Angel Beats! [EPISODE.13]Graduation

 2010-07-15
今さらながらに、ゆりにとって大切なものが戦線メンバーとの絆だったとか言いつつ、その戦線メンバーがゆりが寝ている間に音無の魔の手に堕ちて(笑)卒業済みだとか、最終回まで毎回言うことがコロコロ変わる悪癖が抜けないアニメだったわな。前回を見て、順当にゆりの役目が戦線メンバーたちひとりひとりに卒業証書を手渡す役のはずなのにね。あれほどゆりっぺのために率先して命を張ってきたかませ犬・野田が可哀想すぎるです(泣)。

「CLANNAD」渚の卒業式となにげにダブる、登場人物を絞っての卒業式。もはや後悔も、憂いもなく“卒業”していく残ったメンバーたちながら、天使=かなでと共に最後に残った音無が望むのは、かなでと共に、世界に再び迷い込んでくるであろう満たされない青春を燻らせた魂たちを迎え入れ、その魂を満たし送り出してやること。つか、もはや音無がかなでとたった二人きりの世界にて生きていたいというエゴ大爆発。あれほど感動的に執り行われた戦線メンバー卒業式の余韻が、単に二人の邪魔者を世界から追い出すのに成功しましたと言ってるように見えるのはさすがにアレ過ぎるだろ(大汗)。

天使の鼓動は、彼と彼女を繋いでいた命の絆。かつて、音無が死んださいその心臓を提供され、送れるはずのなかった青春を生きることができたかなで。そして、かなでの満たされなかった最後の望みは、想い人からの求愛の言葉…。
まあ脚本の意図的に、この最後のどんでん返しに物語のすべてを持っていきたかったというのはあるんだろうけれど…残念ながらそこまでの物語の経緯の支離滅裂さが如何ともしがたいわな。
1年以上の準備期間をかけ、大々的に前宣伝打って、最終回過ぎればたぶん急速に忘れ去られるであろう「Angel Beats!」。敗因はと問われれば、そりゃたったひとりに責任押し付けるみたいでアレだけど…原作及び脚本担当ライターのネームバリューへの過剰な期待に頼ることなく、他スタッフの側から物語の不整合さに対して意見・修正をかけるというプロセスが成されていたのかというのに疑問が残るのですよ。ぶっちゃけ、同じく著名ゲームライターを原作者に迎えつつ、「原作者はあくまで原作者」のスタンスに留めていた「おおかみかくし」のほうがまだストーリーに整合性あって見れるアニメになってたし。

最後の望みを満たされ消えていくかなでと、本来来るべきでなかったこの世界に迷い込んできたことそのものの罰とばかり、たったひとり世界に置いてけぼりとなる音無。愛した彼女の名を呼ぶ絶叫も、彼女の消えた空間を拾い集めようともがく手も、もはや永遠に届かない空しい渇望。
うぅむ、パーツごとに光る部分は多々あったものの、それを一本に繋ぎたくてもパーツのつながりがあまりに飛び飛びすぎたというのが番組の総評。テキストで魅せるタイプのライターが、アニメで挑戦しようとしたから駄目だったとかじゃなくて、ライターの作ったパーツを繋ぎきることが出来なかったというか…。特にゆり関連の言動、行動に関して意見する奴は誰もいなかったんだろうか? 
この最終回が放映されたあとで、かなでねんぷち付き「電撃G`sマガジン」がバカ売れした理由がよく判りました(買い損ねた、悔しい/大泣)。

オーラスの、転生を暗示するような少年少女の出会いは、あまりに報われない死後世界の顛末の救いとなる要素ではあるんだろうけど…。おっさん視聴者からすりゅまんま「魔獣戦士タイガー」(83年、少年チャンピォン/わざわざググってタイトル思い出した)のオチだったんで素直に感動できんかったよ。ちょっと残念。

「魔獣戦士タイガー」
http://www.accessup.org/jmanga/7_MajuSenshi_20Tiger/i_review_1.html
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Angel Beats! [EPISODE.12]Knockin' on heaven's door

