札。
ズレの生じた白と黒は最高のパートナー最大の亀裂。

翔太郎曰く「おやっさんと同じ時代の匂いがする」、客演小沢和義(小沢仁志の実弟)はまさかのキャスティングながら、でもプロフィールを振り返れば「RX」にも客演したことあったりするんだわな。液化したバイオライダーに身体を貸すチャンピォンボクサー役。
10年ぶりに出所し鳴海壮吉を訪ねて事務所に赴くも、既に鳴海壮吉本人は故人だったという冒頭からしてなんとも今回の雰囲気が重々しい。初めて亜樹子の口から語られる父親の死というか、冬の劇場版見てきた身としてはなんとも染み入るなあ。
おやっさんの遣り残した仕事として小沢和義の10年前の依頼を果たそうとする翔太郎と、そして前回の、翔太郎を指しての「あんな悪い子と付き合っちゃいけません!(大意)」というシュラウドの母ちゃん説教を疑問視するフィリップ。そしてその身体に、エクストリームメモリに取り込まれたことで現れている異変。

自分の舎弟や愛した女が絡む、過去の事件のケリを着けるべく舎弟のもとを訪ねる小沢和義(この如何にも東映ヤクザ路線なプロットがたまらない)ながら、今や会社社長として小沢和義を邪険に扱う舎弟こそ、今週の怪人にして10年前小沢和義が罪を被り服役した現金輸送車襲撃事件の真犯人。そして、怪人に対抗すべく変身したWに現れる翔太郎とフィリップの能力のアンバランス…。

合体変身ヒーローとして、互いの息が合わないことによるアンバランスによる危機は多々描かれたシチュエーションながら、一方の側の“進化”が相棒を置き去りにしてしまうというのも残酷な。
このフィリップとの能力差こそシュラウドが危惧した「翔太郎にフィリップの相棒は務まらない」という理由。
予告で竜に代わりのパートナー役を申し出るフィリップといい、シュラウドが竜をアクセルに選びドライバーを渡した理由のひとつは、最初から竜自身をWに――フィリップのパートナーとして育てるつもりだったという穿った見方も出来てしまうのですが。

鳴海壮吉が遺した事件の調査結果を求め、その別荘に赴き手掛かりとなる木彫りの熊を手にする翔太郎ながら、そこに割って入る井坂――ウェザードーパント。
あるいは自分自身の肉体を核とするファングジョーカーならばと駆けつけるフィリップながら、もはや顕著となってしまった二人の差は、キックの失敗を経てWの変身すら受け付けない…!
いよいよ最強フォーム次回登場を前に盛り上がる危機感ながら、翔太郎自身がこのフィリップとの差を如何に埋めて最強フォームを誕生させるかが次回最大の興味。そりゃもう昭和からのファンとしては「特訓」を願いたいもんですが、肉体の鍛錬=変身後の強さに決して結びつかないのが平成ライダーでもあるしなあ…(響鬼さんは別格)。
こと昭和スメルが強い「W」として、自分みたいな昔ながらの視聴者も「おお!」と膝を打つ展開を期待したいもんですが。

仮面ライダーW 第30話「悪夢なH/王子様は誰だ?」

 2010-04-11
悪夢を打ち砕く金色の月光!
夢の支配者に振り下ろされる怒りの鉄槌!

井坂――ウェザー・ドーパントに重傷を負わされたフィリップの元に飛来し、フィリップを体内に取り込むとともにその戦力をもってウェザー・ドーパントを退ける新ガジェット・エクストリームメモリ。
フィリップの身体が電子化して取り込まれるあたりで「キャプテンパワー」のソロンを思い出したオールドファンすんまそん。もちろんこの能力は次々回あたりでついに登場するであろう最強フォームへの伏線として、エクストリームメモリの内部にて、ついにシュラウドの意思と対峙するフィリップ…。

一方、フィリップ側のドラマは置いといて、とりあえず今回の事件を追う翔太郎と亜樹子。亜樹子の夢の再現のためだけの大阪ロケというか、通天閣の目前を舞台にした無駄に豪華な構図とキャラクターたちのコテコテの関西人っぷり吹いた。つかこれは大阪在住の人に怒られるレベルじゃ…(汗)。
本当にわざわざ通天閣に現れる怪人を追い、夢の中で吉川晃司コスプレの翔太郎とともに念願のライダー変身。亜樹子が中身ということでWのポーズがいちいちノリノリなのもあるけど、つか太陽の塔だの大阪城だの、日本全国の視聴者からツっ込みが殺到してそうなまでの「おおいかにも大阪だぜ」ってロケっぷりはある意味感動だわ。
まるで宇宙刑事の戦闘母艦のごとく、ポーズつきで呼べば大阪城をブチ破って駆けつけてくるリボルギャリー。怪人が出てきたら巨大メカで轢殺しちゃえばいいじゃんというツっ込みにまで応えちゃってるのがもう腹痛ぇわ(笑)。

亜樹子の奮闘によって明らかになる怪人の正体は、途中ミスリードを挟みつつ大方の予想通りの大学の研究室のストーカー学生。つか、社会的に何の貢献もしてない学生の分際で、真面目に働く清掃婦の方を怒鳴るって何様だよ。自身のフィールドたる夢の中では無敵の王様を気取っても、現実世界ではまるっきしライダーに敵わない弱々しさと惨めさ。こいつの現実での立ち居地を見事に体現してるというか、今回ほど怪人がライダーにブチのめされるのが爽快に映った回もそうそうないな。

