仮面ライダーオーズ/OOO 最終回「明日のメダルとパンツと掴む腕」

 2011-08-28
伸ばす腕は、欲を掴むために。
伸ばす腕は、願いを掴むために。
手に残ったメダルは、きっと、明日の希望のために。

メダルという“金”、“欲”のメタファーをメイン要素にした物語というのは、子供に夢を与える番組たる「仮面ライダー」としてはある意味否定されるべき作品だったのかも知れないけれど、「願い、希望」の根本に「欲」があることを否定しなかったあたりの潔さと、夢も希望も欲張って掴めというメッセージの力強さが番組のテーマを強固に支え続けていたのでないかと。
無欲に、目前の放っておけない出来事を前に手を伸ばそうとする主人公、映司と、文字通り腕だけの存在でありつつ、強欲に自身の欲望を掴み取ろうとする副主人公アンク。
人間とグリード、出自も思考も違う二人がぶつかり合いながらも共闘関係を結ぶというプロットこそ過去シリーズからの既出なれど、ある意味、この二人の中心に座していたヒロインたる比奈の存在が「二人の手を結ぶ」役割を担っていたというか。
最後にきちんと、その役割を果たしきったのが示された、今回二人の手を取るシーンが凄く印象的であります。

宇梶剛士のプレゼントの小箱の中身は、それぞれ“10枚目”のタカ・トラ・バッタのコア。800年前の王が初めてオーズに変身した、偉大なる原初の姿、それこそがタトバコンボ。
もう間近に迫る自身の消滅を隠し、再び映司に手を貸すべく戻ってくるアンク。
自分自身の分身ともいえた人形を最後に知世子さんに託し(最後に自身の人間性を断ち切る行為か、週末への門出としての最後のプレゼントか)、すべての終末のために動き出す真木。
ついにウヴァを無理矢理“メダルの器”とし、世界の終末を果たそうとする真木と、その欲望を喰い止めるべく、宇梶剛士から託された大量のセルメダルを用いて真木をも予期せぬ一撃を放つオーズ! 
もはや、最後の“器”を破壊するため、自らに残った――自分自身の、ひび割れたコアメダルを映司に託すアンク。いつだっていがみ合いながらも、手を組み戦ってきた二人、最後まで共に戦う意思表示としての、ひび割れたメダルでのタジャドルへの変身…これが、胸が熱いという感覚か。

最後の対決にて真木をついに打ち倒したものの、虚空の暗闇へと吸い込まれ消えていくすべてのメダル。それは、アンクのメダルも例外でなく――映司の目前にて真っ二つに割れる、赤いコアメダル。

視聴者誰もが、どこかで助かる要素が残されているはずと思われていた希望を儚く裏切り、描かれることとなるアンクの“死”…。
登場人物たちが欲に翻弄される様をシニカルに描いた内容と、同時に、現実でも関連商品であるメダルが多くの消費者の“欲”を煽り続けた皮肉を前に、番組は何処かで責任を追わなければならなかったはずで。
凄く悲観的な言い方をすると、番組の“欲”を象徴するキャラであるがゆえに、スケープゴートとしてアンクは死ななければならなかったのかも。それでも“欲”が“純粋な願い”に変わっていく過程をアンク自身に描かせた上で。

落ちていく映司に届く、アンクの最後の声、

「ただのメダルの塊が“死ぬ”ところまで来た。こんなに面白い――満足できることがあるか」
「お前を選んだのは、間違いなく得だった」

自分自身の欲しかったもの、“命”とは決して手に取れるようなものではないけれど、それはきっと映司がアンクを友達と――命ある存在と認めて与えられていた物。
その“命”をまっとうできた…どんなグリードも叶えることができなかった、最大の満足を得られたアンク。
空から落ちていく映司に伸ばされる、バースとして駆けつけた後藤の、そして、集まってきた仲間達の手。

「お前が掴む腕は、もう俺じゃないってことだ」

ずっと、誰かに手を伸ばしてきた映司が、きっと初めて…自分に向かって伸ばされてきた腕に、自分の手を伸ばしていく。

「こうすれば手に入ったんだ」

それこそが、映司の本当に欲しかったもの。力――どんなに遠くても誰かに届く手。一方的に差し伸べるだけじゃない、誰かが、自分のために伸ばしてくれる優しい手。
手と手を結び合えることで紡がれる…決して自分ひとりだけで何もかも抱えて生きていく訳ではない、確かな絆。

「お前の手を掴んだのは、絶対間違いじゃなかった」

アンクの最期の言葉と対になる映司の感謝。
互いが、互いの欲を補完し合い、とうとう二人の願いは果たされたのだ。
戦いの日々を終え、そして映司もまた多くの仮面ライダーたちと同様に旅立っていく。それは、決して孤独の旅立ちでなく、仲間達と、いつでも、どこでも繋がり結びついている手を実感した満足感と共に。

前回までラストに向けての風呂敷を広げすぎていたというのもあって、正直、最悪ラストシーンは「この続きは冬のMOVIE大戦で!」になってしまうんじゃないかとビクビクしてましたです(苦笑)。前述の通りの“欲”というダーティーなイメージをメインテーマにした作品を、最後に“願い”に純化しての結実はドラマ構成と共に見事な最終回でした。
改めて、事実上現状の東映作品のエースといえる小林靖子脚本の力量を実感すると共に、物語のもうひとつのテーマでもあった“手”。新ライダー・フォーゼのスイッチ収集のためにメダルをホルダーとともに押入れに片付けた子供さん視聴者が、それでも自分の手を見つめ直すだけで、誰かのために手を伸ばし続けたオーズに思いを馳せる。そんな思い出を残せた作品だったであろうことを願ってやみません。

「いつか、もう一度」

最高の友達の手を、再び握る。映司の手に残った割れたメダルは、友に誓った果てない明日への約束――。世界中の誰にも、誰とでも手を伸ばし握り合う、そんな大きな欲望を胸に、映司の旅は続いていく。
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仮面ライダーオーズ/OOO 第47話「赤いヒビと満足と映司の器」

 2011-08-27
満足。求めてやまなかった欲が、実は満たされていたことに気付けた。
渇望。足りない、まだ、この程度では求めている欲にははるかに足りない。
袂を分かってしまった二人が、いつの間にか、互いの本来進む道を辿っていた皮肉――。

とうとう自ら怪人と化し、同じく怪人態となったアンクと死闘を繰り広げる映司。暴走して正気を失ってしまった状態とはいえ、嗚呼、いつかは来るであろうと思っていても、やはりあってほしくはなかった二人の対決。
この悲壮な死闘に、変身前の二人の姿が重なる…って演出はまるで「クウガ」48話での最終決戦のごとく。映司を倒せば自らの欲望が叶えられる。それでも、映司と触れ合えた記憶がどうしてもアンクを躊躇させる。命を持たない、モノとしての冷徹な存在であるグリードが“思い出”に左右されて行動を迷ってしまう。まるで“人間”のように…(この点、ガメルを可愛がっていたはずのメズールが、完全体となった途端に容赦なくガメルを切り捨てたのは…実に“グリード”として正しい行動だった訳で)。

殺すべきはずの映司を助けた、その自らの愚行を自嘲しながらも可笑しげに「満足だ」と呟くアンクと、そのアンクに見切りをつける真木。アンクの意思を宿したコアメダルにヒビが入れられる…劇中、確実な「グリードの消滅」を示唆してきた描写だけに、最終回を前にしてなんとショッキングな――。

比奈の告白により、とうとう、自分の知らなかった映司とアンク、そして比奈の苦闘を知ることとなる知世子さん。つか、普通にショッキングな話を「ふーん、そんなことがあったの」で済ませる知世子さんが大物すぎるわ(苦笑)。
ここで、知世子さんが諭すのは比奈自身の欲。映司とアンク、どちらしか生き残れないのではない、二人とも、そして自分の兄さえも取り戻してしまえ。
無責任でもある知世子さんの発言ながら、それだけの大言を背負えるだけの芯の強さが比奈にはあるという、信頼ゆえの言葉なのかも。

宇梶剛士の元に収容された映司の元に駆けつける伊達と後藤ながら、二人が見たものは、自らの欲望…“力”への渇望に溺れ、宇梶の差し出すセルメダルの山をまさに呑み込もうとしている映司。
グリードであるはずのアンクが、まるで人間のごとくに私欲より映司との友情を選んだ。
人間であるはずの映司が、もはや身も心もグリードのごとくに、渇望のままに力の源を喰らおうとしている。
立場も、思想も、生命体としての意義さえも違っていた二人がまるで入れ替わってしまうという皮肉が辛いな。アンクが守ろうとしたのは、きっと、映司や比奈と共にいた、賑やかにして自分を“満たす”日常。そのアンクを満たしていたはずの映司が、破滅の道を進もうとする。

そして、もはや最後の対決と映司の前に現れる真木。その様子を伺っていたウヴァに与えられる、ウヴァ自身にとっての9枚目のコアメダル。完全体となったウヴァの能力は、オーズ/クワガタヘッドのそれよりもさらに強力な放電攻撃。つか、紫のメダルの能力を受け、今までのグリードのコアメダルを斬り裂いてきたメダガブリューの一撃さえ効かないとは…! 敵を寄せ付けない放電と、昆虫類としての強固な甲殻。うわある意味ウヴァ、武闘派として真の実力者(笑)だったというかまさに最後に残ったグリードだったというか。

真木にコアメダルを砕かれたアンクの元に駆けつける比奈。比奈に、兄の身体をもうすぐ返すと告げ微笑むアンクは…恐らく、初めて、損得抜きで…今まで、ずっと妹分だった比奈に見せた、心からの気遣い。
自分以外の誰かを救おうとして傷つき、だけど、それでも笑ってなお、最後の力を振り絞って、憎まれ口を叩きながらピンチの友達の元に向かおうとする。
その行動に、打算はない、ただ無償の“友情”のみ。
映司が、アンクから自分の欲望であるところの“力”を授かっていたように、アンクもまた、自分の望みを叶えていたのですよ。愚かしいまでに、愛情を持った、“人間”になれていたのですな。

完全復活を果たして暴れるウヴァの猛攻を前に、改めて、宇梶剛士に力が欲しいことを訴える映司。それは、宇梶がずっとメダルを集めて望んでいたこと…“真のオーズ”の復活。
今回、最終回を前に視聴者が唖然とする勢いで切ない展開が流れましたが、基本、陽性の作品として視聴者に元気を与える番組だったオーズとして、胸爽やかなラストを期待したいところ。
宇梶が今回持っていた、プレゼントの小箱が最後の逆転の鍵を握ってるように思えてならないというか、そうであってほしいという願望が働くなあ。

仮面ライダーオーズ/OOO 第46話「映司グリードとWバースとアンクの欲望」

 2011-08-14
欲しかったものは命! ただ欲望を貪るだけでない、満たされたいという願いゆえに。
欲しかったものは力! 手が届かなかった後悔と、それを繰り返さずその先に伸ばすために。
やっと露になる二人の欲望と、その時が訪れる二人の激突。

メズールを失い悲しみに暮れるガメル。そのメズールを甦らせようとするガメルに対する真木のひと言がやたら切ないのは、(同じくシスコンとして)真木自身が一瞬でもガメルに対するシンパシーを抱いたゆえでもあるんだわなあ。
そのガメルのコアにしっかりヒビ入れておくのは、決してガメルを哀れんでって訳でもないあたりは真木の怖さなんですけど。もはや自分以外のグリードに見切りをつけたかの真木。ついに来週、ウヴァ危ないいや確定事項的に危ない。

ひとりクスクシエに赴き、映司たちに翻弄され続けた時間を回想するアンク。その場に訪れた比奈に、その比奈の兄の物であるこの身体をくれと訴えるあたり、実はアンクを満たしていたものは、人間の身体を得たことによる五感ばかりでなく、このクスクシエという場で過ごした決して孤独でなかった時間…。
知世子さんにぶっきらぼうな別れを告げて店を出るアンクというか、嗚呼、自分か映司かどちらかは店に戻れないという自嘲的な台詞が泣けますですよ…。アンクの言葉に、跪き泣くしかない比奈。

一方、完全体となったガメル街で大暴れ。完全体となったガメルの能力は、人間だろうと無機物だろうと触れた物体をセルメダルの山に変えてしまうこと。セルメダルの山に、メズール甦れと何の意思も宿っていない青のコアメダルを置いて祈る姿もまた切ないというか、人間が変化させられてしまったセルメダルを躊躇なくバースバスターに給弾する後藤マヂ容赦ねえ。
その後藤の元に駆けつける最強の味方としての…帰ってきたバース1号・伊達! いやあ、不在帰還がそんなに長くなかったので(苦笑)あんまり久しぶりって気はしないんだけれど、並び立つプロトバースと後藤バース…あえてバース1号、2号と呼びたいところというか、まさにダブルライダーが並び立つ画がやたら感無量。

そして、海辺にて着実にグリードに変質していく自身に慄きながらも、落としたオーズドライバーを探す映司と、その前に立ち塞がるアンク…。
人間でありつつグリードになっていく者、グリードでありつつ人間の身体を持つ者、いつか来るはずと互いに判っていた二人の対決の時――。
アンクの追い求めた欲望は命。グリードという、欲望の意識だけを持たされ世界を貪るしかない自身が、得てきたものを確かに味わえる生き物としての生。
映司の抱いていた欲望は力。目の前で消える命を救えなかった、伸ばした手を届かせることが出来なかった後悔と、その手を再び伸ばす力を――オーズの力を与えてくれたのがアンク。
グリード化により、貪っても満たされないアンクの気持ちを理解する映司ながら、映司自身の欲望はアンクとであった時点で既に満たされていた。ならば、アンク自身にとっても…泉刑事という人間の身体と、孤独感を満たしてくれるクスクシエという居場所を得たことで、ひょっとしたら、アンク自身の欲望もまた既に満たされていたという感想が働くんですけどね…。

ダブルライダーならぬダブルバースの決死の一撃にてついに斃れるガメルと、アンクと対峙する映司に自身のプトティラメダルを投入し、映司のグリード化を暴走させる真木。奪ったアンクのメダルを得て、久々にその姿を現すタトバコンボながら、その目の色は…正気を失い暴走したことを示すがごときの紫。そしてついに――グリード化の完了として、怪人としての姿に変貌を遂げる映司…!
主人公もまた、悪側と同等の力(改造された身体)を持つ存在というのも、ある意味仮面ライダーの不文律のひとつ。もはや、力の源たるメダルの優劣以外ではアンクと同等の存在となってしまった映司。嗚呼…本当にどちらかひとりしか生き残れないという決戦の様相。ラストあと2回!