 2010-07-09
単純に過ぎた世界の理と、その世界に持ち込んでならない愛という感情。
満たされずに人生を終えた者達が集い、愛を知り満ちみちた青春を補完するための世界。
何者かが作った、押し付けがましい幸福を配る身勝手な慈悲深き世界に、満たされた人生を終えた者が迷い込むことで生じたバグ――。
だからヒーローとして人生を終えた男主人公(音無)が世界に現れたことで世界がアッパラパーになりかけたので、NPCを敵キャラ化しての強制リセットを図りましたって、回りくどく言わずにズバっと言えよ(笑)。要するに単純でしかない物事を、やたら回りくどく視聴者を振り回す方向に物語を持っていくのは「エヴァ」以降の作品の悪癖だよ(「エヴァ」以降~ってのは、作者の独りよがりに対する読者からの、思考停止を表明した侮蔑的感想)。

とにもかくにもクライマックス。地上の戦いを信頼する仲間たちに任せ、ダンジョンをひとり行くヒロインと、その奥に待ち構えていたラスボス。ええ古めかしいまでのRPGのラスボス戦寸前展開ながら、結局存在感が意味不明なれど世界を手玉にとって来たラスボスとヒロインの対峙というクライマックスからして、しつこく言うけど結局「moon」を連想しちまったい。まあ泣かせ展開とダンジョンと、麻枝准の礎となった要素の再生作品的な意味を持ってたかも知れないアニメとして、再考察を図るのに「moon」の再プレイやってみろってことか…? 嫌だよあんな曲がり道の左右間違えただけで即死の無理ダンジョン!

この世界が与えるのは、自分の本来の人生で得ること敵わなかったはずの満ち足りた生活、苦悩と苦痛の忘却。でも、忘れることが出来るはずの傷も痛みも、それもまた自分自身に刻み付けられた、自分自身の立脚点たるかけがえない思い出。
“神”が築いた世界の正体は、幸福を与えるのでなく、自身のあり方を奪っていく世界。そんな世界に反抗し、自分の人生を自分の思いのままにあろうとするのが死んだ世界戦線――。
自らが神の座に着く場所まで至り、哄笑するゆり。最後の最後で彼女が新たに世界を手にした“神”として音無の前に立ち塞がるラスボスとならず、物語のテーマを叫ぶ役割を担ったのは…一応なりとも正ヒロインとしての存在感ゆえというか。つか、音無と天使がメインになって引っ張ってきた物語を、最後の最後でゆりがかっさらいましたという感想(笑)。なんだかな、今までの劇中のゆりの存在感からして、最終的に音無と対峙する役割以外の展開を思いつかなかったんだがなあ…。
自分の満たされるべき青春は、戦線メンバーたちと共にあること。それに気付き、もはやすべて満たされるゆりの、自分自身が培った後悔なき人生。そして次回、青春モノくさいサブタイを冠して最終回。

Angel Beats! [EPISODE.11]Change the World

 2010-07-03
とりあえず何の前フリもなしに最強の謎の敵が現れましたってちょっと待てー! 今さらながら、番組の構成のともすれば支離滅裂さは麻枝准にテレビアニメの脚本を書くための準備が足りなかったからと今まで擁護もしてきましたけど…。毎度毎度こうも死んだ世界戦線の戦う相手が、何の前フリも伏線もなく行き当たりばったりなのがさすがにどうかと思えてきた。
ゆりが推察する新たな敵の正体は、直井(わんこ)とは別のベクトルで神を気取り、世界の舞台装置であるNPCを変化させ操る邪悪。ええ番組を円滑に進めるためのゆりの推理能力云々にまではツっ込まないでおくとして、天使の正体が自分たち同様の人間って知ってた!? あれだけ悪意を持って追い詰めたりしておいて今さら!? いやさすがにそれは、天使ぼっち化作戦の過程を経て気付いたことと思うことにしますけど…。なんだかそれらしいクライマックスは用意しているので、そのために強引に話を進めるエピソードでしたって印象。