エクストリームメモリの出現にシュラウドの存在を嗅ぎつける寺田農と、フィリップと対峙し、翔太郎がフィリップにとって不吉な存在と訴える当のシュラウド。
なんともシュラウドのお母んっぷりが目に付くというか、彼女もまたフィリップを「来人」と呼ぶあたりとか寺田農に存在を認知されてるあたりとか、伏線はバッチリ張ったぜって感じではあります。
シュラウドの警告を振り切り、相棒・翔太郎の危機へと駆けつけるフィリップ。ついに炸裂するルナメタルによるマキシマムドライブというか、これであとマキシマムが登場してない(怪人へのとどめに使われてない)フォームはルナジョーカーぐらいか? 最強フォーム登場を控えているとはいえ、やはり基本9フォーム全必殺技は見せてほしいもんですが。

事件は解決したものの、翔太郎とフィリップの関係に僅かな影を差すシュラウドの言葉。これもまた最強フォーム誕生のための劇的な布石と思いつつ、次回、Vシネのスーパースター・小沢和義客演。思いっきり笑い回をやった後なので、番組に張り詰めた緊張感がもたらされるのは緩急あってええわ。

仮面ライダーW 第29話「悪夢なH/眠り姫のユウウツ」

 2010-04-05
瞑想する疾風、迷走する切り札。
実体なき悪夢が眠れぬ恐怖と共に苛む。

今回、次回に渡る京都・大阪ロケ敢行編! 京都編のゲストに大御所・我が国が誇る真ラストサムライ福本清三さんキターーーッ!! ここ数年、東映ヒーロー物でもエピソードで時代劇的な舞台が用意されると必ずコールされる福本さんというか、もう今回は福本さんの名人芸な斬られ様だけで眼福であります。

なんだこの女殴りてえな女子大生依頼者(演じる麻生夏子は「真マジンガー 衝撃!Z編」前期EDを歌ったりと、アニメ系の仕事もしてるアイドル)が持ち込む今回の依頼は、眠りに落ちた者を二度と目覚めさせない悪夢からの救出。大学での明晰夢の研究が原因と思われる怪事件ながら、そりゃ既に何人もの学生が被害者になってるとすれば刑事として照井も登場。てか今回の照井、ミイラになるミイラ取りの役かい。
事件の捜査にて、原因と思われる装置を自ら装着して眠りに付き夢見る、死んだはずの自分の妹が生きているという幸福な夢。その視聴者の涙腺をも潤わせるささやかな幸せをぶち壊す、妹の結婚相手が刃野という笑っちまうしかない悪夢(だからなだぎ武で結婚ネタは/苦笑)。来週照井の目が覚めたら、絶対目の前の刃野がボコられそうだなあ。
一方、同じく装置を装着して寝ようとするも、福本さんご出演の時代劇DVDにハマって寝れなかったがために難を逃れる翔太郎。つかね、冒頭の段階で時代劇に対して「趣味じゃない」と言い放ちつつの没頭ぶりといいこれらの展開が伏線になっての翔太郎の夢といい、毎度のことながら翔太郎のいい意味でのガキっぽさの描写にくすぐられるなあ。一応自営業のいいトシした大人でありつつ、メイン視聴者層となるチビっ子に極めて近い視線の持ち主として、番組そのもののヒットの要因のひとつが紛れもなくキャラへの親近感というのが良く判りますです(V3に似た境遇という照井=アクセルが、従来の2号ライダーの枠を超えて昭和ライダーファンにも注目されているのも)。

とりあえず今回は事件に絡まない園崎家では、井坂がドライバーに施した処置のために、情緒不安定というあたかも“ガイアメモリに精神を侵食された”症状を見せ始めている若菜…。寺田農もさすがに井坂にガンを効かすというか、この二人の対決フラグも徐々に立っていくなあ。
ひとりで悪夢の中に入っても今までの被害者の二の舞と、一計を案じWに変身したまま夢の世界に赴く翔太郎。今回の展開だけのための太秦での撮影というか、まさに往年の東映時代劇の世界。やべぇ「てぇへんだ親分!」と駆け込んでくるフィリッ八がツボに入った(爆笑)! さすがにイケメンとして元がいいためか、真っ赤な襟巻きの同心・照井がやけに様になってますです。
夢の世界にてついに対峙する、多くの人間を悪夢の世界に引きずりこんでいた今週の怪人。太秦のド真ん中で変身し、あまつさえハードボイルダーで激走するWの雄姿に孫と一緒にテレビ見てた爺ちゃん婆ちゃんも苦笑いのことでしょうなあ。
悪夢の世界の支配者たる怪人に翻弄されるW。マシンが一瞬にしてチャリに変化してしまうあたりもう腹痛ぇよ(ヒーーーッ)。

そして現実の世界…あまりにシュール、あまりに無防備という野っ原での昼寝の真っ最中というWを前に姿を現す井坂――! ファングメモリさえ退けられ、守る者なきフィリップを襲うウェザー・ドーパントの猛攻。夢の世界のコメディぶりが腹筋よじれさすほどに、危機感際立つ現実での絶体絶命! 
次回、舞台は亜樹子のホームグラウンドたる大阪。今回クライマックスの圧倒的危機展開はともかく、やはり関西カラーに染まる「W」がどんなんなるかというのが最大の興味ですが。
仮面ライダーで大阪ロケ…どうしても死神カメレオンやドクガンダーを連想してしまうというか(含笑)、これまた昭和からのファンのツボを突いてくる要素ではあります。

仮面ライダーW 第28話「Dが見ていた/決死のツインマキシマム」

 2010-03-28
復讐の果てに獲得する灼熱の誓い。
二人の仮面ライダー、今、その手を組む時!