仮面ライダーオーズ/OOO 第45話「奇襲とプロトバースと愛の欲望」

 2011-08-07
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それは生命などでなく、ただのモノの集まり、欲の塊。
だからこそ、生命ある者として認められようとする。
だからこそ、愛されることを欲し愛しようとする。

メズール退場編。ああ、終盤にかけてはこうして毎回ひとりずつグリードが脱落していく計算になるのね…そうなると次あたりは(予告からして)ガメル危ない本気で危ない。
カザリの死を知りどこか感慨深げなアンクと、メダルの集まりという“モノ”でしかないグリードが生命を語るのをおこがましいと冷笑する真木。真木自身にとって、自分の体内に紫のメダルがあるというのは、自分がグリード化していると言うより、あくまでグリードの力を利用し世界を終わらせる力を得た…って認識なんだろうなあ。
そして、真木から自分がグリードであることを改めて思い知らされたがゆえに、なおも“完全な肉体”に執着するアンク。そういや現状、同じく身体そのものは人間であるアンクと真木の違いって「体内のコアが紫かそうでないか」ってだけなんだわなあ…。

コアメダルの大半がグリード側に集まっていることを機に、映司、ついに真木邸への奇襲を敢行。例によってお菓子の類で見事に引っかかるガメルはともかく、落とし穴に嵌るウヴァがw 前回のバース大破を受け、後藤、全身に赤いラインの入った試作品プロトタイプバースに変身。本来のバースドライバーは修理中ということで、もう、見るからに「あの男」帰還のための伏線だわなあ。
ついに映司たちの目前にて、自らグリード体へと変身する真木(人形の手からも紫のオーラ出てる)! もはやラスボスとしての風格が存分過ぎるというか、最強怪人たるものこのぐらいライダーと視聴者に絶望感を与えるぐらいでないとなあ。

真木とアンクから、今までカザリの握っていたコアメダルを取り戻し、やっとのことで完全体に戻るメズールとガメル。完全体に戻った途端、メズールがガメルと袂を分かつのは、自分たちの関係がかりそめの物――“本物ではない”からこそ“本物が欲しい”という欲望が膨れたがゆえ。ガメルを愛玩し続けるのは、自分が“本物を持たない”ことの象徴というか…。
対照的に、自分の欲望の対象としてひたすらメズールの名前を呼び嘆くガメルの姿に憐憫が募るというか。

そして本格的に活動を開始するメズール。その“本当の愛情を欲する”手段は…「愛情を向け合う人間を片っ端から集める」こと。この辺の、悲しいまでに間違っている愛情の価値観からして、グリードが「人間を模しただけのモノ」って扱いが非情に過ぎるわなあ。
シャウタコンボの能力であるバイオライダー液状化を駆使してオーズを追い詰めるメズールと、今現在変身できる唯一のコンボであるラトラーターとして、久々にトライドベンダーに騎乗するオーズ。やはりマシンに跨っての騎馬戦こそライダーの本懐というか、本当にこれでトライドベンダーも最後の奉公なんだろなあ…。
自身のコアメダルを斬り裂かれ、ついに絶命するメズールと、目前でメズールを失った悲しみに絶叫するガメル。ガメル絡みのドラマで充分に切ない予感をもたらしつつ、次回、予告からしてついに恐れていた…映司自身のグリード化! とうとうアンクとの絶望的な対決も描かれる日が来てしまったというか…フォーゼ放送開始を逆算するに残りあと3回。

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仮面ライダーオーズ/OOO 第44話「全員集合と完全復活と君の欲」

 2011-08-07
欲しいものは自分を満たす確かなもの。
欲しいものとは何かを探す心の彷徨。
互いに相容れぬからこそ、目的のために手を組み、そして今その手は離れ――。

グリードたちのアジトに合流後、瞬く間にグリードたちの主導権を握ってしまうアンクの交渉術及び説得力がさすがのひと言。そりゃいきなりリーダーの座を追われたも同然のカザリとしては面白くないというか、アンクを個人的にシメようとするもウヴァ乱入で返り討ち。つか今この立場に立つまでに恨みつらみ買い過ぎてたんだよなあ。まあこの時点で充分失脚フラグではあったんですが、まさか今回の結末でああなるとはさすがに唐突に思えたというか…。

一方、映司は映司で宇梶剛士直々に呼び出し。いつどんなときでもテンション高くうさんくさい宇梶といえど、暴走→世界そのものの消滅に繋がりかねない映司のグリード化は防ぎたいのが本音(欲望まみれの破滅的な性格に見えつつ、ある意味誰よりも“世界平和”を願っている人物であるというのがこのキャラの恐ろしくもあるところ/苦笑)。
無欲ゆえに、メダルの器としての資質を期待されつつ、しかし紫のメダルという暴走要因が不安定にさせてしまった映司の境遇。映司が我欲を失ったきっかけとしての事件が、映司にとっての最大のトラウマである、戦地で少女を救えなかった体験というのも痛烈な…。

映司とアンクの物語である「オーズ」として、とことん対比して描かれてきた「欲との向き合い方」が、互いにメダルの器の候補となったことでまたクローズアップされているわなあ。
自らを完全な存在とするため、飽くなき欲求の果てとしてメダルの器になろうとするアンク。
我欲がないゆえにメダルを取り込む器に相応しいと期待される映司。
改めて、最初から対立以外の道がなかったことが示唆される二人。
事情を知らずに映司の身を案じる知世子さんが、映司に旅立ってほしいと願っているのは…映司が世界を放浪してきた目的が、自身の希望、願い、やりたいことといった意欲(我欲)を探すこと――「自分探し」であることを見抜いているからなんだろうね。

そして映司を強襲するグリードを率いるアンクと、それでもアンクを説得しようとする比奈に対する「俺はグリードなんだよ!」という拒絶の叫び――。培ってきた関係よりも、あくまでグリードとしての自身に忠実であろうと振舞うアンクというのに、僅かながらでも和解フラグを期待してみたり。
戦闘のさなか、ガメルを焚き付け利用し、まんまとオーズからラトラーターのメダルを奪い、遂に自らのメダルを9枚揃え完全体となるカザリ――! いえ、ここで「次回に続く」にして1話置いてもよかったような気がするんですが、ここは大破しつつ決死のバースの反撃と、プトティラによって自身の意識を宿したメダルを斬り裂かれカザリ敗走。嗚呼、結局グリードの完全体ってどう強いのかイマイチ判らんままだったわなあ。まあ、プトティラという「グリードを抹殺する力」がなければ、存分に世界を喰らうまでの存在なんでしょうけど。
敗走するカザリに対し、その体内のメダルを全部抜き取った上で…グリード体となってトドメを刺す真木。真木にしてみれば、他のグリードのメダルを取り込む貪欲さを見せつつ、その力を暴走させるというリスクを負おうとしないカザリは無用の存在ということか。
劇中、誰よりも悪辣に行動し生き延びつつ、結局いつもその詰めの甘さからアンクに出し抜かれ続け、ついには完全に消滅するカザリ…。ある意味こいつもラスボスと目されていた時期もあったんですけどねえ。いよいよ物語の終了が近いことをいやがおうにも意識しつつ、次回あたりで倒されるのは誰だ?

仮面ライダーオーズ/OOO 第43話「ハゲタカと対立とアンクリターンズ」

 2011-07-30
一時とはいえ、心が通い合った仲とはいえ、
決して相容れぬ、欲を御しようという意思と欲に忠実であろうとする意思。
これは、そう、いつか来るべきだった日が今来てしまっただけのこと。

プトティラのメダルの、他のコアメダルにない能力としてついに明かされるコアメダルをも破壊する力――。このおかげで、アンク(ロスト)の意思が宿ったメダルごと3枚もの自身のコアメダルを失い完全復活の道が潰えたアンク、セルメダルで自分の身体を構成することもままならず再び泉刑事の身体を乗っ取る…。
後藤の憤慨も当然というか、誰よりもアンクを救うために奔走した映司や比奈の目前でそれをやっちゃうあたり、改めて露呈されることとなる、人間の価値観と相容れない、欲望の塊としてのグリードの強欲。
アンクの、満たされない自身を満たす“人間の身体”への執着に理解を示す映司ながらも、その理解も、映司自身の身体のグリード化が進んでいるからこそというのも辛辣な…。ついに映司の右腕がグリードへの変質の兆しを見せ始めているあたり、そりゃ易々とクスクシエに戻ろうって気持ちにはなれないわなあ。

グリードとしての能力を取り戻し始めたその一端として、ついに自らヤミーを誕生させるアンクと、アンクが映司と袂を分かった事態を憂慮する宇梶剛士。プトティラのメダルがコアメダルを破壊できることに切り札を見出す後藤に対し、コアメダルの破壊が世界の破滅に繋がるとそれを許さない宇梶。

コアメダルが人間の欲望の象徴的存在にして欲望の増幅媒体と見れば、人間の文明そのものが「今より便利にしたい」「今より楽をしたい」という“欲望”そのもので築かれてきたとして、もし、コアメダルの消滅が人間文明を支える意欲なりの“欲望”の消滅に繋がるとしたら――。
そこまで壮大に設定されているかどうかは定かでないにしても、宇梶のでかすぎる視野ならそれぐらいの危惧を抱いていてもおかしくないように思えるなあ。

一瞬の右腕の変質から、自身の身体がもはや人間から外れかかっていることを恐怖する映司と、なお続くショッキングな事態に際しても健気に映司を支えようとする比奈。
キャラクターのパーソナリティーとして怪力属性が与えられているとはいえ、こう普通にヒロインしているあたり、物語が陰惨な方向に向きかねないという現状としては視聴者にとっても救いであります。

そして再び出現するハゲタカヤミーと、もはやダブルライダーの呼吸にて撃破するオーズとバース。そして、ヤミーの身体から飛び散ったセルメダルを「狙い通り」と回収し、そのセルメダルの山を基に、コア1枚から復活の機会を伺っていたウヴァを復活させるアンク。いやあ、ウヴァさんまさに劇中イチの不死身の男だわなあ。思いっきり恩を着せようとするアンクに対する「フン、俺の実力だ」の台詞がかっこよすぎるよ…(実際アンクのおかげだけど)。
ウヴァも復活し、実に久しぶりに、全員が顔を合わせる5人のグリードたち…。カザリの驚いた顔がなんとなく喝采というか、自分が切り札にするつもりでいたアンク(ロスト)も文字通り失い、次回予告からしてもはやかませ犬的な死亡フラグまで立ってるし(笑)。
もはや完全に映司とアンクの対決が視野に入った展開になってきたというか…。ある意味自分の同族でもある真木との対決も控え、ラストに向けての映司の苦闘の予感が半端なさ過ぎる。こうなると本当に、ライダーでは実は珍しい展開ながら、ヒロインである比奈の存在が結果的に映司を救う展開になってくるかなあ。

仮面ライダーオーズ/OOO 第42話「氷とグリード化と砕けた翼」

 2011-07-17
欲の果てにあるのは、全てを貪り尽くした果てない砂漠。
たとえ欲望の化身に変質しかけた身体としても、
それでも、今、自分を呼ぶ誰かの叫びがある限り――!

共にプトティラのメダルを体内に取り込んだことで、グリード化の進行が進む映司と真木。真木の語る、人間としての欲望を満たす器官ともいえる“五感”を持たず、それを得るために人間の欲望を満たし、それを貪り、やがては世界の全てを喰らい尽くすというグリードの概念に改めて戦慄というか。前回、映司が比奈の料理を食べて複雑な表情を浮かべていたのは、兄妹の仲睦まじさに対する思いばかりじゃなかったんだわなあ…(真木邸で、カザリの何気ない台詞から明かされる…食べ物の味もわからないのに「うまい、うまい」と暴食を満たしているガメルの姿もまた切なくなるな…)。
あと通せんぼポーズのキヨちゃん人形に、久しぶりのこの人形の芸達者ぶりを見たよ。

前回、アンキロザウルスヤミーのために苦境に立たされつつ、「もうすぐ俺の上司の出勤時間なんだ」と出勤してきた(笑)里中のおかげで窮地を脱する後藤。里中、やはり勤務時間中はやたら有能だわなあ。本当に後藤・里中による新バース組もやたら魅力的なコンビになってきてる件。いかんこのままでは最終回までの伊達復活が危ない!

映司と真木の話を聞いていた後藤の報告に、ショックを受ける泉兄妹とさすがに複雑な表情を覗かせる宇梶剛士。番組も終盤に至って、とうとう宇梶剛士がオーズのスポンサーにして事件の傍観者という立場のままで終わりそうというのも実は意外といえば意外な…。番組始まった当初とか、現在の真木的なポジションにつくのはてっきり宇梶だと思ってたんだがなあ。

家出中の身として、川原でたそがれつつ焼き魚を頬張る映司。「噛み終わったガムの味」という言が、もはや自身が人間でなくなってきているあたりの悲壮感とかたまらん感じであります(さりげに、アンクがアイスキャンディー好きだったのは、人間の身体に取り付くことで味覚を得たから…という説明がやたら親切)。
グリードに貪りつくされた世界としての、映司の連想する砂漠。これ、OPから導き出されたイメージなのか逆に当初からこのイメージあってのOPだったのか…? どちらとしてもこのイメージのシンクロぶりにはやけに唸るところ。
一度は取り逃した映司をおびき寄せるため、配下の怪人に、まさに悪の組織の幹部という悪辣な命令を下す真木。そして、シルエットのみとはいえその肉体に起こる…グリードとしての姿への変質! ああ…本当に真木がもう戻れないところまできているんだわなあ。ある意味では友達同士といえた、伊達の説得が効かなかったことでなるべくしてなった展開とはいえ…。最終回前にはあるであろう伊達の帰国が、真木に止めを刺すため…という辛いのは避けてほしいところながら。

無差別に人々を襲い、襲った人々にオーズの名を呼ばせる怪人。比奈の、泉刑事の制止を振り切り、罪なき人々を救うために走る映司。
比奈が映司に見るのは、英雄=都合のよい神様=犠牲という…仮面ライダークウガ:五代勇介が辿ることとなってしまった苦闘の道(元より、映司自身のパーソナリティーが勇介に似ているとはいえ…)。ブレイド:剣崎一真が行き着くこととなってしまった、人間を捨てざるを得なくなってしまった運命といい、映司に架せられているのが、平成ライダーたちの背負ってきた悲劇の部分だとすればなんとも辛辣な。
戦場に駆けつけ、ヤミーと共にその場に現れたアンク(ロスト)と、ついに対決の時を迎えるオーズ。前回のように翻弄されることを招いた躊躇のない、最初からプトティラとしての全力でぶつかっていくあたりの、本気となればグリードを容易く圧倒するその強さを…決して英雄としての勇姿でなく、悲壮を背負った戦士として描くBGMと演出が来るなあ…。

因縁の相手として、ヤミーは後藤の変身したバースの零距離ブレストキャノン(!)に撃破され、アンク(ロスト)も激しい空中戦の末、ついに…自らの意思が宿ったコアメダルを破壊されて撃破…!!
てか、まさかグリード勢で、真っ先に(しかも、今までと違って確実に復活の余地なく)倒されるのがこいつだったとは…。これまでの、数々の不穏な行動とか言動とか、最終回あたりでとうとうカザリのコアメダル全てを吸収し、真木とプトティラのコアメダル(=ラスボスの座)を巡って争う…ぐらいのキャラにはなるんじゃないかと思ってたんですが。
むしろ、これでアンクのコアメダルは完全な数が揃うことがなくなってしまった訳で…またラストに向けて、アンクの動向で盛り上げてくるなあ。

プトティラに変身したまま、理性と暴走との狭間に苦しむ映司の手を握り、映司の意思を繋ぎ止める比奈。ライダーの存続に関わる役割を担ったという意味では、平成ライダーでは稀有なヒロイン像であります。
そして、視聴者の期待に応えて復活するアンクながら、にっこり微笑んで泉刑事の元に…この後の展開が容易に予想できるのがどうしたもんか(汗)。
次回、予告の限りまたまたウヴァ復活! うん、きっと今回も地道な努力を重ねてコアメダル1枚からのし上がってきたんだろうなあ…ここまで来たら最終回まで生き残ってほしいわマヂで。

仮面ライダーオーズ/OOO 第41話「兄妹と救出と映司去る」

 2011-07-10
欲に吸い込まれた欲望。
欲の残した希望は復活の願い。
欲から開放された者が得るべきは…平穏。

アンク(ロスト)に吸収されてしまうという、ドラスに吸収されてしまった仮面ライダーZO同様に最大の危機に陥るアンク。劇中久々登場を果たしたオーメダルホルダーを素早く隠したり、完全に吸収されないため比奈に自分のコアメダル1枚を託したりと、このしぶとさと生き汚なさは流石のアンクさん。
この危機のさなか、唯一変身できる姿としてプトティラに変身する映司ながら、さんざグリードが手を焼いてきたはずのプトティラをアンク(ロスト)が翻弄するのは、元々のグリードとしてのアンクの実力?