あからさまに戦線の理念を裏切る行為をしでかし、それをゆりに知られながらも大して糾弾されることもない音無。いえそこは裏切り者としてゆりに拳銃向けられてもおかしくないところのはずなんだけれど、そこまでゆりが感情的なキャラじゃないって言いたいのか単に話を進める上で音無孤立展開までやってられなかったか。
NPCが変化させられた影怪人軍団に立ち向かうため、音無発案の見掛け倒しエンジェルウイーングッ、に両手から強化ブレードと、おお天使figma化の際のオプションパーツがまたも増えたぞ(おらが田舎の本屋でも、天使ねんぷち付き電撃G'sマガジンは売り切れだよ)! なにげにバトルアニメの最終回付近っぽく、戦線メンバーひとりひとりの物思いにふける様を経てゆり、一点豪華ゲスト柴田秀勝さん声のパソコン業者さんに見送られ、ギルド深層部三度目のチャレンジへ。いえいい加減、そこにばっか行く展開は視聴者としても飽きました(笑)。
とりあえず謎の敵の正体とやらも、これまでの番組のパターンだったら最終回を待たずすぐ次回で明らかになりそうだなあ。
(↑OPからしてユイが消えたので、もはや消化試合と感想がやっつけ気味)

Angel Beats! [EPISODE.10]Goodbye Days

 2010-06-29
地上波では最終回迎えたらしいけどなにそれ知らん。淡々とBS11の放送の録り溜め消化していくだけであります。

音無の入れ知恵によって着々と進む天使武装化計画。腕にいかつい武器が装着されるあたりは変身サイボーグ1号世代として反応。とりあえず、威圧感を与えるのが目的としての天使武装化プランとして音無にはキングワルダー武器セットを参考にしてもらいたいな(含笑)。
http://www.geocities.jp/henshin_cyborg/archive/walder_buki.html


ユイが「Kanon」における真琴シナリオ担当かなと思いきやそうでもなかったぜって話。
そりゃそうだ、確かに目立つ癒しキャラ(笑)ではあったけど、今の今までなんの泣かせのための伏線どころか出番もそうそうない、ようは視聴者的な思い入れが育ってないキャラで今さら「今回が彼女の感動的な退場です。さあどうぞ泣いてください」とか抜かされても…。まあ麻枝准に視聴者が求めているのは泣きシナリオってのもあるけど、今回、その泣かせシーンに繋げるための積み重ねがない状態でいきなり「さあ泣け」ってシーンだけ提示されたって印象。

まあむしろ、ユイ退場がかえすがえすも残念という怨み半分な気持ちが大きいんですけど(笑)。生前、身体に大きなハンデを抱えていたユイが本当に欲しかったのは、それこそ少女漫画っぽい恋物語という女の子的な幸福。最後に、そのささやかな願いを満たされて消えてゆくユイ。ええシーン的な雰囲気は抜群でしたよ。
「AIR」の美凪シナリオの夕陽の屋上とか、あのシーンであれだけ滂沱と泣けたのは、そこまで目に水を溜め込むための積み重ねがあってそれを一気に決壊させられたというのがね。
前にも感想で書いたけれど、麻枝准自身に「ユーザーが、自分の時間でゆったりと世界観に慣れ親しむ」というゲーム脚本の書き方が身に付いちゃってて、それを毎回30分の枠という制約を与えられてどうしたもんかって話だし。結局「切り取ったシーンを羅列しただけ」みたいな脚本になって、物語的な繋がりが弱いんだわな。ただでさえ死生観ってデリケートなネタを扱ってる作品なのにね、評価的には設定馬鹿的なアニメとか言われたってしゃあないわな。

次回、このままほのぼの泣かせ路線まで最終回まで行くと思いきや、なにやら謎の敵参上でござる。いやこのアニメで次回へ気になる引きとかやっても大した展開になりそうに思えなくなりましたから(汗)。この緊張感がラストまで持つかどうか。

Angel Beats! [EPISODE.09]In Your Memory

 2010-06-19
無数の悪意の奔流を受け、斃れる天使…! ジャンプ漫画だったらこれから天使を救うためにボスキャラ12人ぐらいと連続で死闘を繰り広げなきゃならないところながら、実は別になんてことはなかったぜというのは無駄に肩透かし。
まあ続き物のアニメとして次回に向けての期待を煽るのは当然として、その煽り立てた期待感を「別に何もストーリーに影響しない出来事でした」でオチはさすがにな。