変身した翔太郎の肉体をも傷つけるヒートトリガー・ツインマキシマムの大火力にも耐えるウェザー・ドーパント=井坂と、その井坂を自らの邸宅に招く寺田農。
貪欲にガイアメモリの力を吸収していくことを目的とし、その身体中にメモリコネクタの跡を刻んでいる井坂。寺田農が井坂を自宅に住まわせることにしたのは、その危険性を見抜いての監視という意味合いが強いんだろうなあ。劇中の台詞からしてドライバーを嫌悪している節も見られるあたり、ドライバーを王者の証とする寺田農との徹底的な溝と禍根は埋まらないままというか、井坂にベタベタの冴子との関係といい、下克上フラグが判りやすいなあ。

自分が倒れた後のことを“同じ仮面ライダー”として竜に託し、傷つき眠る翔太郎を前にしてなお、長澤奈央を救うことより井坂への復讐に執着を見せる竜。仮面ライダーの力を復讐の道具としか見れない今の竜に対し怒りを爆発させるフィリップ。
フィリップが翔太郎と共に仮面ライダーの過酷な運命を背負ったのは、かつてガイアメモリ製造に手を貸した身として、鳴海壮吉に諭された贖罪のため。そして翔太郎の影響も多々とはいえ、誰でもない自分自身が獲得してきた、街の平和・人間の自由を守る者“仮面ライダー”の矜持。
目前の仇敵に我を忘れ、その翔太郎と誓った矜持を踏みにじる今の竜はフィリップにとって許しがたい存在。だが、今長澤奈央を救えるのは竜しかいないという葛藤。
そして、自らの命を賭して、メモリの力を使ってでもマジシャンの師匠である祖父の引退のステージを飾りたいと願う長澤奈央と、その彼女に――自らの復讐の執念と相反する――命を粗末にすることを許さない竜(いやこれは、ラストシーンの竜へのデレが当然過ぎるだろ/笑)。

自身の心根が叫ぶ、他者を守ろうとする道義。復讐のために自分が振り切ったはずのそれをいつの間にか思い出させていた翔太郎の存在。
竜に対し、拳一発で許し再び手を取るフィリップながら、それもまた翔太郎から授かった流儀。私怨よりも大きな、人倫・道義といった“誰かのため”に立ち上がる意志――それこそが仮面ライダー。

長澤奈央の死と共に得られるはずのメモリを回収するために現れる井坂と、その井坂を目の前にしても…“仮面ライダー”として長澤奈央を救うことを優先する竜。一度電気ショックで感電死させて、なおまた電気ショックで蘇生させるという無茶にもほどがある手段は、そういや確かにWって電気系の能力は持ってなかったんだよなあと。
むざむざ長澤奈央から排出されたメモリを破壊され怒り狂うウェザー・ドーパントに対し、アクセルとファングジョーカー、二人の仮面ライダーが決める、誰もが知る本当のツインマキシマム――ライダーダブルキックが炸裂! ああっ、デジタル合成によるビジュアルでなく、本当にトランポリンでの空中キックだったら画面効果以上に燃えたのに!

なんというか…平成シリーズでやもすれば投売り状態でもあった「仮面ライダーの意義」をある意味問い直す作品としての「W」の製作意図が非常に顕著であります。少年漫画原作者でもあるメインライター・三条陸の資質が大きいとはいえ、昭和ライダー臭への回帰は、ある意味次に続くシリーズにいい影響を与えてくれるものと改めて期待も働きますです。
最終的にイケメンヒーローとして長澤奈央の感謝の念を一身に受ける竜ながら、無駄に純情なあたり吹いた。本当に、復讐者として以前の本来の姿は好青年だったというか、こういう少年臭さもまさに三条陸の資質であります(苦笑)。

仮面ライダーW 第27話「Dが見ていた/透明マジカルレディ」

 2010-03-21
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ついに見つけた! 自らの人生を賭した仇敵よ!
誰にも止められぬ真っ赤な怒りが、誓うべき使命を忘却させる。

初登場当初のギラギラした復讐者っぷりが影を潜め、なんだかすっかり鳴海探偵事務所に馴染んでる竜。あるいは元々の竜本人はこうした馴染みやすい好青年だったという描写なんだろうけど、その竜の前についに現れる、家族の命を奪った憎むべき仇・井坂真紅郎。
今回の依頼者は、東映も円谷も松竹も跨いだすっかり日本代表特撮アクトレス・長澤奈央(ハリケンブルー)。「ハリケンジャー」だった十代の頃からもう7年というのもあるけど、劇中での喜怒哀楽豊富な表情にセクスィーな衣装もあいまって、そのイイ女っぷりにクラクラですよ(OK!)。
まさかと思っているのでしょうが、実は実は長澤奈央、透明人間なのです。透明長澤奈央を見るぐらいしか見せ場がない新ガジェット・デンデンセンサーは置いといて、長澤奈央の依頼は、井坂から譲り受けた透明人間化ガイアメモリが不安定になったことでの井坂の捜索。そして、ついに果たされることとなる、竜と井坂の邂逅――!