アンクが抜けて覚醒を果たした比奈の兄、泉刑事ながら、改めて、同じ人間が演じているとは思えないぐらいキャラが変わるわなあ(苦笑)。
アンクに身体を貸しつつ、大体の事情は判っていた泉刑事、自らオーズとの共闘を宣言。まずはコンボチェンジの特訓だ! ホルダーからのメダル選択がやたら冷静というか、メダル選別より先にまずはメダル投げの特訓のほうが先だろうというか、毎回すかさずメダルを投じていたアンクがいかに迷いのないキャラとして、身体は共有しつつもまったく個性の異なる二人って描き方が判りやすいわ。
あと何気に、特訓の上とはいえ派生フォームの登場回数も過去最高?

ドタバタな特訓を経てすっかり打ち解ける映司と泉刑事ながら、映司からすれば、もう泉刑事と比奈はメダルにもグリードにも関わる必要のなくなった存在…。仲むつまじい兄妹の晩餐に招待されつつ、居心地の悪そうな映司がなんだかな。
なんだかんだで映司とアンクのコンビが上手くいってたのは、互いにひとりでいた者同士としての連帯感的な関係が上手くいってたからなのか(住所不定の家出ニートと孤高のグリードという立場の違いはあるけど)。
泉兄妹が解放された以上、もはやアンクの存在も必要もなくなったはずであろうと、アンクを救うために決意してひとり戦場に向かう映司。同行を申し出る後藤のかっこよさと頼りがいがどうしたこと!? 今の後藤は、ヒーロー覚醒した後期名護さんに追いつくぐらいかっこよくなってるよ!

アンク(ロスト)の元を目指す映司と後藤ながら、その前に立ち塞がる、なんかトカゲロンみたいな真木の生み出した恐竜系ヤミー(アンキロザウルス?)。嗚呼、戦力変更がメダル装填という、サポーターの存在が必要不可欠なライダー二人の弱点がモロに露呈というか…。メダル交換に手間取ってはいちいち吹っ飛ばされるオーズがやたら危なっかしいわ。
バースの援護を受け改めてアンク(ロスト)の元に走る映司ながら、その前に立ち塞がるのは…今や映司と分身同士という関係とも言える真木! 共に体内にプトティラのメダルを持つ者同士として、いよいよ対峙の時が訪れたというか…。こうなると真木自身がグリードに変身するのもそうそう遠くないよなあ。
アンク消滅の危機といい、最終展開に向けてやたら盛り上がってきた。

仮面ライダーオーズ/OOO 第40話「支配と誕生会と消えるアンク」

 2011-07-03
同じ欲望の渦から分かれた、ふたつの欲の塊。
どちらが本物に下もどちらがまがい物にしても、
勝つのはよりしたたかな方――。

カザリもすっかり認めるほどに“アンク”として成長を続けるアンク(ロスト)。ぶっちゃけるとただでさえ詰めの部分で多々アンクに出し抜かれてきたカザリとして、このまま成長させるのが自身にとっての危険行為と判っていそうなもんなんですけど。この辺やっぱり、アンク(ロスト)を抑える切り札はしっかり所持してるんですかね?

前回の泉刑事の負傷を受け、アンクの前で取り乱し、アンク自身がその身体に戻ることを躊躇する態度を見せてしまう映司。嗚呼…アンクにとっての現状最大の拠り所がオーズの存在なだけに、こんな態度されちゃそりゃ今回、アンクも終始不機嫌になるわ。
その映司とアンクに容赦なく迫られる、警察をも支配下に置いた花のつみきみほ組からの町内からの退去勧告。まあこの二人の場合、最初から金なし寝倉なしメダルなしのないない尽くしから始まったことを思えば、二人揃っての熟生活に戻った映司の「最初に戻ったみたいだな」の弁もちょっと感慨。

映司に対しても比奈に対しても強がる態度を見せる一方で焦燥感を募らせているアンクと、二人のために怒り、つみきみほ配下の警官をぶっ飛ばしたことでクスクシエ営業停止に追い込まれた知世子さん、気にすることなく河原にてアンクの誕生会パーティー開催。四人で、河原での野外パーティーというちょっと寂しいはずの風景が充分に暖かな画として映るのは、このメンバーが家族同然に過ごしてきた時間ゆえ…なんですかね?

警察に親宅をがっちりガードさせたまま、花のつみきみほ組に篭城するヤミーを誘い出すため、カンドロイドによる町中の監視カメラ破壊作戦開始。うん時期的に、カンドロイドが大挙して画面に映るのもひょっとして今回で最後?
やはりというかまんまと表にしゃしゃり出てきたヤミーは、今回もオーズとバースの協力体制と(里中の早急出動を促すための後藤の努力が涙ぐましいよ…)久々登場のラトラーターで撃破。頼むから、最終回までにラトラーターの愛車トライドベンダーにももう一花咲かせてやってください。
戦い終わってクスクシエも営業再開、アンクも比奈からのバースデープレゼントをぶっきらぼうながらも受け取り、日常が戻ってきたと思いきやのまさかの急展開――!
うわぁ…アンクと映司たちの関係が改めて掘り下げられたエピソードの締めとしてこれはキツい…。こういう展開が来ると、本当に番組が残り2ヶ月切ったのだなあとしみじみ。

仮面ライダーオーズ/OOO 第39話「悪夢と監視カメラとアンクの逆襲」

 2011-07-03
誰かの欲望のために誰かが傷つく。
自分の欲望のために他者を呑み込む。
そして、欲を果たすにはリスクが付きまとう。

のっけからのアンクのあまりに弱気でもある悪夢は、それほどまでにプトティラの力を得た映司に対して内心脅威を覚えているのか、もうひとりの自分――アンク(ロスト)に対しての不利を悟っているのか。あるいは、自分自身が既に泉刑事の身体に不要な存在であることへの動揺か??
なんにしろ現状は決してアンクにとって明るいものじゃないからなあ…。まがりなりにも映司とのコンビを続けるとして、やっぱりアンクの行く末が終盤の焦点になるかなあ。
アンク自身に関わりのないところながら、実は泉刑事の誕生日として知世子さん中心に急遽開催予定が組まれることとなるアンクの誕生日パーティー。このイベントがまたアンクにとっての切ない展開になるんじゃないかという感慨よりも、うわハッピーバースデーと言えばこの番組で一番うるさい人がいるじゃないかという不安が…。

一方アンク(ロスト)のほうは、頭脳面では物凄い勢いで進化中。つか本当に真木の存在を脅かしかけてないか? 今回、自分の身体の一部であるアンクを取り込むべく、自らヤミーを生み出し行動開始。
折しもクスクシエのある町の新たな町内会長、元一世風靡セピアのメンバーにして「レスキューフォース」「レスキューファイアー」で2年越しで佐伯整備主任を演じた春海四方氏、腰は低いが有無を言わさぬ盗撮魔として暗躍開始。この文字通りの怪演がなんともオーズ世界にハマりすぎというか、ステテコ姿似合うなあ(笑)。

もはや町の治安というよりまさに盗撮趣味の一環として、自身の気に触る町の住民達をことごとくヤミーに襲わせる春海四方。
映司とアンク出動ながら、一方、正式に二代目バースとして服装をワイルドにイメチェンした後藤は、新たな相棒里中にゴリ缶の電源切られてヤミー出現を知らず出動できず(汗)。いやあ、伊達といいことごとくマイペースな人間に振り回されるのが後藤の運命なのね。
春海四方が設置した街中の監視カメラを塞いで歩く知世子さんがなんてアクティヴというか、その知世子さんにまで狙いを定めてくるヤミー。今回のヤミーはムエタイの使い手というか、なんかヤミーってギャグ的な要素がだんだん強くなってきてるような…。まあ序盤にもデブ猫のヤミーとかいましたけど。
とりあえずマイペースな里中をほっといて駆けつける後藤というか、リストバンドから変身用のセルメダルを抜き取る動作がやたらかっこええ。嗚呼、この格好が後藤自身にとっての自らの理想としたヒーローのスタイルだったのだなあとしみじみ。マニュアルを読み込んでいた分伊達バースよりも武器を効率的に使うあたりが後藤バースの特徴というか、番組後半になって改めてのバース関連アイテムの販促来たよー(笑)。武器用のセルメダル補充の隙がどうしても弱点となってしまうバースというか、戦闘服(!?)に着替えを完了して駆けつけた里中の助力で形成逆転。サポーターの存在あってのバースというのはしっかり見せ切ったというか、しかし後藤ですらその習得に手間取ったバースバスターをあっさり使いこなしてみせるあたり…。以前やっぱり見せた戦闘力の披露といい、本当に里中さん何者!??

善戦空しくプトティラの必殺技をもかわして逃げるヤミーながら、その親と思われていた春海四方はほんとうにただの盗撮魔に過ぎず、本当の親は、支配欲を膨張させてしまっていたその若妻つみきみほ…! うわ風に逆らうほど馬鹿じゃなくて風に流されるほどヤワじゃない人じゃないか(ただし劇場版)! 自分はどっちかというとTVドラマ版の小高恵美のほうが印象深いんですが…。「花のあすか組」からキャステイングだなんて、スタッフの中に絶対ファン世代だった人間がおる!
そして今回、戦闘のさなか、アンクが離れた隙に巻き込まれて負傷してしまう泉刑事の身体。ここで映司が改めて考え込むこととなってしまう、アンクが泉刑事の身体に取り付いてしまっている危険性…。比奈の映司に対する不安感の告白といい、本当に終盤に向けて、アンクの立ち居地が話の中心になってきてるわなあ。

仮面ライダーオーズ/OOO 第38話「事情と別れと涙のバース」

 2011-06-12
その欲望の価値、7万8千円也。
足りない欲望は純然たる願いで埋める。
恩師のために、命懸けで“仮面ライダー”の名を引き継ぐ!

伊達退場編。伊達の願った1億円の使い道は、自分の死後でも継続される医療支援…のためと言うより、あくまで自らがその医療支援の場に立ち続けるための、自身の手術費用のため。「俺、最初から欲望まみれなんだわ」という伊達の自嘲ながらも、むしろ目的がこのためだったというほうが番組の空気には合っていたなあというのが正直なところ。
宇梶剛士がやたらと伊達を買っていたのは、目的はどうあれ「自分の欲望を満たす」という強固な意志あってのことだよなあ。伊達に対しての、裏切った振りをしてでも真木をグリードにさせるなという命も、自身の理想に似通った伊達への信頼ゆえとやたら納得しちまったい。

自らの「夢」のために「欲望」を露に行動してきた伊達。
「夢」など人間が勝手に「欲望」を言い換えただけのものと言い切るアンク。
ある意味今回、毛利亘宏脚本によるユニコーンヤミー回と別のアプローチで「夢」と「欲」の紙一重さを描いたエピソードになり得たのかも…。この「夢」と「欲」については、やっぱり番組終了間際で問われるテーマになりますかね。

真木と正反対のタイプとして、傍若無人に真木と行動を共にしつつ真木のことは気に入ってた伊達と、その伊達と最終的には袂を分かつこととなるのをどこか残念そうな真木。
道が違わなければこの二人、最後まで視聴者を賑やかす凸凹コンビであれたのかも知れないんだなあ。真木を説得できるのは伊達をおいて他にいないという宇梶の判断は正しいながらも、もう、姉の未来を自ら手掛けた時点で…人の道から外れてしまっていた真木。
むしろこの二人の関係が完全に途切れてしまったことが、今回一番寂しい展開ではあります。

ギリギリの局面で裏切りを装っていた目的を明かし、真木に最後の説得を試みる伊達ながらも、人道を外れていた真木には最初から伊達の言葉は届いていなかった…。待ち構えていたグリードの一斉攻撃を受け、倒れるバースながら…その伊達の想いを、ベルトと共に受け継ぐ後藤――!
後藤、新たにバースに変身!

さんざグリードは相性が悪いと描写されてきたはずのバースが、後藤が変身した途端にグリードを圧倒しているのは…いやこれは、本来のバースのスペックとしてグリードにも充分対抗できていたのを、バース登場序盤での苦戦もあいまって伊達が勝手に思い込んでいただけと脳内補完(そもそも、自爆装置の存在含めてマニュアル読んでなかったし/苦笑)。
さらについでに言えば…伊達にさんざ人間としても磨かれてきた、後藤自身の成長した強さとも思えば感無量ですわなあ。

退職に当たっての、後藤養成の謝礼も含めて退職金5千万。さらに真木から受け取っていた前金5千万も含めて伊達、しっかり自らの欲望――目標であった1億円を達成。宇梶剛士も惜しみなく賞賛というか、ホント我がことのように嬉しそうだな(笑)。
海外にて手術を受けるために旅立つ伊達と、その伊達と直接別れを告げず、再会を願って飛行機を見送る後藤。ええこの二人の再会は視聴者として望むところ。
伊達の陽性のキャラもあって、このコンビが斬鬼さん轟鬼さんコンビの二の徹を踏まなくてホントに良かった…。もちろん伊達には、約束したとおり映司を迎えに、番組終了間際にでも元気に帰ってきてほしいもんです。
ところで伊達は、もちろん「グリードのアジトは真木の実家だよ」って言ってから日本を発ったんだよな?

あと今回、グリード側の動きとしても…分身として“アンク”の自我を徐々に露にしてくるアンク(ロスト)。もし、このまま真木のラスボス化を阻む存在が現れるとしたらこいつなのかもなあ。
次回、伊達(石黒隊長)に続いてレスキューフォースから新たに…。ええシリーズ2年に渡ってのそのご尊顔は忘れようがないですよ。佐伯整備主任こと春海四方氏じゃないですか。うん今後もレスキューフォース関係者の特撮番組登場は凄く期待。

仮面ライダーオーズ/OOO 第37話「眠りと1億とバース転職」

 2011-06-05
その願いの価値、1億円也。
願いを叶えるためには時間がかかる。
残された時間のために、命懸けの願いを欲へと変える。

ついに映司たちがその病状を知ることとなったり、もはやこれでもかと退場フラグを打ち立てまくる伊達。嗚呼、やっぱり後藤とのバース交代の日が本当に近付いてきたとしか…。本当に番組終盤のバースは後藤が二代目として活躍するとしても、バース=伊達ってイメージは最後まで覆りそうにないなあ。

新たに勢力に加わることとなったメズールとガメルを前に、勢力の統一という当面の目的を宣言する真木(黒い布がその背後にバサっと降りていくという演出が、もはや真木自身が限りなくグリードに近い存在化していることを如実に示しているというか)。
まあウヴァという敵対分子が消えた消えた以上、もはや他にメダルを奪い合う勢力の存在は必要ないというか、この辺の合理主義は真木ならではの思考。
そしてメズールが、ウヴァ同様に裏切り者としてまったく信頼に値しないカザリと行動を共にするのはコアメダルのため。復活し、最初に生み出すヤミーがガメルとの共同作業による合成怪人というあたり、カザリとはまた異なる合成怪人生成の描写に、改めて別属性同士のグリード(コアメダル)が結びつくことの可能性を示したとも。

ウニとアルマジロという判りやすい合成怪人(今回のヤミーはやたら饒舌)が無差別に人間たちに放った針により、眠りたいのに眠れないという睡眠欲を溜め込まされる人々。もはやアンク抜きでもヤミーの存在を感知できるようになった映司というか、アルマジロ属性怪人の固さに苦戦するライダーってのもこれまたシリーズの不文律。これで今回のヤミー、硬くてトゲトゲのボールに身体を丸めて突撃したりしたら、由緒正しい昭和からのアルマジロ系怪人として認識されるものを。
バースに変身し加勢しようとする伊達と、その伊達の身を案じ変身を止めようとする後藤。その結果がもたらすものは、1億稼ぐという自分の目的の邪魔となる後藤とのコンビ解消宣言…。

映司たちが伊達の友人の医者の話から予想する1億の使い道は紛争地帯の国への医療支援…というのは、伊達の経歴が明らかになったあたりが大方の視聴者が予想していたこと。ああ、こりゃ明らかに番組からのその安易な予想を裏切るためのミスリード。こうなると1億の使い道がまた予想がつかなくなってくるというか。
そしてその伊達に、伊達自身の残り少ない時間を盾に、報酬1億で自分の勢力に加わることを提案してくる真木。

仮面ライダーバース、グリードと共に並びオーズの前に立ち塞がる。ある意味衝撃的な展開でありつつ、そこまでのことをしなければならない伊達の覚悟が半端なさすぎだわなあ。
予告の段階で、とうとうバースドライバーを手にする後藤…。後藤の成長劇という物語の横軸(小林靖子脚本のヒーロー番組って、大抵の場合「成長」のドラマを担うのが脇役キャラ)の結実として感無量な画ではあれど、嗚呼、ついに、視聴者として決して願ってはいなかった瞬間を目の当たりにする日が来るか…!?