音無が思い出す自身の死因。座して死を待つ絶望感の中、同じく絶望的な環境に閉じ込められた連中を“仲間”としてまとめ上げ希望を説き続けた音無。認めるのは何だが、7日目の臓器提供意思表示カードに描かれていくみんなのサイン…ってのは腐っても泣かせゲーの始祖麻枝准、あざといと思いつつも涙腺を潤まされたのは素直に認めときます。
そして明かされる、実は単純に過ぎた世界の…学園の真実。死んだ世界戦線が、世界に歯向かう強者集う梁山泊…というよりぶっちゃけダメ人間の集まりという理由が明確すぎて、音無の死因感想以上に泣けるわ(サメザメ)。満たされないまま散った青春の救済の地として、彼等が魂を満たした後文字通り「手を振り、良かったね」と送り出すのが天使の役割。音無が残酷と泣いた、彼女が世界にたったひとり残されていくシステムも、むしろ彼女自身の慈愛の産物というどんでん返しにはそこそこ感嘆。つか前回まで麻枝の過去作品との比較から、作品全体を斜め上に深読みしすぎていた自分の立場は…(なんだよ神の正体が「MOON」のラスボスって/泣)。

むしろゆりが自分の死を受け入れず、生前の未練に固執しているというのが明白になったというか。実は報われぬ人生を救われる機会を手にしながら、その神の手をも拒むゆり。現状やっぱりゆりがラスボスとして君臨しそうな気がしてならないんだけれど、ゆり自身の死因が明かされるときまた作品に対する感想とか世界観とか一変しちゃいますかね。

Angel Beats! [EPISODE.08]Dancer in the Dark

 2010-06-12
ブルービートに対するブラックビート(重甲ビーファイター)。オリジナルから生まれ、そのオリジナルに悪意を向けるドッペルゲンガーってのも普遍ネタというか、ドラえもんの「影切りばさみ」の回もそんな話だったなあ。キュアムーンライトに対するダークプリキュアもやっぱりそういうドッペルゲンガー?

かくして死んだ世界戦線、量産されたニセ天使軍団を相手に丸々1話分マジバトルの巻。囚われのお姫様状態のオリジナル天使を救い出すべく再び地下迷宮の奥底へ。いえやってることはほぼ第2話の反復なんで、ニセ天使ひとりひとりに対してバトル物漫画の脇役キャラのごとくひとりひとり相打ち狙いで散っていく戦線メンバーという画が、本編でツっ込まれるまでもなく単なるコントというのが。血を流し傷つく肉体的な痛みを伴う描写があって、それがギャグにしかなってないという姿勢はともすれば嫌悪感の対象になりかねないのになあ。
ところでわざわざ上着脱いで天使に突貫する高松に、ルパンのOPの「ふぅ~じこちゃ~ん」を見たよ。

毒舌シンジくんでありつつ音無の前ではわんこ状態の直井(これだけ生き生きしてる緒方恵美さん声のキャラを見るのも久々だなあ)と、視聴者癒し要員として今回も身体を張ってボケまくるユイ。もはやこの二人が何気に番組二大萌えキャラですよ(笑)。ユイのバケツ持って廊下に立たされてるという、どこの昭和のアホっ子って描写だけでも素晴らしいわ(笑)。
ユイについては既に地上波放映済みのエピソードで泣き話が入ってるらしいですが、大人しくBS11で送れて視聴してる地方在住民にネタバレは勘弁して(泣)。

元々虚無から生まれたドッペルゲンガーの望みは、自身がオリジナルに取って代わる存在になること。ゆりの仕掛けた罠によってオリジナルの天使に統合されていくニセ天使たちながら、その分裂した数多の悪意もまたたったひとりのオリジナルの元へ…! ええ気になる引きで「次回に続く」というのもどこのバトル物漫画(苦笑)。
ある意味今回、たとえ戦う相手を消去(同化)していっても、どこまでも世界の秩序が前に立ち塞がってくるというルールが提示された回でもありますかね? まあこれまでで一番肩の力を抜いて見れる話ではあったんですけど。

Angel Beats! [EPISODE.07]Alive

 2010-05-30
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かつて東映版「Kanon」が放映されたとき、あのストーリーを1クールで構成することに対して番組内容の早急さというか駆け足っぷりが原作ファンの批判の対象になってたけど、ようするにこの番組は原作者自ら東映版「Kanon」をやってるようなもんなんだよなと思ってみる。
ええいい子にして待ってりゃ、そのうち京アニが全2クール分の内容にして作り直してくれるさ(苦笑)。

主人公・音無の過去が明らかになったことで俄然舞台設定が「ONE ~輝く季節へ~」を髣髴とさせるものになりましたけど、「ONE」で謳われた「永遠の世界」が、番組の世界観たる死後の世界に近いイメージを持たれつつ決定的な相違点として…、