井坂の変身したウェザー・ドーパントはまさに幹部怪人としての風格と実力を兼ね備えた強敵! Wのようにメモリ交換なしで攻撃属性を変幻自在に変えられるというのは、フォームチェンジのタイムラグの分明らかにWに不利。そして怒りに我を忘れ、連携して戦おうとするWさえも邪魔者としてウェザー・ドーパントに挑むアクセル。そしてその決着に水を差し、井坂とともに消え去る長澤奈央。

長澤奈央が自らのガイアメモリの制御に必死な理由は、引退を間近にしたマジシャンである自分の祖父のラストステージを飾るため。死んだ家族の復讐にこだわる竜と、生きている家族のために懸命な長澤奈央という決して相容れない対比というか、亜樹子曰く「出会ったばかりの頃」に戻った竜に仮面ライダーとしての使命を思い出させるのは、案外長澤奈央の「生きている者のため」という願いになるのかも。
身体から排出できなくなったガイアメモリを制御可能にしてほしいという長澤奈央の願いと裏腹に、実は長澤奈央をモルモットとして利用していた井坂。自らのモルモットに対する偏愛を前にしての冴子の嫉妬に、一方冴子が井坂にお熱なのに苦々しく舌打ちする若菜。そして、井坂によって若菜のドライバーに手が加えられたことを知り眉をひそめる寺田農と、いよいよ井坂の存在が園崎家を揺るがし始めてますです。

ウェザー・ドーパントとの再戦にも、手も足も出ずに悔し涙を流す竜。これほどの男をも跪かせるウェザーの脅威と、やっと捜し当てた家族の仇を前に歯が立たないことに対する竜の無念。そして現状を打開する唯一の方策として、トリガーマグナムと右腰のマキシマムスロット、両方にメモリを装填してのツインマキシマムを試みる翔太郎…!
全身を真っ赤な炎に包むヒートトリガーというのがまるでウルトラダイナマイト直前というか、フィリップをして禁断の手段として止めようとした、番組初めて描かれることとなるマキシマムドライブ2個同時発動。頭に血が昇っている竜を前に、今こそ自分たちが冷静であるべきと拳を合わせて誓いを新たにした翔太郎とフィリップという画があって、この最高の相棒同士が絶たれかねない決意が如何なる展開をもたらすことか。

仮面ライダーW 第26話「Pの遊戯/亜樹子オン・ザ・ラン」

 2010-03-15
人形が叫ぶ父と子の絆。
その悲しみを打ち壊す風巻く鉄槌!

実の娘の可愛がっていた人形で悪事を働いていたドーパントに怒りを隠さず、あんたは自分の娘を愛してないんだ! と怒りを露にする亜樹子。こと父と娘という問題に対して亜樹子がデリケートなのは、やはり自分が父親と離れて暮らしていた時期が長かったこともあるんだろうなあ。
そんな亜樹子に対する、お前に何が判る! というドーパントとのディスコミュニケーション。そして亜樹子が知ることになる、自分の依頼人だった少女が既に故人だったという事実。まあ前話の時点で見え見えの展開とはいえ、少女の言葉の足りない依頼の意味を理解できずに人形を放り出す亜樹子。
そして少女が亜樹子の元を訪ねた理由が、生前の少女と出会っていた亜樹子の他愛のない嘘が起因という辛辣な事実。

父と娘の悲劇を垣間見た亜樹子が、亡き娘の想いを父親に届けるための奔走。人情に厚いギャグキャラ担当というのは、エンタテインメントにおいて時折視聴者をホロリとさせる清涼剤の役目も担っていて、1年間続く番組の折り返し点に至ってついに亜樹子がドラマにおける自らの役目のひとつを全うしたという話であります。
真相を知り、そして自分が受けた事件・自分がまいた種を自分で解決するために泥まみれになって走る亜樹子。尊敬するおやっさん・鳴海壮吉の娘として、誰より亜樹子の責任感を理解している翔太郎の「それが亜樹子なんだ」って台詞が心憎いです。

一方、冴子の依頼により、若菜をパワーアップついでに人形遣いドーパントのための新たな人形としてしまう井坂。自分と娘の関係を罵った亜樹子を許せず、フィリップひとりが留守番中の鳴海探偵事務所への、操り人形クレイドール襲撃(若菜のドーパント態が人形モチーフということで、人形遣いドーパントの登場もかなり早くから予定されてたことだろうなあ)! ライダーの地下秘密基地への怪人襲撃という、いや実に番組の折り返し点に相応しい最大級のピンチ! そこに駆けつけるアクセルの子分ロボ・ガンナーAというのはある意味意外な人選というか、基本シュラウドの作ったガジェットなりマシンなりは、ファング同様にフィリップを守るよう作られているんだろうなあ。

人形遣いドーパントとの最終決戦。もはや愛する者すべてを失った悲しみと憤りのままに暴れるドーパントの前に、自分の過失から危うく廃棄されそうになりつつも取り戻してきた人形を手に――自らの依頼人が、自らに託した父親への想いを、新メモリガジェット・フロッグポッドに乗せて届ける亜樹子。最近すっかりファングジョーカーの出番がなくなったなあと思いつつのとどめというか、娘の形見である、娘の想いが込められた人形を抱きしめ、号泣する父親――。

そして、井坂が若菜に施したパワーアップの手段が、ドライバーの干渉を緩めることで若菜自身にメモリを直差しに近い状態にしたと知り、戦慄する冴子。園崎家にとって、王者の証であると同時メモリの力を御する手段であるドライバーと、あたかもそのドライバーの存在など無用とばかりの非人道的な横顔を見せる井坂。
まあ井坂自身もあるいは自らの強力なメモリの力に精神を侵された人間なのかも知れないけど、ここに来てすべてのドーパントの王たる園崎家の倫理を覆しかねない主張を叫ぶキャラクターが現れたのは、番組後半でどれだけ物語に波風立てることやら。

すっかりフロッグポッドをお気に入りのオモチャとして、竜の声に変換した自らを称える台詞にご満悦の亜樹子。今回、まさにフロッグポッド販促編。てか番組見終わって、一番印象に残ったのがフロッグポッドの存在感というのが。
オモチャ発売されるとき、また去年の暮れの売り場でのファングメモリ争奪戦みたいな大騒ぎにならないだろうな(汗)。

仮面ライダーW 第25話「Pの遊戯/人形は手癖が悪い」

 2010-03-08
相棒は加速する紅?
幼い依頼の声を耳に、少女探偵長、疾る!