仮面ライダーオーズ/OOO 第36話「壊れた夢と身体とグリード復活」

 2011-05-29
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純粋な夢は理想にして意欲。
理想は時間と共に育てるもの。
意欲は自分の努力を捨てないこと――。

ウヴァが地道に集めてきた大量のセルメダルを身体に、遂に復活を成し遂げるメズールとガメルながら、あっさり裏切られて四散するウヴァさん哀れ。まあ、メズールを裏切った過去がある以上はそのツケを支払わされたというか…。メズールはメズールで、黙ってカザリと同盟組んだままでいるとも思えんしね。
地道な努力をパーにされコアメダル状態からの裸一貫、ウヴァがまた今後いかに地道な努力の末にリベンジ計るか、なんかグリード側のドラマも面白み増して来た。まあ最大の興味はカザリ無残に死なねーかなーなんですけど(卑笑)。

僅かながらも意識を取り戻し、その身体に回復の兆しが見られる比奈の兄と、何故かその身体に戻ることを躊躇しひとり彷徨うアンク。雨の街中をふらふらと彷徨うあたり、腕1本の演技なのにこの切なさが何たること。そして兄の看病のためという言葉の傍ら、ユニコーンヤミーに自らの夢を破壊され、海外修行の話を断ったばかりか自身の生きる意欲すらも失っていく比奈…!
夢を失った比奈の姿に一番ショックを受けるのは、比奈のライバルにして、コンクールで比奈に破れ夢を捨てなければならなくなった比奈の友達。そんな彼女に対する映司の言葉は、夢を叶えるためには時間がかかるということ。その下地作りのための準備も、家族の説得も含めて。

今回、映司の夢を吸収しようとしてその地球的スケールを前にユニコーンヤミーがあきらめるという描写がありましたけど(なんというウイングマンのバクプラス)、映司もまた、自分の大きすぎる夢に焦り失敗した苦渋の持ち主。「焦ったら夢がただの欲望になる」の言は、夢を純粋な理想に昇華させるための自己研鑽を促す言葉なんですけど…今回もやっぱり「欲」という字を「意欲」というプラスの意味に反転させてはくれないのね。
人が生きるためのエネルギーとしての「欲望」を番組テーマとしつつ、実は番組が「欲」という字に対しアレルギーっぽく否定的になってしまっている…とも取れるんだわなあ。
今回、端的に「時間をかけるのが夢、性急に成し遂げようとするのが欲」って言ってるような内容とも取れるし…。「夢」と「欲」の対比が、純粋か薄汚いかでバッサリ分けちゃうのも、それはそれで番組テーマ否定にもなりかねないんですけど。

再び現れたユニコーンヤミーに立ち向かうオーズ、バースと(前後に並んだ、立体図を意識した立ち位置によるダブル変身がやたらカコエエ)、復活したメズール・ガメルを引き連れ乱入してくるウヴァ。強敵ヤミーにグリード3人という危機的状況を前に、プトティラを敢行するオーズ。今回、最後までプトティラが暴走することなく意識を保ったまま戦えたのは、映司自身がプトティラの力を御するのに慣れてきたのか体内のプトティラメダルとの一体化が進行してきたのか…?

腕だけの状態でまたもウヴァたちに襲われ、再び比奈の兄の身体に戻ることとなるアンクと、アンクがまたしばらく兄の身体を借りることを許可する比奈(まあアンクが取り付いたことで、結果的に兄の身体が快方に向かっていたというのもあるんでしょうけど)。そして、ついに伊達の病状を知ることとなる後藤…。
今回本人の口から「夢」という言葉で語られることとなった1億円かかるという伊達の目標。予告での衝撃展開からして、そろそろその伊達の夢も明かされそうではあるなあ…伊達退場展開と共に(泣)。後藤の「死なないでください」はもはや視聴者の相違。
新たに組織されるグリードの編成、比奈の兄の身体に戻ることを躊躇したアンクの心理的変化、そしてバース組の顛末と…、いよいよ番組が終盤に向かい始めてきたな。

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仮面ライダーオーズ/OOO 第35話「夢と兄とバースの秘密」

 2011-05-22
「夢を手に入れたい」その願望に問う。
夢と自らを取り巻く現実そのどちらを取るか?
夢を叶えたい思いは願いか欲か?

↑以上、毛利亘宏脚本回専用冒頭句。「正義」や「友情」というポジティヴなワードさえも、欲望と表裏一体であることを描いてきた毛利亘宏、今回のテーマはズバリ「夢」。
あと、テーマ以外にもアンクと伊達の変調とかウヴァによって復活を果たされようとしているメズール、ガメルとか、何気に本編も大きく話が動き出しているわなあ。

劇中、忘れられがちだったけど服飾デザイナー目指して専門学校に通っていた比奈、映司をモデルに起用し見事コンテスト優勝。彼女自身の夢が叶ったともいえる瞬間に立会い、思わずアンクの口から漏れるらしからぬ祝福の言葉は、その身体の宿主である比奈の兄の覚醒の兆し?
別にレジェンド大戦参加メンバーって訳でもないけど、元特捜エクシードラフト:ドラフトレッダーこと円谷作品の“いつもの人”(苦笑)、影丸茂樹有名デザイナーの誘いを受けての海外修行のチャンスを得つつも、兄の身を案じて渡航に踏み切れない比奈と、比奈の夢が叶った傍ら、準優勝という決して劣らない栄誉を手にしつつ、家族との約束からその夢を捨てなければならない比奈のライバル。
まあ確かに、アンクに乗っ取られた兄のことがあって夢の成就を素直に喜べないという事情はあるにせよ、比奈の優勝の影に、個々の事情を抱え涙を呑んだ他の参加者の存在があるという当然の事実。夢が叶った人間がその希望を全うするのは、同じ夢を見ていて叶わなかった者たちに対する責任でもあって…。比奈の立場がともすれば身勝手にも映る話が辛いなあ。

アンク(ロスト)、真木と組んだことで勢力を拡大する一方のカザリと、大量のセルメダルを得つつもジリ貧の立場から脱するためメズールとガメルの復活を企てるウヴァ。グリードたちのまとめ役として、復活した際メズールが現状のカザリに対して危機感を抱くのは当然として、実のところ同族より私欲を優先するという意味では同じ穴のムジナであるウヴァに素直に味方するというのも考えにくいしなあ…(一度、人間の姿に弱体化したままウヴァに襲われてるし…メダル強奪的な意味で)。
現状をイーブンにするどころか、新たな敵を生み出すことにもなりかねないウヴァの決意、吉と出るか凶と出るか?

今回、紫のメダルを取り込みグリード化している真木から生み出される新たなヤミーは、幻獣種であるユニコーンヤミー。比奈のライバルが、失意から捨てたコンクール準優勝のトロフィーへのメダル投入から生まれるヤミーというか、ヤミーを“人間”を苗床でなく、無機物に残った“欲望(願望)の残滓”から生み出せるというのは、紫のメダルだけが持つ能力?
あと何の前触れもなく戦闘中に変調をきたし、あっさり宇梶剛士の口から不治の病であることが明かされてしまった伊達。うわ想定の範疇だったとはいえ、明確な死亡フラグ来ちゃったよー(大泣)! あまり考えたくないけど、伊達最後の戦いは真木との決着という形に至ったりしますかね?

人間の“夢(願望)”をことごとく破壊し尽くすユニコーンヤミーの前に立ち塞がるオーズとバース。プトティラコンボ専用武器のはずでありつつ、実は他のコンボでも使用できるメダガブリュー。玩具がコアメダルに絡まない仕様とはいえそんなに売れ行き悪いんですかい(笑)? ウヴァ、カザリが入り乱れて、コアメダルの壮絶な争奪戦が繰り広げられるさなか、ユニコーンヤミーに自らの…“夢”を砕かれてしまう比奈と、アンクが分離した際、その意識を覚醒させる比奈の兄。
まあ物語も終盤突入そろそろというタイミングとして、いよいよ話が大きく動いてきましたですな。次回、むしろ伊達の秘密を知ることになるであろう後藤のリアクションのほうが気がかりだったり。

仮面ライダーバース テーマソング Reverse/Re:birth仮面ライダーバース テーマソング Reverse/Re:birth
(2011/07/27)
伊達 明&後藤慎太郎(C.V.岩永洋昭&君嶋麻耶)

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仮面ライダーオーズ/OOO 第34話「親友と利用とその関係」

 2011-05-21
その友情は自らの欲か誰かと共にありたい願いか?
過去の友情に勝る現在の利害関係、
その信頼は、何者も立ち入れないほどの――、

伊達・後藤の師弟コンビが誘拐され、なおも続くレジャーランドでの危機。アンクに問い詰められ比奈誘拐と自分の欲望をゲロする北村ながら、それをあっさり当の映司にバラすアンクさん容赦ねえ!
咄嗟に比奈に対して北村を庇う映司というのは、事態が収まっていない以上この場を混乱させない上ではいい判断ながら(アンクは基本そういう空気は読まないどころか無視する)、単に打算よりも元来のお人よしが発動しただけだわなあ。
何気な言動ひとつで明白になる、映司が基本他人に利用されてしまう側の人間という冷酷さ。

一方伊達と後藤は、腐の皆様方泣いて喜ぶダブル緊縛監禁。バースに変身して危機を脱するチャンスがあったにもかかわらず、それを躊躇してしまったことを詫びる後藤と、その身の丈を超える力を手にすることに対する後藤の躊躇が間違ってなかったことを励ます伊達。そして、もう後藤ならばバースに変身しても大丈夫という言葉は、共に二人三脚で戦ってきた後藤に対する最大の賛辞。
嗚呼…なにげに伊達の退場フラグがまた立ってるのが辛すぎる。如何なる形であれ、必ずや描かれるであろう後藤の精神的支柱である伊達からのひとり立ちのシチュエーションには、このコンビが気に入ってる視聴者としてはこみ上げてしまうんだろうなあ(泣)。

今回のカザリの標的は、実のところは最初からアンク。伊達と後藤の救出には成功したものの入れ替わるように拉致されるアンクと、やむなく映司に協力しつつ、映司が非道に過ぎるアンクを救おうとする気持ちが理解できない北村。
北村にとって映司は、誰の手も拒絶しひとり苦しみもがいていた学生時代の自分に手を差し伸べてくれた恩人にして、世界を変えられる力を秘めているであろう憧憬の相手。だけど、映司自身の胸中は…高校卒業後の苦渋の経歴が示すとおり、世界を変えようとして打ちのめされ、自らの手が届く距離までしか他者を救えないという現実と挫折感が渦巻く、決して北村に慕われる資格があるとは言えない――敗残者としてのコンプレックス。
そして、そんな映司にとってアンクは、誰かに伸ばすための自らの手に、文字通りの“手助け”をくれる存在。
いつもの、お人よしとしての他者の危機に手を差し伸べずにいられないという思い以上に――アンクを利用すべき存在という、自らの、決して奇麗事ではない本音をぶちまける映司。

自分の手が届く範囲まででも、他者を救うことで自分の存在意義を見つけたい映司。アンクとの利害関係は、そんな映司の脆さと――欲望を支えているもの。ヤミーの親になったどころではない、グリード本人と組んだことで成されているともいえる映司の欲。そしてアンクにとっても、自らの完璧な身体を取り戻すために決して手放すわけには行かない、お人よしの馬鹿ながら、オーズとして果敢にヤミーに立ち向かっていく映司の存在。
この命懸けの利害関係を示す図としての、プトティラの暴走の刃を身体を張って受け止めるアンクという凄絶なる画…! 北村を打ちのめす、“互いが互いを信頼し、支え合って完成”している…自らが欲して得ることのできなかったものそのものの様。

自分を必要とする限り、アンクなら必ず暴走した自分を止めるという“信頼”ゆえにプトティラに変身した映司。
映司は決して自分を殺さない、そのグリードにあるまじき“信頼”ゆえに暴走するプトティラの刃の前に立ったアンク。
今回のテーマ「友情」を描き切る上で、改めて問われる映司とアンクの関係というか、利害と信頼のタイトロープをギリギリで行ってるはずの二人の関係が(言うまでもなく、アンクの欲望の成就…完全体グリード化=オーズとアンクの敵対化が成り立ってしまうわけで)、こうも視聴者にとって見ていて安心できる関係に落ち着いているのは…後に来るであろう“この二人の関係の大きな変化”を盛り上げるためと希望的観測。
映司、アンク共に、相手のために自己犠牲の選択が迫られるシチュエーションはかならずあり得るしなあ。

次回、予告の限りまた話が大きく動きそうというか…サブタイからしてついに伊達の目標1億の謎が語られるか?

仮面ライダーオーズ/OOO 第33話「友情と暴走と残されたベルト」

 2011-05-08
「友達でありたい」その願望に問う。
その偽りの関係構築は友情の姿か?
友情を築きたい思いは願いか欲か?