「永遠の世界」が地上で「生きる拠り所を失った」者たちが辿り付ける世界とされていたのに対し、
「Angel Beats!」の死後の世界は「死んでも死に切れない未練を残した」者たちが行き着いてしまった世界。

そりゃ原作者同じったって別の物語なんだから、設定が異なるのは当然としてもやっぱり異なるようで類似した世界というのはどうしても憶測を働かせるところで(3話での関根消失なんかそれこそ「ONE」っぽい余韻があるし)。直井による音無の記憶の遡行が始まった時点で、番組の世界観が「ONE」と直結してるのかと一瞬思ったんですけどね。
どうにもクローズアップされる登場人物たちの背負った生前の未練。物語の行き着く先が、不条理な生からの再起としての“帰還”が描かれるのは麻枝脚本の真骨頂としても、“死後”というキーワードが俄然単純なハッピーエンドの予感を妨げてるしなあ。まあ10年来のにわか鍵厨として最後まで番組は追っていきますが。

あっさりサイキックギャグキャラとして生まれ変わった直井やいじめられっこ萌えというジャンルに踏み込んだ天使を新たに交えた死んだ世界戦線ながらも、学園番長漫画のフォーマットとして第三の敵にせ天使番長出現。ゆりすらコテンのパーにするにせ天使番長に対し、次回、封印された音無の八極拳が火を噴くはず。噴いても不思議じゃないんですが(苦笑)。

※「ONE ~輝く季節へ~」は現在ダウンロード販売にてプレイ可能(成人向けページ注意)。
http://www.digiket.com/work/show/_data/ID=ITM0041206/

Angel Beats! [EPISODE.06]Family Affair

 2010-05-23
全1クールのアニメとして、10話でやるぐらいの内容やってるんですけど。
世界の調停者として、絶対的な孤独を強いられている天使の置かれた環境に涙するしかない音無。
生前の理不尽への反抗として神に挑むゆりと、自らが神に至ることで理不尽への復讐を目論む直井との対比。
いかにも数話かけてやるべきシチュエーションを強引に1話にまとめてしまっているのは、今後の泣かせ展開にドラマを割きたいからか? 

それこそシリーズ後半を盛り上げるぐらいの特殊能力(さ、さいみんじつ…ププ)とカリスマ性を持った悪役としての直井が、音無涙の説得であっさり改心するシーンの安っぽさは、直井と死んだ世界戦線のやり取りとか敵対描写とかという過程がほぼすっぽ抜けてて…シチュエーションの積み重ねを経てのドラマのクライマックスという、視聴者の期待とかからかけ離れ過ぎちゃってるんだわな。
何気に番組内容が普通のアニメの(起承転結的な)シリーズ構成のセオリーから外れているのは、前にも書いたけど麻枝准自身にユーザーが自分のペース(時間配分)で物語を追うことが出来るゲームの脚本の書き方が身に染み付いてて、毎週1話30分という尺の中で物語を収めるとなるとどうしてもイベントシーンの羅列ばかりみたいな構成になっちゃうんだろうなあ。

今回をもって、本当に戦う相手がいなくなっちゃった死んだ世界戦線。まあ当然ラスボスとして神にケンカ売る内容にシフトしていくんだろうけど、今のところ神の存在が曖昧すぎて、それこそ「男組」の影の総理みたいなイメージを勝手に当てはめてますが(天使は神竜剛次か)。真面目な話、最終的に音無が戦うはずの神とやらは、それこそ麻枝作品として「moon」みたいな×××になるんじゃないかって気もしてきました(ネタバレ自重)。

Angel Beats! [EPISODE.05]Favorite Flavor

 2010-05-21
高潔な存在ががヒトの延長線上の存在と知っての、興味本位で地べたに引き摺り下ろそうとするヒトの卑しさ。
天使の正体に迫ろうという展開ながら、見事に天使の存在をただの周囲との距離を縮められない孤独な女生徒に転換してしまうエピソード。
少女らしい趣味で自室を彩り、氏名という固有名詞を持ち(またいかにもギャルゲのヒロインっぽい名前…)、学食のメニューにも明確な好みがある。一個の人格として認めざるを得ない数多の要素を前に、生徒会長という権力者的立場と天使という呼称と戦闘力がひとり歩きしての一方的な仮想敵化と、天使自身の無表情・無感動ぶりが与える無機質なマシンという誤解。