竜にアクセルメモリにドライバーというアクセル用装備をもたらしただけでなく、ついに鳴海探偵事務所にギジメモリ込みで新メモリガジェットの設計図を送りつけるシュラウド。今後登場予定のアイテムもたぶん続々と、もはやパトロン状態の彼女が送りつけてくること確定というか、やはりフィリップ同様園崎家に関わりのある人物が正体なんだよな絶対。
今週の依頼者たる幼女からの依頼をただひとり受けることとなる亜樹子。手がかりとなる住所を頼りに赴いた先で遭遇する、怪奇殺人人形襲撃事件。
今回脚本の長谷川圭一が円谷出身というのもあって「怪奇大作戦/青い血の女」を髣髴とさせる展開ながら、そこは基本エンタティメント主義の東映作品。コワい形相の人形が勝手に動き出して人間を襲うというビジュアルをコミカルに見せてくれるというか、これはお笑い担当というポジションの亜樹子の存在が、怪事件を前にしたりアクションからして見事に場の空気を陽性にしてるというか(苦笑)。

翔太郎すらまともに取り合わない怪事件の容疑者となってしまう亜樹子ながら、唯一の味方となるのは意外なことに竜。まあ単に同様の事件が連続して発生してるからということでの容疑消滅ながら、何故か誕生の即席コンビ。まあ竜にしてみれば亜樹子をそばに置いとくのは、容疑者と接触があった人物だからという以外の何物でもないんですけどね。
フィリップの星の本棚ですらデジタル合成が使われないほど今回の特撮ビジュアルは節約態勢。フィリップの検索でイッキで容疑者から被害者の共通点、犯行の動機までスラスラスイスイスーイ。つか今回、やけに犯人サイドが描かれるのが早い気がするけど…これは次回で、きちんと犯人側の背景のドラマを描くためですかね。
犯人である、一発屋的ヒットに恵まれた小説家に対し罠を仕掛ける竜と、犯行の背景に不安を拭えない亜樹子。果たしてあの犯人が、自分の娘にメモリを与えて人形ドーパントとして利用しているのか?

一方、すっかり互いが互いにお気に入り同士となっている冴子と井坂。冴子の不満は、自由奔放な若菜の存在というか、彼女の人生まで自分に尽くすためのものとまで決め付けてるあたり、元よりの独善的な性格ゆえか単に若菜の自由さに対する嫉妬か。
次回予告からして、若菜を利用する形とはいえいよいよ井坂がライダーたちに牙を剥く展開になりそうですが。

竜と亜樹子がベッタリなのが面白くなく、警察署にて刃野にクダまいてる翔太郎。いえ芸能ニュース的に、今なだぎ武に男女の仲がどうのこうのの話題は禁句だたぶん(すんまそん)!
果たして竜の挑発に乗って姿を現す殺人人形と、それに挑むダブル・アクセル二人のライダー。人形に翻弄されるライダーというのもなんともシュールな画ながら、それを支える操演技術がやけに半端ない。1メートル大の人形が、見事にライダーを苦しめる強敵として画面で暴れまわってますよ。
人形に向かって炸裂するアクセルの必殺技と、その人形が自分の依頼者たる少女と思い絶叫する亜樹子。だが、実は人形はドーパントなどではなく本当にただの操り人形。その人形を操る能力を持ったドーパントこそが今回の犯人である作家…あの小さな依頼者の父親。

「人形の声を聞いて」。今回の亜樹子を動かすこの言葉足らずな依頼の謎は実はまだ解けないまま。次回、いよいよ真相編というか、予告でついに襲撃される探偵事務所地下基地といい、むしろ井坂の暗躍に目が行きそうではあるなあ。
探偵として圧倒的な経験不足を補うバイタリティとど根性。平成ライダーヒロイン中最大のコメディエンヌと成り得た少女探偵長・亜樹子、果たして事件の真相を明かせるか?

仮面ライダーW 第24話「唇にLを/嘘つきはおまえだ」

 2010-02-28
吹き荒れる嘘と偽りの嵐。
切り札は「目には目を、嘘には嘘を」。

後編で明かされる怪人の正体は、かならず前編に姿を見せていた人物という番組の不文律に則り、今回の怪人の正体はストリート詩人モロ師岡。和紙で拭った他者の挫折の涙をコレクションする屈折した愉快犯を嬉々と演じてますですよ。
モロ師岡の変身したライアードーパントの嘘を受け、フィリップ共々アクセルを怪人と思い込む翔太郎に、タヌキの置物を怪人と思い込んでスリッパでしばきまくる亜樹子。今回、冒頭だけで予感はしてたけど、まさかの全編ギャグ編に思わず喝采であります。