今回脚本、毛利亘宏は以前「正義」をテーマに親子とバッタヤミーの回を書いた人。それだけに、今回のテーマが「友情」というのがやたら判りやすいわなあ。
今回も相変わらず使いまわされ暴れるプテラノドンヤミー。そのうち毎週、腕の武器だけトンカチとかノコギリとかバットとかに変えて出てくるようになるな。プトティラコンボで撃破するもののやっぱり暴走騒ぎを起こすオーズ。暴走したオーズの相手にカザリをぶつけるあたりの後藤の頭脳プレーが光ってるというか、映司の体内から現出する紫のメダルを横からかっぱらおうとして見事にメダルの力に弾き飛ばされるアンク。
今までの描き方からして、紫のコアメダルがこれまでのメダルと徹底的に異色の存在というか、しばらくは毎度毎度映司が暴走→侵食されていく様が描かれていきそうって不安もあるなあ…。

今回も伊達と後藤の世話になって自室に戻る映司というか、知世子さんが突然部屋のドアを開けての、男三人ひとつのベッドでウホッ状態。知世子さんには慌ててエロ本かエロDVD隠したとか絶対思われただろうなあ。その知世子さんが映司の元に届ける、高校時代の親友(自称)からの手紙。そして、その手紙の送り主こそ今回のテーマを描く対称にして、ヤミーの親。
映司たちを自らの経営する遊園地に招待した自称映司の親友・北村は、引きこもりだった高校時代に映司にノートを届けてもらったりと世話になった身ながら、自分がそんな善意の手を差し伸べていたことはほとんど忘れていた映司。プトティラになったことによる記憶障害とかって伏線も描写もないんで本気で忘れていただけなんだろうけど(一応、旧交を温めあう描写があってほっとしたよ…)、自分に降りかかった悪意・他人に施した善意は忘れないのが人間の身勝手な業として、自分の行った善意を忘れているあたりは基本映司の坊ちゃん育ちゆえというか。

比奈の偽装誘拐騒ぎを起こしたり、自分と映司の関係にとって邪魔なアンクを排除しようとしたりと、今回を見る限り北村の欲望って、映司と頼り頼られる友情を構築したいということなんだろうけど(映司に礼を言われる度、積みあがっていくメダルという描写からして)、それにしては金持ちの癖に事前に映司の現在の人間関係と置かれた環境の把握を怠ってたりとか、なんとも詰めが甘わなあ。
北村の欲望につけ込み、北村を親にヤミーを誕生させる分身アンク=雑誌等媒体表記によるとアンク(ロスト)と、その北村から誕生した鳥系ヤミーを前に、バースドライバーを落としたまま捕らわれてしまうという危機に陥る伊達。
バースがいなければ、映司がプトティラとなり暴走しても誰も止めることは出来ない…! 伊達という主を失ったバースドライバーを手にしつつ、自らが代わりにバースに変身することを躊躇してしまう後藤と、その後藤をも捕らえ連れ去ってしまう今回のヤミー。

アンク不在のさなかのヤミー出現に際し、やむなくアンク不在でも唯一変身できる姿としてプトティラになろうとする映司と、その映司の元に駆けつけサゴーゾのメダルを投げ放つアンク。何気なサゴーゾコンボ登場も久々というか、そろそろまたガタキリバとラトラーターの勇姿も拝みたいなあ…。両コンボとも、去年の暮れ以来テレビで見てないって気もするんですが記憶違い? 以前はひっきりなしにウヴァとカザリからメダルを取ったり取られたりだったのにな。
今回、映司と北村のドラマと別にクローズアップされる、伊達不在での後藤の葛藤というか。嗚呼…本当にそろそろ伊達の目標1億の理由と、バース装着者の交代劇とか描かれちゃうかなあ…。斬鬼さん轟鬼さんを髣髴とさせるベストコンビとして、伊達にはバース引退後もぜひ斬鬼さん同様新バースとしての後藤をサポートしてくれる役回りを熱望したいもんですが。
あと、何気に招待された遊園地で人一倍はしゃいでる伊達(笑)。こういうあたりの好漢ぶりからして、途中退場の路線は辿ってほしくないなあ。

仮面ライダーオーズ/OOO 第32話「新グリードと空白と無敵のコンボ」

 2011-05-01
飛び散る幻のメダルと、
紐解き明かされる私欲なき戦士のルーツ。
その過去の傷が築いた空白に、欲望の礎たるメダルが忍び込む。

これまで明かされていた映司の過去の辛酸と共に、新たに語られることとなる無欲のルーツ。政治家一族の息子だったという設定は、これが序盤からの設定とすれば(まあファイズといい、番組中途で明らかになる主人公のルーツは大抵最初から設定されてたんでしょうけど)、井上敏樹が冬の劇場版で描いた世間知らずのお人よし的な映司像にもなんとなく納得だわなあ。
内戦の国に資金援助をしつつ、その金を軍事資金に使われ、直接赴いた国にて目前で少女の爆死を目の当たりにし…その悲痛な体験さえも美談として家族に利用されていた。そりゃまあ家族と袂を分かってのプー太郎生活も当然というか、かつて映司を直接治療した伊達が、それだけの印象深い出来事に遭遇しつつ映司のことを「こいつとどこかで会ったことがある」とまで忘れていたのは、伊達にとっても苦々しい出来事としてさっさと忘れられていたってことですかね。

「人を助けるのは、自分の手が届く範囲まで」、「手が届くのに伸ばさなかったら死ぬほど後悔する、それが嫌だから手を伸ばす」。
自分の理想の限界を知るからこそ、限界の範囲内で最善を尽くす。ただ、その過去の後悔ゆえに自らを省みないことも映司の若さというか。

紫のメダル出現に呼応するように、劇場版でも暴れまわったプテラノドンヤミー、無差別テロを巻き起こしつつ出現。「全てを無に返す」という欲望から次々と人間を大量抹殺(!)するプテラノドンヤミーから逃げ惑う人々を救おうと無謀に駆け出そうとする映司を制止する伊達。
医者として、他人を助けるためにはまず自分を守らなければならないという伊達の言葉。毎度毎度のことながら、伊達役岩永洋昭がかつて「レスキューフォース」R5:石黒隊長役だったというのもあって、それは「人を救いたければ、自分が強くならなければならない」という重みある言葉でもあるんだけれど、手が届く範囲にいる人が危険に晒されている、この事実を目前に猪突猛進になってしまう映司は止まることができない。
紫のコアメダルから生まれたプテラノドンヤミーの、劇場版になかった能力としての既存コアメダルの無力化。否がおうにもプトティラでなければ恐竜系ヤミーに太刀打ちできないという下地が築かれてるなあ。

今回、割とトピックとして、番組開始以来はじめてクスクシエを自ら訪れる宇梶剛士。ってもまあ今回の役目は映司の体内に入った紫――恐竜系コアメダルの解説役。真木はメダルが“器”としてのオーズに惹かれたと解釈し、そして宇梶はさらに、映司の失われた私欲その空白にメダルが入り込んだという。そして、欲望の空白が埋まれば、暴走の危険は高くなる…。
映司がもし、欲望にまみれてしまえば体内に入り込んだメダルが暴走を引き起こす…。言葉の意味を直接受け取ればそういう事態になるんだけれど。さしものアンクさえも映司の身を心配する台詞を発するというあたり物語が重くなってきてるわなあ。

そして次は遊園地で大量殺戮を巻き起こすプテラノドンヤミーと、オーズ・バースに変身して立ち向かう映司と伊達。やはりプテラノドンヤミーの能力に苦戦し、そして、またも目前で…危機に晒される少女という過去のトラウマを呼び起こす光景…。その事態が呼び覚ます、映司の「手を伸ばしたい」という願い――欲望が体内から紫のメダルを出現させる。誰も見たことなきオーズ最強の姿、プトティラコンボ誕生!
翼、角、尻尾とこれでもかの恐竜アクションに、最強剣ならぬ最強斧・メダガブリューが変形したバズーカの一撃にて強敵プテラノドンヤミー撃破! なおも暴走し暴れようとするプトティラを止める比奈の説得というか、おお、比奈がなんだか初めてヒロインらしいヒロインっぽく活躍した気がする! いえ比奈だったら普通に抱きつくだけでプトティラ止められるような気もするんですが(汗)。

新たな力の獲得に伴う、決して求めぬリスク。映司と同じく体内に紫のメダルを取り込んだ真木の身に待つのは、カザリが面白がるところによると…人間のグリード化! いやさすがに二番煎じとしての「剣」エンドはないと思いたいけれど、今後も映司と真木の対比にて、グリード化の進行という緊張感を孕んだ展開が続くんだろうなあ…。
次回、これまた劇場版を引き継ぐ展開として、後藤ついにバースに!??

仮面ライダーオーズ/OOO 第31話「恩返しとたくらみと紫のメダル」

 2011-04-30
与えられたものを返そうという真摯な願いが、
10枚から1枚を外されそれを満たそうとする願望が、
新たな欲望となり誰も思わぬ波乱をもたらす。

今まで半ばギャグ要員だったのが、カザリと完全に手を組み鴻上ファウンデーションに反旗を翻すというどシリアスな事態をしでかした真木。もう伊達そして左腕のキヨちゃんと組んでのトリオ漫才も、1000回記念映画制作でのノリノリのショッカー幹部役という勇姿も見ることはできないのね(悲)。
その真木が、退職金代わりに宇梶剛士の元からギッてきた10枚の紫のメダル。そこから1枚を抜き取ることにより、メダルに芽生える“欠けたものを満たそうとする願望”…新たなグリードの誕生か!? って、冬の劇場版で既に暗躍していたらしいギルなる恐竜系グリードの存在はなかったことに…??

今回の事件の発端となるのは、カザリが派手に暴れてる間闇金を運営して地道にセルメダルを稼いでいたウヴァ(嗚呼、なんて涙を誘う地道にして堅実な稼ぎ方)と、そのウヴァ金融の元で何も知らずにメダル運びのバイトに勤しんでいたゲスト・歌舞伎役者二代目坂東巳之助。つかなんでこんなにチンピラ役が板についてんだよ。
巳之助がバイトに励んでいた理由は、かつて世話になった亡き恩師へのお礼のため、遺族に援助するために稼いでいた…とまでは不器用なチンピラ青年のちょっといい話なんだけれど、実際巳之助が恩師の家族にもたらしていたのは、見知らぬ人間からの援助に甘えての堕落と借金漬けの生活。自分が援助していた家族が、自分のバイト先の闇金から借金していて、その闇金のバイトで稼いだ金が家族の元へ流れて家族を堕落させ…という愚にもつかない金のループ。
“金”を裏テーマとした番組として、この唖然とする展開がなんとも辛辣な。

恩師への恩返しをという巳之助の思いは決して間違ってはなくて、ただ、その恩返しの方法がズレていたことを巳之助に諭す映司。“金”は物理的なる万能の“資”にして、人間を惑わせてしまう欲望の媒介。黙って金を渡すことは、渡した当人にとっては自己満足を満たす行為であっても、渡された相手にとっては当惑と誘惑の対象…。
こうした“金”に対する辛辣な描き方が、視聴者の子供さんにとっての小遣いの使い道に影響を与えることに繋がってほしいと願うばかり。

自らの経営する闇金の存在を映司とアンクに突き止められ、巳之助からヤミーを誕生させるウヴァ。巳之助のおかげで溜めたセルメダルにより、地道に肉体強化を果たしているウヴァというか、何故だろう、なんか今回はこいつの地道で堅実な努力を凄く応援したい気がする(苦笑)。
駆けつける伊達と後藤の小粋な会話が、なんともこいつらはこいつらでもういいコンビとして結実してますですよ。なにげにこのコンビの新戦力となるのは、真木が研究所に忘れていった新カンドロイド・トリケラカンドロイド。バースバスターのメダル補充に可愛く尻尾でメダルを弾いて活躍というか、いや真木が盗聴器でも仕掛けて行ったんじゃないかとかちったあ疑え。
オーズもタジャドルコンボにフォームチェンジし、久々に活躍のタジャスピナーによる決め技でヤミー撃破。そして、そのオーズの元に、視聴者に何の説明もなく飛来する…5枚の紫のメダル!
次回、いよいよ最強フォームことプトティラコンボ登場。ちなみに今回ドサクサでアンクのメダルが1枚ウヴァに取られてしまったため、当分タジャドルへのチェンジはありません(泣)。タトバコンボをベースとしたフォームとして、むしろプトティラよりよほどオーズの最高位コンボって気がしてたんだがなあ。

ところで今回、闇金の所長役西山浩司って、あのイモ欽トリオのワルオだった西山浩司??

仮面ライダーオーズ/OOO 第30話「王とパンダと炎の記憶」

 2011-04-17
未来に向かうは穢れ落ちていくこと。
そして誰も過去に戻ることは出来ない。
過去の美しさを現在のままで終わらせることは、欲求にあらず果すべき使命。

さすがに小林靖子脚本は一筋縄では行かなかった。電王の頃、感想書いててさんざミスリードさせられたけど、今回もまた視聴者の安易な感情移入など許さない脚本が冷徹にして凄絶。
さんざ視聴者に対して、真木の人間性の描写として描かれていた姉との記憶は、あくまで過去の一番美しい記憶。姉が結婚を機に自分から冷たく遠ざかっていくにつれ、その姉との日々を最も美しい形で完結させるために、姉の部屋に火を点けた少年時代の真木…。
真木を地に足のついた人間の域に降ろすと見せかけて、あくまで人の範疇の及ばない怪物の域に――人間として後戻りできない位置に叩き込む容赦のなさに慄然とさせられたというか。肉親殺しという、人間として許されざる罪を背負わせたことによって完成される、美しいものを現在のままに完結させるという真木の終末思想。
宇梶剛士との決別といい、もう真木を人間の位置に戻さないという決意表明的な回ではあるんですけど(これでカンドロイドは、次に出るトリケラで商品展開終了決定/汗)…一応知世子さんという可能性を残したあたり、まだまだ真木が番組を引っ張ってしまう展開もありえるわなあ。
平成ライダーでおなじみのヘンテコマッドキャラとして登場しつつ、ここまで引っ張ってくれるキャラになるとは思わなかったですよ。

そして、ついにアンクの、そして宇梶剛士の口から語られる…800年前の真実。
世界を欲する当時の王の欲望から生まれたメダルと、そのメダルを統括する存在として王そのものが変じた姿であるオーズ(同じく過去文明の超人とはいえ、英雄の後継者というクウガと対極を成すドライなルーツ…)。その王と組んでメダルの独占を図ったアンクながら、王がオーズの力を暴走させてしまったため、巻き込まれる形で意思と記憶を宿したコアメダルを孕んだ右腕と共に封印。
そして残された身体は…年初めのヨーロッパ旅行にて、まんまと宇梶剛士の手中に(さりげに宇梶剛士がアンクのコアメダルを入手した経緯まで明らかに)…!

ついに番組最大の謎が明かされつつ(アンクが他のグリードと一線を画していた最大の理由は、“引き裂かれ、不完全だったから”というのも明白化されましたが)、これにより今後、映司は800年前の王同様に暴走してしまう危機を、アンクは再び身体と一体化したとき、その意識を乗っ取られてしまうという危機をそれぞれ新たに孕んだこととなって…。なんともリスキーな条件を抱えるヒーローになってしまったもんです(ひと昔前だったら、暴走のトリガーは変身のタイムリミットだったりしたんですが)。
ここで愚考すれば、それぞれ別種のコアの組み合わせでコンボとして成立してしまうタトバコンボの秘密は、同種コアのコンボによる暴走を抑えるための基本フォーム=パワーセーブ状態であるという脳内設定も新たに生まれてしまいますわなあ。

戦闘においても、映司の身を案じコンボを控えさせバースにてヤミーを倒す伊達。医者として、そしてある意味もっとも映司の猪突猛進を不安視するキャラとして、今後の映司との共闘の姿勢にも変化が現れるかなあ。いえ自分が大技決める際、オーズに時間稼ぎを命じるあたりは相変わらずとして(苦笑)。

元来のアンクとしての意思は引き裂かれた右腕のほうに宿り、記憶も、自我もない無垢な存在としてカザリに付き従うこととなる身体のほうのアンク。そして、宇梶剛士と袂を分かち、世界を終わらせるべく二人と行動を共にする道を選ぶ真木…! 大勢のカンドロイドたちが、真木に連れ従うビジュアルのなんともショッキングな。
いよいよ物語が大きな転換を迎えたわなあと思いつつ、そういやただひとり状況から取り残されてる状態のウヴァはどうしちゃったのよと。
カザリとのパワーバランスがやたらと差が付き過ぎてしまったあたり、ウヴァ側にも大きな動きがあるはずですけどね。予告で紫のコアメダルが遂に登場してしまったあたり、新グリードそしてオーズプトティラコンボ誕生の予感。

仮面ライダーオーズ/OOO 第29話「姉と博士とアンクの真実」

 2011-04-16
切り捨てられた半身が、自らを欲して彷徨う。
引き裂かれた半身が、自らの片割れを潰せと叫ぶ。
自分が自分でありたいという欲望が、多くの謎を秘めて激突する!