ゆりのそもそもの目的は、当面の敵としての天使の解析から神の正体に迫ることなんだけれど、そのための行為が敵対する相手の人格の否定ありき(相手を対等な存在として見ない)というのは、ひとりの相手を標的に絞っての排斥行為=餓鬼くさい苛めの構図とまったく大差なくて。
天使が自らその戦闘能力を築いていったこと(=元々は自分たち同様の、ただの人間という可能性)に気付くゆりながら、理解より先に、正体を暴くことを取っての行動がもたらす結果は、見事なまでに最大の目的にはほど遠い…単にひとりの女生徒の信用と社会的地位を貶め傷付けただけ。

天使自身が死んだ世界戦線の前に立ち塞がる役割を失ったというのは、彼女もまた物語において単に敵対相手としてでない重要な立ち居地にあることを示した話…ではあるんですけど、結局主人公グループとの理解は埋らないまま。
彼女との対話や言動からただひとり彼女への理解を示していく音無というか、それでも唯一できる弁護は彼女を仲間に引き込めないかという可能性を口にするだけというのは、彼女が孤立していく様を前に何の救いにもなっていないのは辛いなあ(あるいは今後の展開の伏線なんでしょうけど)。
次回へのヒキとして、いかにも番長漫画くさい、知略派(?)の新生徒会長=新たな敵登場。新生徒会長の声が緒方恵美というのはもはや「学園革命伝ミツルギ」としか思い浮かばねえ。

Angel Beats! [EPISODE.04]Day Game

 2010-05-09
岩沢の消滅が尾を引く死んだ世界戦線というか、岩沢に代わるガルデモ新ボーカルは真っピンクの髪からしてまさに萌えキャラの権化ことユイ。てかこいつ、初登場でのクラウザーさんもかくやなデスメタセルフ縛り首といい、何気に萌えるというより見てて癒されるわ(笑)。
「ケロロ」だったらギロロというか「ゲッター」だったらムサシというか、欠点が目立っても突進力でカバーするドジキャラってのはやけに愛される存在ですよ。

パッと見で主人公・音無と2Pカラー程度の違いしかない戦線メンバー・日向の未練は野球。球技大会の勝利が日向の消滅に繋がるのかと危惧する音無。この死後の世界で果たして消滅(昇華)は祝福すべきことなのか観念的なる“死”そのものなのかという是非はまだ語られていないけれど、死んだ世界戦線が――ゆりが忌みそして恐れるのは“死”という自己の消滅そのものなのか? 
自身の生前の理不尽さに対する神への復讐。座して死を待つより徹底的に生き足掻こうとするゆりの行動もまた、一度死んだ者の健やかな昇華(輪廻?)を阻む行為とも取れる訳で。まだ物語は序盤なれど、なんともゆりというキャラクターに懐疑的にならざるを得ないなあ。

とりあえず今回はスポーツギャグ編として、日向・音無・ユイを中心とした即席チームが主役属性を駆使してやたらと勝ち進むのが、普通に野球やってる人たちに失礼すぎるよ(笑)。何気にユイのボケと毒舌に対するツっ込み役になってる日向というか、その日向の昇華を、ボケかまして結果的に阻止するユイ。なんだ要するに今回徹底してユイ主役回だわ(笑)。とりあえずフィギュア出たら欲しいかも。
何気に窓から高笑いが似合う意地悪お嬢キャラが板についてるゆり。うんやっぱり最後に立ち塞がるボスキャラはゆりになるというフラグだな(たぶんちがう)。

Angel Beats! [EPISODE.03]My Song

 2010-05-02
満たされない魂が集う場所としての死後の世界の学園と、あたかも飢えたものを満たす行為としての、自分たちを昇華させるはずの神に対するレジスタンス。
ゆりをはじめ、各々生前の執着があって自らの昇華を拒むがごとく抵抗し続ける死んだ世界戦線の面々と、一足先に、自身の未練を満たし自由となる岩沢。
岩沢の最大の未練が、本当に“自分の歌”で、自分のみならず聴衆たちの胸を満たすことにあったとしたら、ある意味彼女の新曲にやんわりとダメ出しを突きつけたゆりもまた生前の岩沢を縛り付けていた理不尽と同様だったというか…。予想しうる展開で一番恐ろしくもあるのが、ゆりのエゴが面々の魂を満たすことなく学園に縛り付けている可能性を指摘されることなんですが。