自らののど自慢2週勝ち抜きが不正だったことを知り、絶望するイケメンジャイアンと翔太郎の夕陽の下の青春追いかけっこ。いやそこは「男同士でなにやってんだ」ってセルフツっ込み自重せえや(笑)。
ただ今日を生きるためだけに生きてきた中野公美子(アラサー眼鏡美女)にとって、初めて自分に笑顔を向け、いつの間にか自分の生きる目的となっていてくれたイケメンジャイアンと、そんなイケメンジャイアンに自分を今まで支えてくれたのは誰かと諭す翔太郎。
そしてモロ師岡を捕らえるため、若菜に協力を得てのフィリップが張った罠。しかしモロ師岡も聞いてる若菜のラジオの聴衆率ってどんぐらい凄いんだよ(汗)。
自分の名を騙る人間と若菜が会うと聞き、居ても立ってもいられず若菜をストーキングするモロ師岡。モロ師岡のプライドをおちょくる翔太郎のアホの子な変装と、その衝撃をある意味上回るフィリップによる女装(ムヒョーーー)!
嗚呼、とうとう近年の男の娘ブーム「W」にも到来(笑)。しかし怪人を蹴り飛ばす変装若菜の脚の上がり具合が物凄く見事というか、あれもフィリップ役菅田将暉自身の脚捌きだとしたら、もっと劇中でフィリップのアクションシーン増やしても大丈夫でない? つか若菜役を「お前じゃ無理」という理由で竜に却下された亜樹子のショッキング具合が。

多少格好に問題はあるものの、ついに番組初のダブル・アクセル同時変身! お嬢様スタイルのフィリップ(の身体)を抱き止める男装亜樹子というのが変に絵になりすぎやん。
(呼び方ややこしいが)ダブルライダー対ライアードーパント。アクセルバイクモードに跨るダブルという画、ついに実現。ビルの壁面をマシンで駆け上がるライダーというのもある意味昭和世代感涙のシチュエーション。今回怪人へのとどめの必殺技は、メインフォームの割に使用頻度が少ない、サイクロンジョーカーによる両脚キック・ジョーカーエクストリーム! しかし多数のフォームチェンジを持つライダーゆえの弊害か、メインフォームの必殺技が使用印象薄いってのもなんだかな(むしろ派生フォームによるトリガーマグナムでのとどめのほうが印象深いというか)。

水木一郎兄貴ついでに番組主題歌シンガー審査員による勝ち抜きのど自慢、翔太郎に諭され、たとえ工事現場の騒音以下のレベルだろうと、自分を支えてくれた中野公美子への素直な気持ちを込めたラブソングを熱唱するイケメンジャイアン。
その歌は誰がどう聞いても酷評レベルとはいえ、世代を超えて日本中の子供達に歌を通して魂を伝えてきた兄貴には通じる、そのど下手糞なラブソングに込められた嘘偽りない情熱と好感。心を込めた素直な歌声に対し、会場から送られる笑顔と暖かい拍手。嘘つき怪人による事件話の締めとして、教訓的でもありつつ見ていて気持ちいいクロージングがなんとも沁みますですよ。今回最大のビッグゲストである兄貴の再登場、待ってますです。

そして…人の体調を診る医者でありつつ、人よりもドーパントの身体に端的な興味を示す「W」のメモリの持ち主、「Vガンダム」のクロノクルこと井坂真紅郎。その危険な魅力に惹かれつつある冴子というか、嗚呼、亡き尻彦さんがあくまで愛情の対称でなく有能な仕事のパートナーでしかなかったというのも明確な(泣)。こいつはこいつで、ライダーの前に立ち塞がるのもそうそう遠くない話になりそうであります。
近年の平成ライダーでは珍しいぐらい好コンビぶりを発揮するダブルとアクセルながら、復讐すべき仇敵を巡って、再びライダー同士の対立という展開を辿るか?

仮面ライダーW 第23話「唇にLを/シンガーソングライター」

 2010-02-21
夢見る歌声は青春の憧憬。
黄金の歌声の偽り、その真実はあまりに孤独。

ゲスト、主題歌を歌う上木彩矢とTAKUYAに合わせてOPもライブバージョン。でもこの二人より重鎮・水木一郎兄貴のほうがよっぽど重要だ! さすがWikiにて最大92言語で検索されるという世界で一番有名な日本人アーティスト、なんか登場するだけで画面が沸くですよ。
今回の依頼はAKB48のメンバーであるクイーンとエリザベスを差し置いてご町内のど自慢番組(みたいなもんだ)を勝ち上がったイケメンジャイアンの審査不正調査。街の人々が恐れおののき飛ぶ鳥を落とす勢いで渡り鳥も墜落というイケメンジャイアンの歌、そのわが道を貫く姿勢は実は翔太郎と似たもの同士というか、それを他者からの指摘でなく自覚できるぐらいには翔太郎もそこそこ年長者。

今回、番組前半までは今週の怪人の正体と思われたイケメンジャイアンファンのアラサー女、ああ…マイナーなジャンルで孤独に活動する人間に対し、世界で自分だけが彼の理解者だとかカン違いしちゃうタイプの人だわなあ。演じる中野公美子を画像検索したら、すんまそん黒ブチ眼鏡ってとてつもなく美貌を隠すアイテムなのだなと愕然…。普通に「えぇっ!?」と唸ったんですが。

イケメンジャイアンの調査のため、翔太郎とフィリップ、のど自慢番組に乱入。一応ミステリアスなキャラ設定のはずなのに、こういうときのフィリップのノリの良さは、ある意味番組の成功でも一因でもあるわなあ(笑)。
一方そのスタジオの天井裏では、審査員に不正を目論む今週の怪人、アクセルと対峙。あっさりアクセルにメモリブレイクされたと思われた怪人ながら、実際に竜が砕いたのはメモリでなくすこんぶの箱。クールな竜にすこんぶの箱を掲げさせるボケ具合が、また竜のキャラを番組に染めさせてるなあ。
調査のターゲットを黒ブチ眼鏡のアラサー美女・中野公美子に定める翔太郎。薄汚れた作業服に身を包み、額に汗して地道に働くその一途な姿も美しいというか、実のところは中野公美子は怪人にイケメンジャイアンの審査の不正を依頼していただけ。
中野公美子を裏切り、あまつさえその場にイケメンジャイアンを呼び出して、明かされた不正の真実を前に二人を嘲笑する怪人。今週の怪人の性質の悪さが際立つなあ。