真木、愛の為に立つ! 新カンドロイド・プテラカンドロイドの初使用がまさかの真木というか、自らの、亡き姉に対する母性を求める欲求から誕生してしまうヤミーに対し、そのヤミーが姉に似ている知世子さんを狙っていることに気付き敢然と立ちはだかる。冒頭での、カザリとの関係を宇梶剛士に釘を刺されての焦りといい、ほぼ初めて見せる「他者のために立つ」という真木らしからぬ感情の発露。ある意味、やっとの真木のルーツに迫る話というか、つか今までの掴みどころのないキャラクターが人間性を見せてしまったことで、やっぱり今回を機に真木のイメージが視聴者に固定――正体不明の怪人物から、地に足のついたひとりの人間として認識されちまうかなあ。

世界の終わりは欲望にあらず使命。いえ「使命」という信念じみた台詞を言ってしまったことで、真木に「人間的な、過去の傷」を匂わせてしまってはいるんですけどね。初登場時に多くの視聴者を慄然とさせた、宇梶剛士やアンクと別の意味で、何をしでかすか判らない自らの欲望に忠実な人物…という正体不明さを貫いて欲しかったというのもありますけど。

でもまあ、今回のもう一方の主役はサブタイが示すとおりアンク。番組序盤からずっと引っ張ってきた、アンクが右腕しか復活できなかった理由、完全な身体を希求するその欲望の礎が明らかになるというか…。ついに映司とアンクの前に姿を現す、半身が不完全な状態のグリードとしての…もうひとりのアンク。
まあここ数話の左腕の暗躍が示していた、アンクが分裂した存在としての事実ながら…なんか予告見る限りでは、800年前のオーズ=アンクって展開もありえそうだしなあ(何故アンクがオーズドライバーを所持していたのかって謎の解き明かしも含めて)。

アンクの正体=オーズの秘密というのがやたら密接に関係していたというか、それを探るために後藤が宇梶剛士の元に戻ったことも含めて、いよいよ次回で一気に番組の謎が開放されそうな雰囲気ではあります。あちこちで言われているけど、去年の年末の、メズール&ガメル退場以来、キャラやコンボは増えても物語自体は停滞していた状況がいよいよ一気に動き出しますかね。

自らの求めるものに対し、プライドに阻まれることなく貪欲な姿勢を見せることも出来るようになった後藤。
ヤミーとの戦闘で負傷し、たまたま駆けつけた知世子さんの手当てを受けることとなる真木。
自らの半身の出現に際し、激昂し自らのアイデンティティを守ることに躍起になるアンク。
停滞した物語が動き、否応なく変わりはじめる登場人物たち。こうなるとある意味、最初から完成した人格として決してブレない映司が番組全体の安定を保つ役だったというか、こういうところで主人公としての存在感を示していますです(苦笑)。

仮面ライダーオーズ/OOO 第28話「1000と仮面ライダーと誕生日」

 2011-04-03
底辺に位置する者なれど、決して屈することなき熱き誇り。
いつか奴を越えるという意欲は、
千回膝を着いても千回立ち上がる!

ショッカー寄りのライダー視聴者・千堂の部屋から続々と出現する歴代戦闘員軍団! ドグマファイターの真っ赤な派手さとチャップのメカニカル&シャープな存在感が群を抜いて目立つ中、嗚呼、千堂がむしろ戦闘員贔屓のライダー視聴者なのは、自らも独身の清掃員という縁の下的境遇ゆえの、歴代悪の組織の栄光を下支えしてきた、名もなき誇り高き戦士たちへのシンパシーだったんだなあ。千堂と後藤のタイマンでの会話シーンがなかったのが最後まで残念だわ。
つか、ハリセンボンもやっぱりヤミーとしたら、千堂って密かにお笑いファンでもあるのか(苦笑)。

窮地に陥った伊達を救うため、撃破されてしまう本来生け捕りにするはずだった鳥系ヤミー。伊達の負傷で暗礁に乗り上げる映画制作ながらも、「子供達に夢を与えることが出来る!」という不屈の活動屋魂により再開(この「子供に夢を~」のくだりは…現状の地震による被災を考えれば、もっと強調してくれたら嬉しかったかもしれない台詞。こういうあたりも石黒隊長の魂が息づいてるわ)。
つか未完成フィルムに充てられているナレーションが、BLACKのナレーターでもあった小林清志というのがまた泣けるわ。ようやくライダー1000回に相応しい人間が来てくれたなあ(感涙)。

そして撮影再開される映画。通りすがりの見物人若槻千夏うぜぇというか、こいつを追い払う真木が嗚呼なんて頼もしい。
再会シーンで恋人役である比奈にサバ折りにされたり、千堂が用意した戦闘員ヤミーの強さに手こずったり、すり替えられた本物の銃器による銃撃を受けたりと普通にピンチが危険状態の映司=オーズ(今回の変身ソングは伊達担当/笑)。なんつーかなあ、今回セルフパロディー編というのはあるんだけれど…それでもライダーが大挙して押し寄せる戦闘員に戸惑ってボコボコにされるという画よりは、生身ひとつで大勢の戦闘員を次から次へとなぎ払う力強さが見たかったなあという昭和厨的感想。タジャドルによるギガスキャン→必殺技で一気になぎ払うというのは、合理的ではあっても物足りなさが目立って仕方ないですよ。

イカジャガーそしてカザリの出現により再び窮地に陥るオーズながら、「役立たずだから石にでもなってろ!」と言われた後藤の石頭攻撃と(たとえ石ころひとつでも、頑丈な石が建物の土台を支えてるんだ!/泣)、比奈の怪力でかい石ブン投げ攻撃、そしてカザリに利用されていた事実に怒り心頭となった千堂の「ショッカーでもない奴にライダーを倒されてたまるか!」という決死の意地にて逆転。そしてある意味真の1000回記念、バースドライバーへのセルメダル1000枚投入により出撃を果たす、バースのオプションパーツの合体による支援メカ、CLAWs・サソリ。
つか縦横無尽に暴れ回るCGキャラなのとメダル1000枚必要という設定的に、今回だけ登場というのがもはや確定的でもあります(悲)。せっかく登場を果たした分、存分な活躍を見せつけ見事にオーズと共に怪人を撃破!

夕焼け空の下で確かめ合う、ライダーとショッカーのライバル同士の熱い友情で幕というか…いやライダーとショッカーの関係をそんなにスポーツマンシップに則らせるなよ(爆笑)!
いやあ、今回あくまでお祭り編と割り切れば、決してライダー放送1000回記念って話ではなくとも存分に楽しませていただきましたです。
今回もまんまと宇梶剛士の掌の上で弄ばれていたアンクがある意味悲惨というか、「アンクのコアメダルの手掛かり? 私も知りたい」というのは宇梶のいつものはぐらかし方としか思えないなあ…。演出がミスリードでない限り、鳥系ヤミー出現の裏事情に宇梶が噛んでるのは間違いなさそうな雰囲気だし。
予告の限りは次回はきちんとシリアスな空気に戻りそうなのと、サブタイを信用するなら、番組放送の折り返し点にて、ついにアンクの秘密公開…のはず。
そういや冬の劇場版以来、まったく出現の音沙汰がない恐竜系幹部であるところのギルも出番そろそろ?

仮面ライダーオーズ/OOO 第27話「1000と映画と戦闘員」

 2011-04-02
千回の栄光の影に千回の痛恨。
欲望の渦に募る怒りと怨念が、
千回に渡る正義と悪の戦いに終止符を打つ?

ライダー1000回記念をオーズが勝手に祝う話というか、つか本家がノリダーみたいなパロディーやってどうすんだよと(苦笑)。
脚本/米村正二という時点で、今回は本編からスピンオフしたお祭り編として割り切って見るべきで、そう思えば素直に登場人物たちの巻き起こすバカ騒ぎをゲラゲラ笑ってりゃいいってエピソードであります。
そもそも米山が脚本書くライダーは、カブトといいディケイドといい「祭」って形容詞が似合うライダーばっかじゃねえか(笑)。

仮面ライダーの放送が今回で999回目だから(わざわざ「999」って数字が009フォントなのが泣ける)、千回記念の映画を作ろうってのは、普通に宇梶剛士が言うと違和感ないな。コアメダルの手掛かりがかかってるからとは言え、こうしたお祭じみた企画にあっさり乗るアンクというのはまあスピンオフ編の愛嬌ってことで。
この「祝! ライダー1000回」に「じゃあ千回負けた俺たちはどうなる!」と地団駄を踏むショッカー戦闘員・千堂が今回のヤミーの生みの親。千堂から生まれることとなるヤミーが、イソギンジャガーのパロ怪人としてのイカジャガーというのがやけにそれっぽいというか(イソギンジャガーは石ノ森先生本人監督回という、ある意味お祭エピソードに登場した怪人)、つか千堂が本当にショッカー戦闘員の残党なのか単なる怪人寄りのライダー視聴者なのかイマイチ不明瞭なのがなあ(アジトが、ライダーの放映全話リストを壁一面に貼ったボロアパートの一室というのが、生活感出過ぎてて…)。

今回、ギャラ1千万で監督を引き受けた伊達の悪ノリぶりが、嗚呼、完全に石黒隊長の頃に魂が戻っちゃってる(笑)。主演の映司とアンク始め、見事に伊達の顔見知り(番組レギュラー)だけで構成された役者陣&撮影スタッフ。つか知世子さんと、その知世子さんが参加するというだけで自分も参加を決めた真木のノリノリぶりがなあ。なんとも今回、全員揃ってやけにテンションおかしいぞ(まあ米村によるお祭回だし)!
一方、ただひとりレギュラー放送とテンションが変わらないため、生真面目さゆえに台詞が棒読みになって迷惑かけまくってる後藤。気にするな! それでもきちんと戦闘では伊達の援護で「ナイス後藤ちゃん!」と褒められてるじゃないか! たとえひとつのことしか取り得がない不器用さでも、そのひとつのことできちんと誰かの役に立つ、そんな人間が決して目立つことなくても社会を力強く支えてるんだよ(涙)!
そして案外そんな後藤とシンパシー通じそうな縁の下臭漂う千堂、まんま戦闘員役として撮影にもぐり込み内部から映画の製作妨害を目論みつつ、撮影中の事故からライダーである映司を庇うお人好しっぷり。ああ、こいつやっぱり本物のショッカー残党とかでなくショッカー好きのライダー視聴者だわ。そんな千堂の「ライダーを倒す怪人を」という欲望から生まれた怪人イカジャガー、さっそく街中で無差別テロを決行しようとするものの、千回記念ゲストの森下千里と千秋にコテンのパー。いやゲストに喜んでもらおうという意図でも、流石に千秋より弱い怪人はどうかと…(千秋はポケビ時代に作った曲のほとんどが結構輝いてました)。

そしてその出現意図は不明ながらも、出現して暴れ回る新たな鳥系ヤミー。つかまさか、こんなお祭り系エピソードでこいつを操る“謎の左腕”の正体が明かされたりはしないよな?
今回、前述のとおりあくまで「オーズが勝手にライダー1000回を祝うエピソード」ということで…自分含む濃い目のライダー好きが本来求めるような過去にライダーに関わったゲスト陣の出演とかよりは、あくまで大勢の視聴者に向けて、セルフパロディーで笑いを取りつつも画面を華やかに盛り上げてたという印象…(怪人・幹部復活に歴代ライダー登場というのは映画でやってるし)。つか、映司の改造手術シーンからして本家がノリダーをというツっ込みは収まらないなあ(汗)。
次回、いよいよ監督/伊達による映画完成? 映司による往年の本郷ジャケットからしてなんか楽しみというか、戦闘員ハリセンボンはもう開き直ってどんなにバカ笑いさせてくれるかを期待するしか(笑)。予告の段階で戦闘員大挙出現という往年の画も素敵であります。

仮面ライダーオーズ/OOO 第26話「アンクとリングと全部のせ」

 2011-03-26
否定すべき欲望と抗いきれない誘惑。
他者を犠牲にして癒した傷であろうと、
今度こそいつか、再び自分自身で立ち上がるために――。

カザリと真木との電話にて改めて浮き彫りとなる、今回、鳥系ヤミーを生み出した謎の存在。それにしても真木にとって知世子さん、石ノ森作品らしく亡き姉にクリソツって人だったのね。てっきり学生時代、そのマイペースぶりで今の伊達以上に真木を引っ張り回してトラウマを与えていた、あの終末思想の張本人だとばかり(笑)。亡き姉を偲びむせび泣く真木というか、こうなると、真木にも姉の存在に関わる欲望があるってのが示唆されたわけで…。
既にネタバレ済みとはいえ、真木から生み出されることとなるヤミーがどれほどの強敵となることやら。

自らの生みの親である引退したボクサーを誘拐したオウムヤミーと、その“鳥のヤミー”と同属であるアンクの謎の行動と、負傷を負わされてなおアンクの無実を信じ、今回の被害者であるボクサーを救おうとする映司。そのボクサーがパンチドランカーであることを映司と重ね合わせて心配する比奈。
映司がどんなに我が身を傷付けようとも他者を救おうとするのは、初期エピソードで自ら口にした「手が届くのに伸ばさなかったら死ぬほど後悔する、それが嫌だから手を伸ばすんだ」の台詞に集約された、内戦の国で体験した悲劇に根ざしてる訳なんですが…。そのための我が身の負担も厭わないあたり、実は「誰かのために」というある意味仮面ライダーの信条でもある言葉を、「自身を苛む呪い」とまで解釈できてしまう小林靖子脚本のドライさと残酷さというか。
さんざその出現を視聴者から予想されてる「映司から生み出されたヤミー」が登場するとして、その自身のドッペルゲンガーが映司の最大の敵になるって展開は想像に難くないなあ(もちろん、そのドッペルゲンガーを倒した瞬間こそが、映司が過去の呪縛から開放される瞬間として…まあここまではイチ視聴者の妄想/笑)。

他のボクサー達がヤミーに襲われることとなり、その犠牲を経て再生した自らの砕けた腕を嫌悪しつつ、それでも引退直前、自らと拳を交えるはずだった若いボクサーとの試合という未練を断ち切れない今回の被害者。そして、その被害者本人との試合を望み、怪人に誘拐されるがままに被害者と同じリングに経つ若いボクサー。ついに叶うこととなる二人の対決。
被害者自身がリングに未練を残したことが、今回のヤミー誕生の経緯である事実を鑑みつつも…今回ほど、ヤミーとその生みの親の利害が一致してしまう展開も珍しいわなあ。
目前で行われる二人の試合がただの欲望のぶつかり合いであることを知りつつ、二人を止めることが出来ない伊達。
そして同じく、傷を押した身体で変身し(生身で怪人と渡り合いつつの変身…というアクションの見事な殺陣の冴え!)怪人に立ち向かう映司=オーズ。
「人間ってのは、自分の命より欲しいものがあるんだから始末が悪い」
伊達の言葉は、人間の欲を他者が止めることが出来ないことへの嘆き。視聴者の前に投げ掛けられることとなる…オーズの戦う理由もまた、映司のひとりよがりな“私欲”ではないのかという、冷酷でもある問い掛け。

やはりオウムヤミーを生み出したのはアンクではなかった事実と、アンクが映司にタジャドルコンボのメダルを預けたまま姿を消していたのは、万が一の場合メダルを守るための保険。なんとも打算的なところで切っても切れない二人というか、つか、映司の負傷の原因でありつつ「お前動きが鈍いんだよ!」「言い訳すんな!」はさすが根性が曲がってることでは知世子さんもお墨付きのアンク(苦笑)。そしてこの強敵を前に、ついに伊達が引っ張り出すバースのとっておき…。まさにパーフェクトジバンのごとく、ハイテクパワーのアタッチメント、完全武装に身を包んだ「全部のせ」、バース・デイ爆誕!
いえ販促変身なのは当然として…つか、結局やったのがシャウタコンボでのとどめのための砲撃支援のみって…今回、あんまり完全武装した意味がなかったのが…。

ヤミーが倒れたことにより、元の砕けた拳に戻ってしまう被害者の手。それでも、被害者、そして挑戦者共々その顔に浮かぶのは満足した笑みと、次こそ、自らの力で復活してリングに再び立つという誓い。
身体は傷つき、夢は失われた。ならばどうすればいい? 再び立ち上がればいいのだ。ぶっちゃけると、試合の真っ最中にヤミーによる拳の再生が解かれつつも、それでも傷だらけでリングに立つ姿は映してほしかった。人間の強さが、欲望をも越え得るというのをしっかり見せてほしかったというのはあります。ええもちろん、この再起の誓いが今回のエピソードの締めとしてはいい救いとして。

今回、宇梶剛士が作っていたバースディケーキに飾られる赤い羽根と、そして、ラストシーンにて映司とアンクの背後でうごめく謎の左腕から落ちる――赤い羽根!
嗚呼、またもキーパーソンとしての宇梶剛士の底知れなさに背筋が震えるというか…。次回、ライダー放映千回記念特別編。

仮面ライダーオーズ/OOO 第25話「ボクサーと左手と鳥ヤミー」

 2011-03-10
失意の拳を付け狙う悪意の左手。
その拳で再び立ち上がりたいという純粋な願いさえ、
他者を糧に欲望に換える。

番組も気が付きゃスタートしてから半年のターニングポイント、避けて通れぬアンクの謎編。
アンク自身がこれまでのグリードと徹底的に違うのは、恐らく五体をバラバラにされて右手だけが意識を持って動いている…んじゃないかと思える訳なんですが、それを裏付けるように、今回、「アンクの左手」による炎属性/鳥系ヤミーの出現。
「アンクの左手」自体は、今回の演出上では右手同様手だけで勝手に動いているのかそれとも“何者かの左腕”となっているのかは定かでありませんが…。後者だとしたら、今回のアンクの行動がバラバラにされた自らの身体を取り戻すため――という理由も付けられるんですけどはてさて?