生前の記憶を持たず、傍観者という位置からキャラクターたちの“人生”を見つめる音無。今後もこのなんもせん主役(苦笑)が、各々キャラたちの昇華の様を見届けていく…というパターンが続くか? ともあれテンションが上がると途端に演技が絶望先生になるあたり、まさに麻枝脚本の主人公の資格たるツっ込み役。
学園内において生徒会長という位置にいる天使。まるで悪役だという自嘲の呟きはある意味意外。自己主張を一切持たないターミネーター的存在とばかり思ってたしなあ。
岩沢最期のライブを陽動に、天使エリア(女子寮の彼女の部屋)侵入作戦を成功させる死んだ世界戦線。天使の部屋の装飾が綾波や長門の部屋ほど無機質でもないあたり、天使自身も生前なんらかの理不尽を経て満たされぬままこの世界に居ついた者…という仮定も働くのですが。

Angel Beats! [EPISODE.02]Guild

 2010-04-25
笑い事で済まされるヴァーチャルな死と消去しきれない死より辛い痛み。
世界での死の概念に重きが置かれず、何より登場人物たちの胸を深く抉る生前の傷跡。
死してなお消えることない痛みと生前の理不尽に対する怒りが、死んだ世界戦線を結成し神に抗うゆりの行動原理。
2話目で早くも明かされるヒロインの過去の傷。やっぱり今後も1話ずつ、あの過多に過ぎる仲間たちの過去の傷跡が語られていくという構成になりますかね。
すべては土から生まれ土に還る。死後の世界で物質に意味があるのかという疑問は置いておいて、この世界でも必要とされる限り「生産」という目的を持ってモノを作り続けるギルドの連中が、ある意味一番生き生きして見えるなあ。

OPのおかげで名前覚えたけど、切り込み隊長の一番槍・野田のバカさ加減が番組のいい清涼剤。否が応でも目立つ役どころといい、なんかこいつが主人公の一番のマブダチポジションに収まりそうな気も。くの一女子高生椎名さんの「バカな子ほど可愛い」ぶりに不覚にも萌えた。ゲーム化されたら真っ先に椎名さんルートを探して突貫するよ(笑)。
あと、判っちゃいたけどOPはもはや連続再生。画像、曲ともやけに出来に気合が入ってるのがなんか悔しい。ええ主題歌CD予約しましたが何か?



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Angel Beats! [EPISODE.01]Departure

 2010-04-18
そりゃ鍵ファンという潜在的顧客を大幅に見込めるコンテンツだったとはいえ、麻枝准自身に淡々と序盤を始めてクライマックスに向けて物語を盛り上げていくという書き方が染み付いちゃってるんだから、最初からクライマックスだぜ級の面白さを第1話に期待しちゃいけなかった訳で。親父世代に判りやすい言い方だったら、盛り上がり過ぎた宣伝にみんなが「ガッチャマン対タートルキング」みたいな第1話を期待してたら肩透かし喰らったみたいなもんか。

ゲームというユーザーが自分の時間のペースに合わせて展開を進めることが出来る媒体と違って、30分で状況もキャラクターも説明しなきゃならないテレビアニメ。ぶっちゃければ「ヒロインとの邂逅→戦うべき敵の存在→状況説明と仲間たちとの出会い→主人公ファーストバトル」というプロット自体は真っ当な第1話ではあったんですけどね。
まあ今を去ること10年前、ドリームキャスト移植版「Kanon」と「AIR」にさんざボロ泣きさせられた鍵ファンとしては、どこかで視聴者の涙腺決壊させる展開があると信じて、淡々と続くであろう序盤に付き合いますよ。期待。

土曜の夜は、BS11で「Angel Beats!」、BSフジで「サンレッド」とスーパー岸誠二監督タイムか…。「ガッチャマン対タートルキング」は、日本テレビアニメ第1話の最高峰。
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プロフィール

事業部長わたなべ

Author:事業部長わたなべ
北国に蠢く黒い影。心に星を持つ男。
模型HP「豪雪地帯酒店・第二事業部」やってます。
http://www.geocities.jp/x3318jp/

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