今回、過労で倒れた中野公美子を診察した完全に脇役ゲストと思われていた町医者役は「Vガンダム」のシスコン将校クロノクル役だった檀臣幸。そして、彼こそが…冴子が新たに一目置く存在にして、竜にとっての家族の仇――「W」のメモリの持ち主! おおっ、ガンダム好きとしてもなんとも盛り上がるキャスティング! 檀臣幸のブログでは、見覚えがある風景↓がちらほらと(苦笑)。
http://yaplog.jp/dan-chan/


ええ番組後半のライバル役をふてぶてしく演じてくれるはずと、これまた期待であります。

仮面ライダーW 第22話「還ってきたT/死なない男」

 2010-02-14
紅く、毒々しく咲く復讐の花一輪。
怒りと憎しみに猛る心が、その復讐心を蝕んでゆく。

ガイアメモリを手に復讐を成し遂げ、次なる矛先をガイアメモリを流通させる組織と宣言するジャスミン。同じくガイアメモリの力で悪と戦う者――仮面ライダーとしてジャスミンを信じようとする翔太郎ながら、実はそれは自分たちがダブルドライバーという安全装置で守られているがゆえの甘さ。
一方、こいつはこいつでジャスミンが犯人と知りつつ大高洋夫への復讐を黙認していた竜。復讐者同士というシンパシー故の行動とはいえ、ジャスミンの正体に気付いた時点で手錠を掛けなかったという意味、やはり翔太郎同様の甘さがあったというか。
そんな二人の甘さをあざ笑う、使用した人間を狂わすガイアメモリの実態。ジャスミンほどの優れた精神力を持った人間でさえ、その怒りや憎しみを増幅させて狂わせてしまう様は、改めてガイアメモリの恐怖を浮き彫りにしております。

翔太郎にガイアメモリ密売組織の正体を暴き、そのあとは自ら二人の悪徳刑事を殺した罪を自首することを約束するジャスミン。つか本当に冴子の元まで直接肉薄するあたり、刑事としての能力はとことん有能であります。
そんなジャスミンを信じて女子高生二人とカラオケに興じる翔太郎。嗚呼、基本的に竜主役の前後編といえ、今回主役が限りなく役立たず。業を煮やして自ら警察署に乗り込むフィリップ、暴走するジャスミンを前にファングジョーカーへ変身。ファングジョーカー登場以降、フィリップ自ら能動的に動く場面が増えたのは「二人でひとりの仮面ライダー」という番組イメージ的にも良い効果。
そして竜、自らの家族を殺した犯人に成りすましたジャスミンの罠に嵌り、鉄骨の下敷きに…(フィリップの元に助けを求めるビートルフォンが、なんて健気な子分)。

戦う動機は同じく復讐心としても、その胸に燻る怒りは決して倒すべき敵を間違えはしない。戦い続けなければならない限り、仮面ライダーは死なない。自力で自らを襲った罠を掻い潜り、怪人化したジャスミンの前に立ち塞がる竜――仮面ライダーアクセル!
対巨大怪人戦ももはや平成ライダーの構成要素。アクセルの新戦ロボ・ガンナーAの武器は顔面を大砲に変形させての奇面フラッシュだ! そしてアクセルバイクモードと販促合体! Wほどマルチな能力は持ち得ないとしても、もはや攻撃力だけならアクセル、完全にWを凌駕してしまっております。
かくしてジャスミン、ガイアメモリの呪縛から解き放たれて逮捕。でもたぶんこの後数ヶ月に渡る昏睡状態に陥ったりするんだろうなと自分の中で脳内設定。ええ来週以降、ジャスミンの供述を受けて警察、園崎家に一斉ガサ入れなんて展開になりそうにはありませんから。

物語の締めを担う役割として、ジャスミンへの憧れ以上に、復讐心に呑み込まれたりしなければ彼女は優秀な刑事であり続けたはずと惜しむ真蔵。刑事の端くれとして、今後も法と秩序を守る誓いを新たにするあたりは好感度ちょっと上昇なれど、ええ来週以降はこいつもまた空気Aってキャラに戻るんでしょうねえ(笑)。
次回、歴代ライダーの主題歌も熱唱してきた我等がアニキ・水木一郎御大ついに番組降臨! この勢いで番組挿入歌も歌ってくれねえかなあ! もちろんライダーの名前とか必殺技とか思いっきり連呼しまくる昭和で熱血なやつ(←こうふん)!

仮面ライダーW 第21話「還ってきたT/女には向かないメロディ」

 2010-02-11
蒼き海原に響く怒りの轟音。
復讐者が手に入れたのは黄金か毒か?