今回「アンクの左手」によって、負傷のため引退したボクサーの復帰の願い…を悪意的に欲望と解釈して誕生した鳥ヤミー。過去にも空飛ぶ怪人が登場しなかった訳ではないけど、こと今回かつてない属性(炎)による攻撃に苦しめられることとなるバースそしてオーズ。ところで松田賢二氏結婚のニュースを聞いたからって訳じゃないけど、もはや伊達の子分としてのポジションにすっかり落ち着いた後藤って画が、なにげに斬鬼さんと轟鬼さんの師弟コンビを彷彿とさせて微笑ましいですよ。
初めての邂逅となる鳥系ヤミーを追う伊達、後藤、そして映司と、(メダルの選別まで含めて)ことごとくその邪魔をするアンク。

当たり前のように、今回の状況証拠の積み重ねと元来グリードであることを理由にアンクを疑う後藤と、生来のお人よしもあるけれど、それでもこれまで共にヤミーを倒してきた相棒としてアンクを信用している映司。
何気に今までのエピソードを重ねてきた中で、映司とアンクの間にも利害以上の信頼関係は築かれているんだけれど、未だ番組の最大の謎として、グリードの天敵であるオーズの力を映司に与えたのもまたアンク――ならばアンクが如何なるいきさつからオーズドライバーを所持していたのか(もちろん、アンクをバラバラにしたのが800年前のオーズ…という想像は難くないとして)?
今回に関しては、アンクの裏切りという完全な謎掛け編として、ドラマ面の決着自体は次回に持ち越しなんですけど、基本2話完結の番組スタイルが特に今回もどかしく感じますな。次回はどうなるって期待的な意味で。

あと、クスクシエの広告の知世子さんの写真になんとも恐れおののいている真木。こういう面だけ切り取れば真木もいいネタキャラなんだけどなあ。自らの興味(観察)の対象のためには徹底的に冷徹になれるキャラとして、本気でいつオーズにとっての脅威に役割が差し換わってもおかしくないんだよなあ…怖っ!

仮面ライダーオーズ/OOO 第24話「思い出と恋と海のコンボ」

 2011-02-27
夢を持って働いた思い出と仲間のとの絆。
その眩く尊い記憶を、
現在の欲望が覆すことは出来ない。

ヤミーの親となってしまった、伊達のかつての仕事仲間、優美を前にヤミーの魔力ですっかりメロメロ状態の映司。主役ライダーのキャラをここまで崩してしまうというのもある意味前代未聞というか、このキャラ崩壊をもショッキングでなく受け入れられてしまうのが、映司のみならない小林靖子脚本ライダーの懐の広さなんですが。
アンクの頭連打に後藤のハリセンチョップと、いやあ、番組がきちんと脂が乗ってきてるってのが判るギャグ描写であります。

そして今回の主役・伊達は真木研究室にてコタツで丸くなりながらも宇梶剛士の激励を受けて、優美に取り付いたヤミー退治へと出発。でっかく使ってでっかく稼ぐという言の示す豪放磊落なあたりが宇梶剛士に気に入られたところなんだろうなあ。いえそろそろ後藤のことも思い出してやってほしいところなんですが。
ところで、伊達が置いていったクスクシエのチラシの知世子さんの写真に驚嘆する真木。果たしてひと目で恋に落ちたかそれともいつものトラウマスイッチ発動か!? まあ真木と知世子さんがまず間違いなく同年代ぐらいとして、知世子さんあんたいったい過去の真木にナニやったの(笑)!?

あのクズ妹から社長の座を乗っ取り、まさにイケイケゴーゴー状態の優美と、その優美の膨らんだ欲望から遂に誕生してしまう、エイとサイによる今回の合成ヤミー。後藤を伴いその場へ駆けつける伊達というか、優美に対する伊達の説得の熱さは、毎度のことながらレスキューフォース石黒隊長の頃からキャラが変わらないなあとしみじみ。
伊達にとっての優美の美貌の真髄は、アフリカで共に働いていた頃、砂まみれになって懸命に研究に打ち込んでいた姿。どんなに見掛けばかりが綺麗になっても、そんな心根の伴わないメッキに動じることのない伊達が今回も誰よりイケメン過ぎて、退場フラグが立っちゃっているのが辛い…。
我に返った優美を救うため、今こそバースへと変身する伊達。ドリルアームが地味にパワーアップしてるのもそうだけど、もはやバースバスターを生身で扱うのをすっかりモノにしている後藤のサポートといい、何気にバース陣営の頼もしさがアップしてますです。

ヤミーの存在を感知し、比奈と共にメロメロ状態の映司を連れて現場に急行するアンクとその前に立ち塞がるカザリ。しかし映司は戦える状態にないというか、アンクの「ちょっと待て!」の声に本当に待たされることになるカザリがなんか律儀(笑)。
二人羽織状態にての無理矢理な変身で我に帰る映司ながら、カザリが強敵なのは変わらないというか、オーズのタカの目にてカザリの腹中のコアメダルを狙わせるアンク。ええタカヘッドが、きちんとメダル探索のための頭というのが改めてきちんと描写されましたです。

合成ヤミーのサイ部分を撃破するものの、巨大化して逃亡するエイ部分と、瓦礫の下敷きとなって重傷を負う優美。その彼女を救うために応急処置を開始する伊達。遂に明かされる伊達の過去が国境なき医師団というのは…、嗚呼、石黒隊長が伊達役に起用された理由が判りやすいなあ。
優美と伊達の思い出語りと、夢を持って輝いて仕事に取り組んでいた姉を実は羨んでいたことを告白するクズ妹。
優美の命ばかりでなく、姉妹の絆をも救った伊達。なんてこった、今回完全にレスキューフォースの後日譚として通用しちまうじゃねえか!

カザリの腹からまんまとシャチのコアメダルを奪い、暴れ回る巨大エイヤミーに対抗するため、ついに水系コンボ・シャウタコンボへのフォームチェンジを遂げるオーズ。自らの身体を液化しての水中戦は、おぉおバイオライダー! 春映画でのRXとの共闘フラグが立ったぞ(嬉)!
つかシャウタコンボの戦闘力の本懐はどう考えてもタコ足…(苦笑)。巨大エイヤミーを押さえつけたり足をまとめてドリルキックだったりと、なんともタコ足という変身ヒーローにあるまじきモチーフがかっこよく使われてる画像インパクト。

ヤミーも撃破し、映司も姉妹の仲も元通りになってめでたしめでたしという絵に描いたようなハッピーエンド。いえまあ伊達主役エピソードとして、こういう爽やかな締め方がやたら似合ってる気がしますですよ。
伊達の本業が明かされたことで、またも気になる伊達の目的となる1億円の収入というか…。やっぱり医者の少ない国に病院を建てるとかあたりってのが有力ですかね。
嗚呼…右肩上がりまっしぐらの伊達の好感度というか、伊達が死亡しての番組退場は…本当にやらんでほしいわなあ。

仮面ライダーオーズ/OOO 第23話「キレイと卵と眠る欲望」

 2011-02-26
欲に溺れず生きる者が隠し持っている価値。
その価値に気付いてしまったとき、
向上を図って価値は欲を膨れ上げさせる。

メズールとガメルのコアメダルを取り込みつつ、あの二人のように無秩序な力の捕食による暴走には慎重なカザリ。密かに癒着してる真木にとってはむしろ暴走が願ったり叶ったりというか、毎度のことながら破滅願望の虜だわなあ。むしろ、真木にメダル突っ込んだら最強のヤミー生み出せるんじゃね?
そんな真木の元には今日も元気に伊達乱入。伊達の体調でなく興味本位でバース変身の後遺症のメディカルチェックを望んでいる真木ながら、うわ伊達の死亡フラグ来ちゃったよー(泣)! 「まどか☆マギカ」じゃあるまいし、視聴者が予想した通りの残酷展開を経て伊達退場…なんて流れにならないことを願うばかり。(良くも悪くも)毎度視聴者の予想を「えーっ!?」っと裏切ってこそのライダーじゃないか。

伊達は伊達で、世界を放浪中の映司と自分がどこかで逢ってるはずとなんとも気になってる様子。伊達と映司の関係もまた今後のドラマへの伏線として、それが明かされる時が伊達の退場劇…ってのは普通にありがち(泣)。
今回ヤミーの親としてカザリに狙われるのは、その伊達の旧友である女性研究者。妹が社長を勤める会社に誰よりも貢献しつつ、その妹に利用された挙句邪険に扱われるものほほんと研究三昧。つか妹がクズ過ぎて、むしろ姉がヤミー開花させて立場逆転になる展開早くこい早くこいと思いつつも、なかなか欲望を解き放つ素振りを見せないというか…。

つか、こうして「自分の好きなことさえ果たせれば、現状には満足」という人間すらも心のどこかに付け込む闇があるというのが今回提示されたことで、金銭が人間の生活の基盤と切り離せないのと同様に、メダルが人間の生そのものと密接に関わるというのがことさら主張されたというか…。
どんな人間でも生きる上での願い、望み、欲望は必ず持ち合わせていて、メダルは何時でもその心を引きずって膨れ上がらせてしまう。その辺を突き詰めてしまうと、メダルがどれだけ人間の悪意を反映させてしまうアイテムという怖さが出てきてしまうのですが…。

番組の裏テーマが「金銭」としたら、今後もそれに翻弄される怖さがどこまで描かれることやら。

なかなか欲望を解き放たない今回の宿主を見て、人選間違えてやんのとウヴァがバカにしたことからカザリとウヴァのケンカ勃発。ウヴァがカザリと違って、手に入れた他のグリードのコアメダルを捕食しないのは、メズールとガメルの暴走の様を前にカザリ以上に慎重になっているというのはあるにしても…カザリの言うとおり、得体の知れない変質が我が身に起こることをビビってるというのも正論で、そら正論突かれたら怒るわなあ。
今回、もはや映司とアンクのメインの出番、この二人のケンカに割って入ることだけ。つか、ここ数回での激しいメダル争奪戦のためほとんどのコンボを封じられているオーズにとって、他のグリードの能力を得たカザリがあまりにも強敵。なんか今回、ほぼ初めて幹部怪人らしい強さをグリードが見せつけたって気もしますですよ。

宿主である研究者と伊達の再会と、多少色気には欠けるものの交わされるおでん屋デートの約束。さすがに男とのデートということで、彼女がちょっと身なりを気にした瞬間――そんな、ほんの些細な「綺麗にしなければ」という願望がとうとう開花させてしまうヤミーの卵。
欲望を解き放ち、完全なメイクアップを遂げてしまった彼女の美貌というか化けっぷりに唖然。女優ってのがどれだけ凄い職業かってのにちょっと驚いたというか、彼女役の英玲奈は中山エミリの妹にしてカブトにも出演歴あり。いえインパクトある役としては、ゴーオンジャーでのイエローの我侭姉ちゃん役がこの人だったので、化けっぷりがなんか納得できたわ(苦笑)。
デートをすっぽかされた末に目の当たりにした彼女の変貌に驚く伊達と、なんたることか、ヤミーの宿主として発見した彼女にメロメロになってしまう映司…。ああ、今回と次回は完全に伊達が主役だわ(含笑)。ヤミーには強くてもグリードには弱いということで、いまいち子供さんに虚弱説流れていそうなバース(汗)、その面目躍如となるエピソードになることを期待であります。
もちろん、伊達と映司の過去の因縁(?)も含めて。

仮面ライダーオーズ/OOO 第22話「チョコと信念と正義の力」

 2011-02-19
その正義は自らの欲か誰かを守る願いか?
差し伸べられる誰かの言葉が、
揺れる信念に決意をくれる。

バッタヤミーの力の行使を正義のためと吼えつつ、もはやただの傷害犯に成り下がってるダメ親子。力を得たことで自らの正義を実行できる親子と、力を持たないが故に「平和のために」という自らの理想に手が届かない後藤。
力に溺れる親子との対比にて浮き彫りになる後藤の葛藤というか、今回、むしろ視聴者に「正義の力」の是非を問う役目が後藤に課せられているんだわなあ。
嗚呼、後藤は二代目バースでなく、むしろ新たな3号ライダーにしてやりたいって希望が働きますです。ええバースのゴツさが、もはや伊達のイメージに完全にシンクロしてしまっている分。

もはや真木とのコンビで笑いが取れるようになってる伊達というか、嗚呼、間違いなく人間側キャストで二番目の悪党の(じゃあ一番は? と問われればそりゃもちろん…)真木のペースが崩されっぱなしだわなあ。
真木に無理矢理用意させた二丁目のバースバスターを後藤に与え、後藤を導くポジションに収まってる伊達。「自分に自信を持て。道を間違ったのなら誰かが教えてくれる」ってエールからして、嗚呼、今回もレスキューフォース時代の勇姿が瞼に浮かぶ…。

バッタヤミーを率いて「正義のために」暴れまわるダメ親子と、彼等の正義を否定できずにいる後藤に対し、映司の下した結論は当然ヤミーを倒すこと。
戦争が起きた国をも歩いてきた映司だからこそ見える、膨れ上がった独りよがりな正義が行き着く暴走そして悲劇。
「正義(欲望)のためなら、人はどこまでも残酷になれる」――。
正義と欲望を同義語として言ってしまった以上、「正義を守る、仮面ライダー」が実行しなければならない正義とは?

映司の指摘で、バッタヤミーの行っていることがただの無軌道な暴力であることにやっと気付く父親というか…ええっ!? そんなんであっさり目が覚めるんかい!?? つかねえ…後藤の葛藤が全編を通じている分、親父が我に返る理由が浅すぎるんだわなあ。
子供番組で避けられるべき方向なんだけど…バッタヤミーのせいで自分の子供が重傷を負うとか、自分自身に痛みが伴うしっぺ返しを経て、初めて自分の愚かさと浅ましさを思い知るとかさあ。なんつーか、物語に重要な問いかけを投げかける役割というゲストながら、前々回登場のすぐ裏切るチンピラ以上に身勝手さが際立って見えて仕方ないわなあ。

ダメ親子を救うためにウヴァにコアメダルを奪われるという窮地に立たされつつ、自己嫌悪する親父を励ます映司。
どんなに力を得ようと、自分の身の丈を越えた正義を守ることは出来ない。今、どんなに小さくとも見過ごせぬ悲劇があって、自分にそれが救えるとしたら、その目の前の悲劇を喰い止めるために必死になるしかない。かつての仮面ライダーたちが、そうしてひとりひとりの人間を、ひとつひとつの涙を受け止めてきたように。

映司の――仮面ライダーたちの正義の立脚点は、多くの場合が私怨だったり義憤だったりと決して大きなものではなくて、それでも「今、自分が出来ること」の奮闘の積み重ねがライダーたちを“英雄”にしてきたこと。
父親にも、恐らくは後藤の胸中にもあったであろう英雄志願の願望。自らの願望を「正しき行い」にしていくには、自らの持てる力で、自らのできることを積み重ねていくしかない。それがどんなに苦闘の連続であろうと。
行き過ぎた力に溺れ、自分の欲のままに暴れることを、誰も“正義”とは呼ばないのだ。

親父の欲望がもはや果てたと見るや、こんどは親父ソックリの息子の欲望に目を付けようとするウヴァ。葛藤の末に、自らの非力さを認めそれでも自らの成すべき“正義”を見出した後藤の薫陶により、自らの本当の欲望――本当の気持ちを叫ぶ息子というのが、今回の到達点たるクライマックス。
やっとのことで気持ちよく怪人に炸裂する、タジャスピナーのギガスキャンによる必殺技というか、ビジュアルが科学忍法火の鳥というのが嗚呼なんて判りやすい。むしろ、他のコンボによるメダルを装填してのギガスキャンによる必殺技がどうなるのかという興味も尽きませんが。

前回今回と、“正義の意義”を問う脚本の志は高かったんですけど…なんだかなあ、親父がコンプレックスで家庭をガタガタにしてしまったダメ人間から脱却するまでの理由が弱かったのが残念としか。結局この親父自体はただの身勝手な加害者に過ぎず、自らは何も傷つくこともなく反省しましたハイ終了ってのがたぶんスッキリしないんだわなあ。
まあ前回今回の主役は、誰よりも葛藤していた後藤と、バッタヤミーにコテンのパーにされる連中役を身体張って奮闘したスタントの皆様ということで(苦笑)。
むしろ、ますます師弟の絆を紡いでいく伊達と後藤というのが、伊達退場フラグにならないことを願うばかり。

仮面ライダーオーズ/OOO 第21話「バッタと親子と正義の味方」

 2011-02-12
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「世の中を良くしたい」その願望に問う。
悪を懲らすは正義の勤めか?
正義を守る思いは願いか欲か?

クスクシエ一同、バレンタインフェアを控えてお買い物。つか、後藤がすっかり従業員として染まっている件(苦笑)。
そんな一行が眼にする、空き缶をポイ捨てした大人を注意する嫌な餓鬼もとい生真面目な坊ちゃんというか、他人に指摘される自分の行為の気まずさを、子供に対する高圧さと暴力で対処しようとする馬鹿に対しては、直接怒りをぶつけようとする後藤より映司の対応がはるかに大人だったという。後藤はある意味、カタブツ思考の塊だったのが人間関係とを学ぶ場を得たのだなあ。
映司と後藤が助けた子供の父親は、子供に正義感を教えて育てつつも、本人はいつまでも司法試験に受からず嫁と子供の元から家出してバイト中の身。息子との関係もうまくいかず、そんなフラストレーションが溜まる一方の不遇な環境で目の当たりにする、小悪党が欲のままに好き勝手を果たしている世間の現実。
理想と現実の狭間で膨れ上がる非力な正義感というか、「力が欲しい」という欲望もまた、ヤミーを生み出すに足る欲というのがなんともエッジ効かせた着眼点だわなあ。

前回ラストにて、アンクが自分のコアを揃えつつも他のグリードのような肉体変化を得ることができなかったことについて直接問いただそうとする映司。いきなり核心突いたところを聞いてくるなあと思いきや、今回のヤミー出現。
父親のヒーロー願望から生まれたヤミーの姿形が、仮面ライダーと同じバッタモチーフというのも今回のテーマ的にはいい皮肉。ある意味親父の願望たるヒーロー、目にしてムカつく街の小悪党どもを容赦なく成敗。まあ、確かにこれは視聴者としても見ていて爽快に気持ちいいんだけれど、ぶっちゃければこいつはあくまでヤミー、苗床になった人間の「欲望」から生まれた存在として、満たされないフラストレーションを埋めるために行動している訳で――。

バースバスターを生身でも撃てるよう特訓中の後藤と子供との再会。子供が父親から教えられた正義感は「悪いことを許してはいけない」。それに対して、自分の行動は間違っていないという子供にかける言葉のない後藤。
バッタヤミーの姿からして、恐らく父親の(そしてまた後藤の)醜い世間の現実を拒絶するような正義感は、幼い頃に見たヒーロー番組から育まれたもの。子供番組に登場する悪は、正義のヒーローが打ち倒す。ヒーローへの憧憬を抱き続けたまま大人になって、そして社会の中で、何の力も持たない人間はヒーローにはなれない現実。
「悪いことを許してはいけない」。それは圧倒的に正しいことではあるんだけれど、でもその父親の教えには言葉も、あるいは父親自身の大人としての経験も足りないんだわなあ。

「悪いことを許してはいけない」=「悪人を懲らしめる」の図式はあまりに短絡的にして子供じみた正義のあり方。「悪いことを許してはいけない」のなら、ヒーローでもなんでもない自分達が何を出来るのかを考えなければならない。どんなに難しい問題としても。
この親子の不幸は、「悪を倒す」の一点だけで思考停止してしまっていること。

目に付いた悪人を片っ端から襲撃していくバッタヤミー。それは苗床となってしまった父親の正義感よりも、この本人のウサ晴らしのために生まれた怪物であり、決して正義のヒーローでもなんでもない。
それでも「自分にとって気持ちいい存在」だけに、例え怪人であろうと失いたくはない…という父親の歪みが、ラストシーンで本人がヤミーを庇う姿よりも、むしろ父親の“歪み”を受けて育ってしまった息子の「パパー、頑張れ!」の台詞に如実に現れてしまっていて…嗚呼、なんたる悲劇!

今回次回のエピソード、この…あるいは自分に似ている親子の「正義感」を目の当たりにした後藤がむしろ主役になるんじゃないかというか、予告での後藤の叫びが沁みるなあ。
子供番組で語るところの「正義」を問う脚本がやたら面白いというか、後半となる次回にも期待。

あと、父親役伊嵜充則のブログ↓
http://blog.oricon.co.jp/mitsunori_isaki/archive/216/0

誰だよお前www(顔写真イケメンすぎワロタ)

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仮面ライダーオーズ/OOO 第20話「囮と資格と炎のコンボ」

 2011-02-04
欲と嘘が交差する騙しあいの裏切り模様。
どんなに傷ついても信じる者は、
同じ目的を共にする憎いあんちくしょう。

アンクとカザリの騙しあいの知恵比べ(ライアーゲームなんてかっこいい言い方はしない)、今回も小ズルさひとつ先んじたアンクの勝ち。同じく他者を騙すあくどさが武器の二人として、毎度アンクがカザリの一歩先を行くのは、肉体的なハンデを補うために文字通り知恵を絞ってる結果なんですかね?
8枚まで自らのメダルを揃えたカザリに対する巧妙な立場逆転と、狙うべき標的を映司に向けさせ自らはまんまと自らのコアであるクジャクメダルをゲッチョ。嗚呼、前回ラストシーンの絶望感が一気に吹っ飛ぶ痛快さではあるんだけれど、囮にされた挙句に海に投げ捨てられる映司があんまりにもあんまりな。
そりゃ比奈だって怒ってクジャクメダルを取り上げるというか、比奈を捕らえるアンクの中条きよしばりの仕事人ワザが普通に素晴らしいなあ(笑)。

今回もアンクに騙され仕方なく映司を探すカザリ(こいつはこいつで毎度毎度詰めが甘いよなあ)ながら、その映司を先に見つけてしまうのは一連の騒ぎから逃げ出したはずのヤス。
映司たちを一度裏切った身でありながら、ここで映司を見捨てることが出来ずに助けてしまうあたり、根が善人とか言うより、単に最後まで他者に対する義理を通す意気地がないだけなんだよなあ。映司に対する「いつもついつい裏切ってしまう」という悪びれた様子もない独白がそれを物語っているというか、ある意味では、視聴者の目線に一番近い…「他者を思いやる気持ちがない訳でもないが、目前の私欲や我が身大事さを捨てきれない、ただの人」なんだよなあ。

一方で伊達、普通に客として入ったクスクシエにてバイト中の後藤と遭遇。なんだかんだで後藤の苦悩に対する相談役になったりするあたり、クワガタヤミーの女の子の件といい基本面倒見のいい兄貴分なんだわなあ。
まるで後藤の苦悩をふっ飛ばさせるかのように、後藤にバースバスターを試し撃ちさせる伊達。嗚呼っ、あれほどのバズーカ使い(笑)だった後藤をも反動で跳ね飛ばすって、バースバスターの威力云々よりそれを生身で平然と使いこなす伊達の凄さがまた際立っただけとも。

そしてすっかり打ち解けてるヤスと映司。ヤスぱ自分をさんざコキ使った凶悪犯(今回のヤミー)に対する悪口を、映司は映司でアンクに対する悪口をとなんとも盛り上がる二人。それでも、ヤミーの遠吠えを耳に、足の怪我を押して「アンクは必ず来る」とヤミーの元に向かう映司。そしてアンクも映司が必ず来ることを疑いもせずにヤミーの元へ向かう。
なんだかな、今回のゲストとしてのヤスの役割がやっとここで明確になったですよ。ただの人として、弱さゆえに他者を絶対的に信じることが出来ないヤスの対比として浮かび上がる、映司とアンクの表層的な関係の様から窺い知ること出来ない強固な信頼。もうひと組、新たな信頼を築いた関係として、後藤に自らの後継者になることをバースバスターと共に託してやはりヤミーの元へ向かう伊達。
なんだかな、早朝の光刺す情景とあいまって、この三人の出陣の様がそれこそ必殺シリーズ調に決まってますです。

怪人を前に再会する二人と、そして変身。しかし映司が足を負傷しているため窮地に陥るオーズ。ここでコンドルのコアメダルを持って駆けつける里中というか、融合怪人ライオンクラゲヤミーから分離したクラゲの群れをことごとく撃ち落としていくあたり、ええっ、下手すりゃ後藤よりよっぽど強いじゃん(笑)! 伊達といい里中といいやたら屈強な人間を飼っていた宇梶剛士というか、なんだかますます後藤の存在感が可愛そうになってきました(泣)。
アンクは比奈の説得を受けてクジャクメダルを、里中は空飛ぶギロチン(笑)クジャクカンドロイドと共にコンドルメダルをそれぞれオーズへと放つ。遂に誕生を遂げる…鳥系コアメダルのコンボたる真紅の姿、タジャドルコンボ。新フォーム初登場からの逆転劇は平成ライダーの約束事的に盛り上がる展開というか、翼の展開による飛翔、脚をコンドルの爪に変形させてのキックといい、炎属性の攻撃力もあいまってなんとタジャドルが絵になるかっこよさ。

遂に3枚揃ってしまうこととなるアンクのコアメダルながら、一瞬片方だけの翼を広げたのみで、他のグリードのように新たな身体の生成には至らない…至ることが出来ないアンク。
ああ、またもアンクが他のグリードとは決定的に異なる存在であることの一端が語られたというか…もはやアンク自身の秘密が番組を引っ張る要素になってきているなあ。
あと、何気にクスクシエに飾られていた映司放浪中の写真から、やはり自らも世界を巡り回ってきた者として、映司に奇妙な既視感を憶える伊達。ここにきて伊達と映司の過去の交錯もまたありえる話になってきたか。二人が出会ったのは果たして、あの、映司が悲劇を目の当たりにした内戦の国か――?

仮面ライダーオーズ/OOO 第19話「赤いメダルと刑事と裏切り」

 2011-01-29
物欲は人の理性を狂わす本能、
我が身大事もまた本能的な欲。
その本能は時に信頼も、絆も傷つける。

知世子さんに拾われ後藤、ライドベンダー隊隊長の副業としてクスクシエ三人目の店員に。てか普通にウェイター姿が映司より様になってる感じなんですけど(苦笑)。その純粋さゆえの苦悩から、今日をブレまくる後藤の明日はどっちだ?

そして宇梶剛士にお呼ばれした映司、新アイテム・クジャク缶が扇風機代わりを務める中、宇梶の正月休みの旅行土産としてコンドルのコアメダルが進呈…されるも辞退。
アンクのコアメダルが揃えば、瀕死のままアンクに身体を乗っ取られている比奈の兄、泉刑事が用済みになるという恐れは当然として、どうにもアンクが自ら人間態になれる他のグリードとあまりに特徴が違う以上(メズールはコアが1枚のみになっても、アンク同様に身体の一部分だけになって生命維持エネルギーを節約することは出来なかったとか)、どうにも「コアメダルが9枚完全に揃うまで、比奈の兄の身体が必要」という理由付けも用意されてる気もしますが。
そして比奈の元には今回のゲストキャラとして、かつて泉刑事に世話になった小悪党・ヤス登場。ああ、なんだか「スーパー1」のチョロっぽい昭和の子分臭プンプンっぽさがまたたまらんなあ(笑)。番組に陽性な空気をもたらす、愛される要素も持った存在感のキャラだけに、今回ラストのまさかの活躍(?)に愕然としてしまうのですが。

真木とカザリは今回もコンビを組んで悪巧み。そして伊達がバースになったのは、別に真木が後藤の代わりに選んだ訳じゃなくて宇梶剛士の肝いりで選抜されたという設定が何気に公開。つか、真木研究室での伊達の傍若無人ぶり(ププッ)からして、体育会系の伊達と引きこもり系の真木がとことん相容れないってのが判りやすいわ。まあ一番悲惨なのは、鳥のフンが落ちた挙句におでん鍋に投入されるキヨちゃん人形なんですが。
映司の無欲な生き方に疑問を投げかけるカウンターキャラというばかりでなく、ある意味劇中もっとも腹黒なキャラであるはずの真木をギャグキャラに転じさせてしまうという意味でも、伊達が番組に加わった効果がジワジワと現れ始めているなあ。

今回カザリによってヤミーの苗床にされるのは、かつて舎弟だったヤスの裏切りによって泉刑事に逮捕された、二人に恨みを抱く極悪犯。その極悪犯から誕生したヤミーは、カザリの手でメズールの水棲メダルの影響も受けた、まさにゲルショッカー怪人のごとき合成怪人! ライオンとクラゲという、これまた伊達と真木ぐらい相容れないモチーフ同士の合成というのが、番組世界における「今までにない新たな怪人」という主張を成り立たせてますです。
新タイプの怪人に対しコンボチェンジで対応しようとするも、そのために必要なメダルホルダーを奪ったのは…自ら極悪犯からの比奈とアンクのボディガードを買って出ていたはずのヤス! ああ、いい感じのズッコケ系癒しキャラでもあったはずだけに、実は最初からカザリに脅迫されて近付いていましたという真相は、結果的にオーズのコアメダルの大半が奪われてしまうという自体に至って極めてショッキングだなあ。
ええ次回、恩人(?)を裏切ったことに対するこいつの良心の葛藤がドラマの中心になるはず…とは思いつつ、やはり狡賢いキャラ同士としてのアンクとカザリの、タジャドルコンボ誕生を賭けた心理戦中心になるかな?
次回、いよいよ劇場版でも活躍したタジャドルコンボ登場。ファイズアクセルフォームやWファングジョーカーといった中盤強化フォームとして、存分な活躍を期待するところですが。

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北国に蠢く黒い影。心に星を持つ男。
模型HP「豪雪地帯酒店・第二事業部」やってます。
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