デカイエロー・ジャスミンこと木下あゆ美に「ボウケンジャー」のガジャ様こと同郷出身大高洋夫客演。まあ大高洋夫については同じく探偵物ということで「テツワン探偵ロボタック」のスットコドッコイ探偵杉薫を挙げたいところですが、この2作品とも違う憎々しい悪党っぷりからして例によって存在感輝いてますです。
竜の部下となった新任女刑事・ジャスミンにお熱の空気キャラ・真蔵、「ジャスミンの前でいいトコ見せたいよ~」とドラえもんならぬ翔太郎に泣きつき。つか竜に対する嫌味だけでその依頼を引き受ける翔太郎も真蔵と変わらぬ大人気なさというか、この二人がやたらソリが合わなかったのは単なる同属嫌悪だったんだなあ。

ガイアメモリ密売組織への警察の内通者・大高洋夫を追う竜とジャスミン。そして判りやすいぐらいに、ジャスミンが画面から消えた途端に現れ、大高洋夫を狙う今週の怪人。明らかになる悪徳刑事・大高洋夫の悪行と、怪人の正体と思われる、その大高洋夫に濡れ衣を着せられ謀殺された、ジャスミンのかつての恋人たる元刑事の存在。
事件の背景が復讐と判った途端、その復讐を手厳しく批判する真蔵。実はその批判そのものはフィリップも認めるとおり真っ当なまでの正論。まがりなりにも法の守護者という職業に就く真蔵にとって当然なまでの倫理観。しかし復讐に人生を捧げた二人、竜とジャスミンにとってその正論は憤りを招くもの…。

大切なものを失ったことで、その復讐心を胸に周囲からすればエリートと呼ばれるまでに自らを鍛え上げてきた竜とジャスミン。
何も失ったこともなく、職場のコンプライアンスとしての倫理観で“正論”を吐く凡人としての真蔵の言葉など届くわけもないというか、今後も真蔵が画面で目立つところがあるとしたら、常識人ゆえに場の空気を害してしまう発言をしてしまうところなんだろうなあ。

Wとアクセル、二人のライダーの追っ手を逃れ、所有するクルーザーで海へと逃げる大高洋夫を一撃で吹き飛ばす今週の怪人の一撃。
竜が「君なんだろう?」と悟っていた怪人の正体は、大方の視聴者の予想通りジャスミン。恋人を殺された自らの復讐を成し遂げたともいえるジャスミンながら、同じく復讐者としてジャスミンにシンパシーを覚える竜、刑事としてジャスミンに手錠を掛けることはできるか? まあ次回予告からしてジャスミン巨大怪人化は確定なんですが(汗)。オモチャのネタバレ画像が出ていた、アクセルの新戦力による特撮ビジュアルも楽しみではあります。

仮面ライダーW 第20話「Iが止まらない/仮面ライダーの流儀」

 2010-01-31
02


父よ、母よ、妹よ! 赤い仮面が怒りに叫ぶ。
あの夏の日、俺の家族を殺したのは貴様か!?

タメに溜めての「変っ…身!」の掛け声だけでなく、そのビギンズナイト(バックボーン)まで昭和ライダーっぽかった仮面ライダーアクセル=照井竜。とことん昭和親父泣かせのライダーというか、肉親を殺害された復讐を戦う動機とするライダーってのも平成ライダーではかなり稀(「龍騎」のファム=霧島美穂ぐらいか?)。
幸福のさなかにあった照井家を襲った悲劇。竜が目撃する、凍てついた我が家と「Wのメモリ」との言葉を残し、砕け散る家族…。つい、今の今まで自分と言葉を交わした肉親が砕け散る様は、まさに竜自身の心が砕ける心象風景。怪人による殺人の被害者遺族として、竜の嘆きと痛み、怒りがストレートに伝わりますです。

竜にエンジンブレードやアクセルドライバーを渡した謎の女、シュラウドの正体は今のところは自称“竜と同じ痛みを持つ者”。アクセルメモリが明らかにダブルの6つのメモリと同系統なあたり、あるいはスカル=鳴海壮吉の持っていたスカルメモリも含めて仮面ライダーの使用するすべてのメモリを作った張本人なのかもと状況証拠だけで予想。しかしそうなると翔太郎とフィリップに接触を図ろうとしない謎が残るし…。シュラウドにとっては「ガイアメモリに対する怨み」というか、明確な復讐心という目的意識を持つ人間が必要なのかも。

仮面ライダーの力を手に入れ、復讐に逸る竜に対し、仮面ライダーが個人の復讐のために戦うことを決して許さない翔太郎。戦う動機は友を、師を、肉親を殺され、身も心もズタズタに切り裂かれた憎しみと怒り。だが、その得ることとなった力で戦うべきは、自分と同じ悲劇を誰にも味合わせないため。
昭和ライダーから脈々と伝わる、今回サブタイ通りの“仮面ライダーの流儀”。今回ラストで竜が案外素直にその流儀に従うこととしたのは、製作側としてもアクセルをれっきとした“仮面ライダー”として描きたいという意思があるからですかね? 平成ライダーっぽい反目しあうライダー達って描き方から、いい意味での原点回帰が図れればいいんですが(「響鬼」ではあくまで同じ会社の同僚、って描き方だったし)。

今回の怪人の正体は、案の定大沢逸美のドラ息子。自分の家族を殺害した、凍結能力の持ち主としてその怒りの大剣を振り下ろすアクセルながら、しかしドラ息子が持ってたのはWのメモリでなく、サブタイ通りのIのメモリ。
そして…冴子と若菜の前に現れる、本物の――“W”のメモリの持ち主! 園崎家をして敵に回してはいけないと言わせしめるあたり、これまた正体不明の大幹部登場ってシチュエーション。
考えてみりゃ、例年今ぐらいの時期が新ライダーの放送開始って時期でもあったんですなあ。アクセル登場と同時、番組がいい緊張感を孕んでリスタートしたと思うべきですかね。
なんだかんだで鳴海探偵事務所にまで馴染んだ様子を見せる竜。翔太郎にとっては忌々しい本物のハードボイルドというか、またまた番組に愛すべき好漢となってくれそうであります。

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